人種差別の歴史を考えると、人類にとっては永遠の課題のようにも思えます。
昨日、中国で生放送された中国版紅白歌合戦《春節晩会》において、演劇舞台のコーナーで中国人女優が黒人に扮したメイクと衣装で、黒人役を演じました。ところがこうした行為は、黒人に対する差別行為だとして、イギリスBBCニュースなど、欧米メディアが批判的に報じているのです。
中国網易新聞によると、この演劇ではケニアやウガンダ共和国など複数のアフリカ諸国の黒人女性たちが歌やダンスを繰り広げながら、中国政府がアフリカ諸国にインフラ整備を提供していることや、経済支援をしていることに感謝を示す内容が演じられました。この黒人女性の中に混じり、黒人に扮し顔を黒塗りにした中国人女優も一緒に歌やダンスを繰り広げていたのです。
すると、放送直後からこうした中国人女優の行為は人種差別や黒人差別に当たるのではないかと中国のネット掲示板やweibo(中国版Twitter)などで、大きな議論を巻き起こしたのです。
こうした行為は、中国人ネットユーザーの一部からは、差別であるとする意見のほか、「黒人の役をやるんだから肌を黒く塗ることのどこがいけないんだ!これを差別と言う人間こそ潜在的な差別主義者だろ」「差別的な意識はなかった訳だし、演劇の場なんだから対象のモノに似せていこうとする行為に差別なんて言う方がバカげている」など、賛否両論のコメントがネット掲示板に寄せられています。
実はこの春節晩会では、以前も農村出身の村人を題材にしたコントが行われた際に、農村の人間への差別だと批判されたことがありました。また肥満女性や独身女性を題材にした演劇でも、女性蔑視だと非難されるなど、毎年のように差別騒動は起こっているのです。
このような騒動は中国だけではなく、日本でも時々起こっています。例えば昨年大みそかの日本テレビ系バラエティー番組で、お笑いタレントの浜ちゃんこと浜田雅功さんが黒塗りメークで黒人に扮し、物議を醸しました。
インターネットやSNSの普及により、世界はますます狭くなってきました。世界各国のテレビ番組なども常に世界中で視聴できる時代となりました。これからはそうした世界の人々に対する想像力を養わなければならない時代ということなのでしょう。
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