中国人業者による新幹線不正乗車のカラクリ | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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日本を訪れる中国人旅行者の増加に伴い、中国人観光客のマナーが度々メディアに取り上げられてきました。そんな中、今回中国メディアが日本を旅行する中国人の違法行為を報じ、警鐘を鳴らしています。


今後さらなる外国人観光客増加を目指し、様々な施策を行っている日本政府。そんな施策の一つに、新幹線などの列車を定額で利用できる“JR Pass”というサービスがあります。


観光ビザなどを持った外国人のみが利用できるこのJR Pass。窓口でパスポートを提示すれば購入することができますが、現在一部の中国人観光客の間で不正に使用されていることが明らかになったのです。


中国メディアによると、その不正行為とは日本にいる中国人業者がSNSなどを通じ、中国人観光客に利用を呼びかけている「新幹線の格安乗車券」で、具体的には、東京−大阪間を移動する不特定多数の中国観光客に、1回あたり600元(約9600円)でJR Passを貸し出し、目的地で再び回収するというものです。



《訪日中国人向けにこうした広告がネットで流されている》

JR Passは7日間(29110円)、14日間(46390円)、21日間(59350円)の中から好きな期間を選んで購入し、購入者はその期間中何度でも新幹線を利用できるというチケットで、他人に貸し出す人はいないという性善説に基づく制度とも言えます。


ところが一部の中国人業者がこのJR Passを悪用。観光客に貸し出し利益を得ているのです。JR Passは一度購入してしまえば、車内や改札で購入者を確認するようなことはほとんどありません。こうした不正行為はその盲点を突いた不正行為と言えるでしょう。


《中国人業者の不正行為が書かれたネットユーザーの投稿》


今回の報道を受け、中国のネット上では「賢い使い方で業者も旅行者もウィンウィンになれて良いことだ」と支持する者がいる一方、「こんな犯罪行為に多くの中国人が手を染めれば、日本人からの信用を失い、いつか中国人専用の改札が出現するかもしれない。やめるべきだ」と、注意を促す意見も多数寄せられています。


こうした不正乗車に多くの中国人が加担していることを考えると、同じ中国人として非常に悲しく残念な気持ちにならざる得ません。警察やJRには今後こうした業者の実態解明を進めてもらいたいと思います。