近頃、ヒグマの活動が盛んで、都市部にも大手を振って現れているとニュースが流れるなど、北海道の事が話題となっています。
そこで30年ほど昔ことを思い出していました。
北海道釧路の営業所に駐在していた頃の事ですが、担当エリアは日高山脈の東側の広い地域でした。
釧路市から西へ帯広市、釧路市から東へ根室市、札幌市から北へ旭川市の間が大体同じくらいで、120~130㎞(車で大体2時間くらい)ですが、道内の地点間距離は近いようで案外遠いのです。札幌と釧路の間は、なんと東京ー名古屋間(約350㎞ー車で5時間)位あります。
道東では、大きな商業都市は帯広と北見ですので、日中帯広市内で仕事を済ませ、夕方R38号を釧路へ向かって帰るスケジュールが多かったです。夕方十勝平野に別れを告げる浦幌隧道を通り音別の街を抜ける頃、カーラジオから『小沢正一の小沢正一的心』と言う番組を聞きながら、白糠から釧路へ戻ったものでした。
しかし、この国道では、ほんの1年の間に色々な目に遭いました。
ひとつは、夏の朝7時半ころの雨の早朝、釧路から帯広に向かう途中、浦幌隧道にかかる手前のところで、対向車の大型トラックとすれ違いざまにこぶし大の石が飛んで来て(飛んで来るところが目で見えました)、フロントガラスに激突し、大音響とともにフロントガラスが砕け散りました。
砕けたガラスを浴びたものの、幸いけがはなかったので、雨の中、広い所を見つけて車を止め、親切な後続車を見つけてなんとか乗せてもらい、事情を話して次の町(浦幌町)のガソリンスタンド(SS)までお願いして、そのSSから釧路のカーディーラーに救援を電話で依頼しました。当時は携帯電話と言うものがなかったので、こんな手間が掛った訳です。
SSで、2時間半ほど待っていると、カーディーラーの担当が現れ、事故現場まで戻って応急修理を施して、釧路の工場まで運ぶことになったのですが、その修理とは木の枝をフロントの中央に立てて、ビニールをかぶせてガムテープで器用に固定してフロントガラス替りにしたものです。
ビニールですから、前方がぼやけてほとんど見えないにもかかわらず、ご担当は慣れたもので、驚く私を尻目にそのまま雨の中、何事もなかったように釧路まで車を走らせました。その日のスケジュールがすべてパアになったのは言うまでもありません。
もうひとつは、冬の早朝快晴でした。真っ白な圧雪状態の国道を釧路から帯広に向って走らせていると、前方道路の真ん中に、信じられないことに直径が1mはあろうかと言う雪だるま(氷の塊)が落ちていました。
瞬時にこれを避けれるかどうか考えたのですが、とても無理と判断して、一度対向車線に車を出して避ける方法しかないと思い、前方から来るトラックがまだ遠い事を確認して、気合いを入れて対向車線へ移動しました。(なぜ気合いを入れるかと言うと、走行車線と対向車線の間は基本的に車が通らないので、雪道の場合は高さ10㎝以上の山と言うか壁のようなものが存在しているのです。)
無事対向車線へ移動して障害物を避け、元の走行車線に戻ろうとした時に事件は起きました。これも信じられないことに、この間にある山を越えようとした時、車がその山に引っかかってしまい、車が斜め横を向いたまま走行を始めたのです。時間を経ても車は引っ掛かったままで戻らず対向車の大型トラックが迫って来ました。
クラクションが鳴り続け、もうだめかと思った瞬間、奇跡が起こり私の車の後輪が何かにぶつかって飛び上がり、その反動で車体は走行車線へ戻りました。しかし、戻った反動が大きく車は再び対向車線へ戻ろうとする動きを始め、必死で車の姿勢を立て直して通常走行に回復させました。
心臓の鼓動は収まらず、少し走って脇へ車を止め、しばらくハンドルに抱き付いたまま動けませんでした。あ~あ!死にかけたなぁ~としみじみわが身の幸運に感謝しました。
なぜこのようなもの(雪だるま)が路上に落ちているかと言うと、大型トラックの大きなタイヤの上にゴムがぶら下がっているのをご存じではないでしょうか。これはタイヤが巻き上げるホコリや泥がタイヤに付着するのを払いのける効果があるらしいのです。北海道でもトラックドライバーは同じ考えのようですが、ここでは冬になるとゴムでは用を成さないので、鎖のチェーンがタイヤが巻き上げる雪を払いのける役目を果たしているようです。
これが曲者で、この鎖のチェーンに雪と氷が付いてどんどん育っていく訳です。ドライブインに冬駐車している大型トラックで、後輪のタイヤの後ろにこの雪玉をぶら下げている車が見れました。
時に、これが大きく育って雪だるまになるのですが、普通は巨大化する前に走行中、自然に脱落してゆくものですから、ドライバーはあまり気にしていないようです。
つまりこれが、私の事故の犯人なのでした。めったにない事で、札幌では出くわしたことがありませんが、道東では時々見ましたので、たぶん気温が関係しているのではないかと思います。
今は、北海道も高速道路時代を迎えて、幹線道路の道幅は広いと思いますので、こんな話はピンと来ないと思いますが、北海道の郊外の冬道走行時は、私の話を思い出して気を付けてくださいね。私もあぶなく命を落とす所でしたので。
さて、今日はいつも作るカレーですが、今回は季節の『冬瓜』を入れてみます。
『冬瓜カレー』です。
材料:(2~3人分)
- ブロックベーコンか豚肉 200gくらい
- 冬瓜 300gくらい
- ニンジン 中くらい 1本
- タマネギ 中くらい 1個
- 水 800ccくらい
- 市販カレールー 4片(1/2箱)
- 油 適量
- ご飯 茶碗人数分
- 玉子 人数分
調味料:
- マギーブイヨン 2個
- コンソメスープ 大さじ 1
- (カレーの隠し味用)
- トマトケチャップ 大さじ 2
- ウースターソース 大さじ 1
- 濃口醬油 大さじ 1
下ごしらえ:
- 冬瓜を食べやすいサイズに切って、厚い皮を落して、分量外の水とコンソメを別鍋に入れて下茹でする(白い実が透明になり串がやっと入るくらいまで)
- ベーコンを一口大に切っておく
- ニンジンの皮を剥き、少し大き目に乱切りして、500W3分ほどレンチンしておく
- タマネギは皮を剥き、くし切りにしておく
調理:
- 鍋に油を敷き、ベーコン(か豚肉)を炒め火が通ったら、ニンジンとタマネギを入れてさらに炒める
- 野菜がしんなりしてきたら、水を入れ、煮込む
- 灰汁が出ますので、それを軽く取り除いて、マギーブイヨンを入れてさらに煮込みます
- 下茹でした冬瓜をいれすこし煮てから、火を止めてカレールーを投入して溶かし込みます
- 火をつけて、鍋に隠し味用の調味料を足して、味をなじませます。
- 皿にご飯を盛り、卵をご飯の上に割り落とし、鍋のカレーの具からバランス良く装って、最後にカレースープを掛けて出来上がりです
※今回は、季節の野菜冬瓜を好きなカレーに入れてみました。カレーでは、冬瓜の水っぽさが気になるので、下茹でして少し味付けしておくことが必要です。
もし冬瓜を入手したらやってみてください。
では、今回はこれで。