日本の年末年始と言えば、NHKで生放送される紅白歌合戦ではないでしょうか?
旧正月の春節を迎えている中国でも、実は日本と同じような娯楽番組が中国国営放送CCTVで生放送されます。番組は“中央電視台春節聯歓晩会(略して春晩と呼ばれます)”と呼ばれ、紅白と同じで、大晦日に放送されます。そして、この一年に一度の晴れやかな大舞台に、中国・台湾・香港からビッグスターたちが大集合し正月気分を盛り上げます。
今年の春晩では、メイン会場である北京の他、貴州省・広東省・山東省・海南省の4会場を中継で結び、総勢1500人もの芸能人が登場しました。
春晩で行われるのは、舞台演劇、漫才、マジックショー、アイドルや芸能人による歌唱など多岐に渡ります。気になるその出演者ですが、今年も多くのビッグネームたちが集結しました。香港が生んだ大スター・成龍(ジャッキー・チェン)、台湾ポップス界の帝王・周傑倫(ジェイ・チョウ)、癒やし系女王・王菲(フェイ・ウォン)、中国版ジャニーズ系3人組アイドル・TF Boys、韓流系アイドルグループEXOのメンバー・張芸興(レイ)など、各方面のスターたちが楽曲を披露しました。
この春晩は世界各国にいる多くの華僑たちも、視聴しており視聴者数は10億人超、その視聴率は毎年30%以上を記録しています。ところがそれでも年々、春晩の視聴率は減少傾向にあると言われています。
その理由としては、近年は春節を海外で過ごす中国人が急増していることが挙げられます。特にこうした傾向は都市部に暮らす中国人に強く、こうした事情を反映して都市部での視聴率が減少しているのです。逆に伝統的なお正月を過ごす、つまり一家団欒でテレビを見ながらおせち料理を食べているような地方では、春晩の視聴率が大変高いと言われています。
視聴率が減少しているとはいえ、中国人にとって春晩はやはり年越し気分を盛り上げる特別な存在です。
今年の春晩には変化も見られました。これまでの春晩で披露されていた“唱紅歌”と呼ばれる毛沢東や共産党を称賛する革命歌を合唱するコーナーが、今年はなかったのです。この背景には、今年、春晩を担当する総合監督が替わり、視聴者のために芸能人による歌唱の時間を多く取ったためだと思われます。
こうした春晩の映像は、YouTubeなどでも公式に配信されています。興味がある方はぜひご覧下さい。