世界の昆虫展で見てきた印象的な虫として、世界最大のゾウムシの紹介。
こちらがそう
世界最大のゾウムシのタイショウオオゾウムシですが、タイショウオサゾウムシと呼ばれる事が一般的なようです。
雌雄標本
右の方の小さく、前脚が短めなのがメス。
廻りのゾウムシ達も、小さい種類ではないだけに、本種の大きさの飛び抜け具合が判るかと。
生きている時は、オレンジっぽい赤色なのですが、死後は色が抜けて、くすんだ茶色っぽい色になるのが惜しい。
こちらは近似種のテナガオサゾウムシ。
前脚の長さではこちらの方が上回っていますが、大きさで圧倒的なのがお判りかと。
日本のオオゾウムシでも、しがみつかれた時、前脚の棘を指の皮膚に突き立てられた時には痛かっただけに、それより遙かに大きな本種なら、どれだけ痛いか想像したくない・・・・。
タイショウオオゾウムシ Macrochirus praetor
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 ゾウムシ上科 オサゾウムシ科
「タイショウオサゾウムシ(大将長象虫)」、「タイショウオオオサゾウムシ(大将大長象虫)」とも呼ばれ、マレーシアに生息する世界最大のゾウムシの一種で、体長は最大で90mm近くにもなり、日本最大種であるオオゾウムシの優に3倍にも達する大きさとなる。
特筆すべきはテナガコガネ類のように長く伸びた前脚で、これはオスだけに発達し、メスはそれほど長くは伸びず、オスはこの前脚を強力な武器として使用し、この前脚で相手を捕らえて締め付ける事ができ、これで同種間とメスや、食べ物を巡って争うだけでは無く、同クラスのカブトムシやクワガタムシ相手にも引けを取らない力を持ち、前脚頸節先端の鋭い棘に刺されて締め付けられると、人間でも出血は免れず、カブトムシやクワガタムシにすら生死に関わる程の傷を負わせる事すらある。
タケ科や、ロダンなどの植物を主食とし、成虫はその樹液を、幼虫はそれらの植物組織を食べて暮らしている。飛翔する際にはカナブンやハナムグリ類のように、前翅を開かずに後翅だけ展開させて飛び立ち、飛翔性も高い。
生きている時は体色は、燃えるような赤に近いオレンジ色だが、死後の時間経過により、くすんだ褐色へと変わる。