飛蝗達  | zojurasのブログ

世界の昆虫展で、世界の巨大飛蝗類の紹介。

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いきなり、「これナナフシだろ?」と云いそうですが、こう見えても立派なバッタで、南米産の世界最大のバッタの一種であるオウサマボウバッタです。

 

右がオスで、左がメスかも?

バッタじゃなくて、ナナフシだと思っちゃう人も多いでしょうね・・・・・。

こちら、ネットで話題になった、悪霊コオロギの異名を持ったリオック。

デカさにビビる人もいるかな?

こっちは、よく似ていますが、絶滅危惧種であるジャイアントウェタ。

厳つい外観ですが、獰猛なリオックと違って、大人しい虫のようです。

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ニュージーランドとその近辺で見られる巨大昆虫ですが、人間によって絶滅危機になってしまった意味では,哀しい気持ちにもなります。

オウサマボウバッタ Taxiarchus giganteus
節足動物門 昆虫網 直翅目 バッタ科
南米に生息する「ナナフシバッタ」とも呼ばれるボウバッタ属の最大種で、体長はメスで20cm近くにも達するといわれ、体長ではバッタのみならず、直翅目の中で最長の種類となる。ただし、翅が退化しているのと、細身な体型故に、全体の大きさでは同じ南米に住む体長15cm近くになるシタベニオオバッタ Taxiarchus giganteus には負ける。
ナナフシに似た体型故に動作は鈍い上に、バッタとは思えない程跳躍力も弱いが、そうしたナナフシと同様に枝に擬態する事で、身を守り、ゆっくりした動きで、巨体を動かすエネルギーを抑えていると思われ 英語で Stick cricket (棒コオロギ)とも呼ばれる。
日本最長のショウリョウバッタにも似た体型と顔立ちで、体長はその倍以上にも及ぶが、ショウリョウバッタ同様に飛翔・跳躍よりも、擬態に特化する生き残り方を選択したともいわれる。

リオック Sia ferox 

節足動物門 昆虫網 直翅目 コロギス科

体長90mm近くになるインドネシアに生息するコロギスの一種で、「オバケコロギス」とも呼ばれているコロギス科の最大種。

リオックとは現地語であり、日本産コロギスの三倍にもなりそうなサイズと大きさを誇る。肉食性で、主に昆虫類や両生類、蜘蛛類、爬虫類などを補食するが、特筆すべきはその大顎であり、元々噛む顎の力が強いコロギス類の中でも図抜けて大きいだけではなく、その噛む力は大概の虫の体表を一撃で貫いて両断する程のものであり、人間でも噛まれると皮膚を切り裂かれて出血が免れず、その大きく、強靱な顎の力をものにいわせ、自身より大きな昆虫をも仕留めるだけでは無く、天敵に対しても振るい、インターネット上での他の昆虫同士と戦わせる動画で、次々と他の虫達を血祭りにあげていった獰猛さで有名となり、「インドネシアの悪霊」とも呼ばれるようになっていった。

夜行性で、夜中に餌となる昆虫を求めて徘徊する面は他のコロギスと同じであり、後ろ脚は短く、あまり跳躍力は無い。オスはタッピングという、地面を叩く行為でメスを呼び寄せて交尾するが、メスは他のコロギスや、カマキリ類やクモ類のように、気に入らなかったりする場合や、交尾後のオスを食べてしまう事もある。

オオトゲアシカマドウマ  Deinacrida mahoenui

節足動物門 昆虫網 直翅目 クロギリス科

「ジャイアントウェタ」、「オバケハネナシコオロギ」とも呼ばれるニュージーランドを中心に生息している大型直翅目の一種で、その体長は10cm近く、体重は100g近くにも及び、ゴライアスオオツノハナムグリや、サカダチコノハナナフシと並ぶ最重量級の昆虫としても有名である。

恐竜時代よりも発生と歴史が古いといわれ、地球環境の変化を生き抜いてきた昆虫として、ニュージーランド周辺で今日まで生息し、その種類数は11種になるとも云われる。

リオックと似たような容貌で、各脚に付いている棘によって恐ろしげな肉食巨大昆虫のような雰囲気を持つが、実際はその外観だけで、棘の付いた脚部は、他のキリギリス類のような獲物を捕らえる為のものではなく、敵への威嚇や防衛の為に振るう武器であり、リオックとは対称的にもっぱら草食で、植物質のものを中心に食べているおとなしい昆虫である。

原始の自然が残るニュージーランドとその近辺の安定した環境で静かに暮らしていたが、18世紀のイギリス人達の植民地政策によって持ち込まれたネズミなどの外来生物に襲われて捕食され、現在は絶滅危惧種が殆どなってしまったが、保護政策とネズミ類の駆除、人が居ない離島で生き延びて、少しずつ生息数を回復させているという。