ややこしい奴 | zojurasのブログ

エイプリルフールネタという訳でも無いですが、今回紹介する世界の昆虫展で展示されていた虫として、こんなのが居ます。

こちら。

 

クワガタです!カミキリです!

・・・・・ではなく、クワガタムシと、カミキリムシの合いの子のようなクワガタモドキです。

 

大顎と付節部分はクワガタムシ、触角と複眼はカミキリムシという感じの珍虫ですが、そのどちらとも同じ甲虫類という以外には類縁関係が遠い種類で、どちらかというと、キカワムシという、甲虫類では古いグループであるヒラタムシ上科に属する甲虫類に近いと云われ、幼虫が針葉樹の赤枯れや、立ち枯れ部分に潜み、肉食性というところが、クワガタともカミキリとも大きく異なっています。

 

キカワムシ科は甲虫類でもマイナーな部類で、クワガタモドキ科は日本には生息しておらず、キカワムシ科は2種だけとはいえ、日本にもいるのに対し、キカワムシ科の多くは北半球の寒冷な地域に住むのに対し、クワガタモドキは熱帯アジア中心の分布という意味で、なんとも好対照な感じではあります。

なお、タテヅノクワガタモドキの隣にいる虫はよく似ていますが、こちらはカミキリムシで、ノコギリカミキリ類の仲間になります。

 

クワガタモドキとの明確な違いは、脚の符節形状が膨らんでいる事なのですが、違いが判るかな?

チルドレンニクワガタモドキ Trictenotoma childreni

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタモドキ科

クワガタモドキ類の中では、最も広い分布域の種で、中国南部からマレーシア、インドネシア、タイなどの各国に生息し、Trictenotoma属の中では、最も厳つく、太い大顎をしている。体長は50~65mm程

全身に金、又は銀色か白色がかった微毛が特徴で、胸部上部に、黒い点が二つ出来るように見える部分には毛が生えておらず、本来の地肌は黒色で、ミヤマクワガタ類のように、生体は少しずつ、この微毛が抜けていく。

幼虫は針葉樹や、その倒木に潜み、他の虫の幼虫を襲って補食して成長するといわれる。オスがメスより大型化するのは、クワガタムシと同じ。

タテヅノクワガタモドキ Autocrates aeneus

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタモドキ科

タイに生息する最大体長80mmを越える最大のクワガタモドキで、オウゴンオニクワガタのような体色と顎をしているのが特徴の種類であり、大顎はやや前方へ反り返る。

大型種だけにその見栄えからクワガタモドキ類の中で最も人気があり、時折生体が輸入される事もあり、クワガタムシのように個体変異もあり、幼虫時の成長と、取った栄養によって、成虫の大きさが異なる個体変異も見られるが、これは甲虫類にはよく見られる傾向ではあるので、本グループやクワガタムシだけに限定されるものではない。

標本などでも輸入される場合も多いが、残念ながらその生態についてはよく判ってはいない。