巨大アミメカゲロウ類と巨大カメムシ類  | zojurasのブログ

世界の昆虫展で見た巨大昆虫の一部で、インパクトがあったのは

世界最大のセミであるテイオウゼミ。

親戚のツノゼミ類が、奇抜な形状でも、サイズが小さいのに比べ、判りやすいのです(因みに、虫は実物を拡大したサイズで表示されていて、実物はその前のちゃちいモン)。

テイオウゼミのデカさは、右下のニイニイゼミと比べても判るかと(ニイニイゼミは元から小さい種類とはいえ)。

これまた、へんてこりんな頭部で有名な、ユカタンビワハゴロモ。

横から見ると、ワニの頭のように見えますが、黒い目のように見える点はただの模様で、本当の目は、その右下にある小さい○の下の方にある○となります。

オオキバヘビトンボ Acanthacorydalis orientalis  

節足動物門 昆虫網 脈翅目 ヘビトンボ科

「アジアオオアゴヘビトンボ」とも呼ばれ、中国南部から東南アジアに生息する最大のヘビトンボで、日本産のヘビトンボよりも遙かに大型で、翅を広げると、大きいもので17cm近くにもなり、日本のヘビトンボの二倍以上になる。

日本産のヘビトンボより遙かに長く、中南米に生息するオオアゴヘビトンボよりも遙かに厳つい大顎で、この大顎でオス同士がクワガタムシのように樹液を巡って争ったり、獲得したメスを挟み込んで、メスを他のオスに奪われないよう保定するともいわれるが、日本産や南米産の二種よりも生態面で明らかにされていない事の方が多い。

頭部が他の二種よりも大きく、噛む力も非常に強いと云われる。クワガタムシ同様にメスの方が大顎が小さくなる。

オオアゴヘビトンボ Corydalus cornutus

節足動物門 昆虫網 脈翅目 ヘビトンボ科

「Dobson Fly」とも呼ばれる中米と南米に生息する大型のヘビトンボで、大きさもオオキバヘビトンボに匹敵するサイズとなるが、オオキバヘビトンボに比べ、大顎は華奢で、噛む力も日本産と比べてもあまり強くない。

クワガタムシのようにメスの大顎は小さく、オスはこの大きな顎でオス同士が争ったり、メスを獲得した際、横取りされるのを阻止する為に他のオスを近付けられないように、メスを守る囲いのように用いる。

幼虫は清流に住み、そこで小形水生昆虫を補食して成長するのは日本のヘビトンボと同じだが、オス成虫のような極端な大顎は、幼虫時には見られない。

ニシキグンバイヘリカメムシ Diactor bilineatus

節足動物門 昆虫網 半翅目 ヘリカメムシ科

中米から南米に生息するヘリカメムシの一種で、体長30mm程になる。

雌雄共に後翅の頸節先端付近が幅広く発達して拡がる特徴を持つ。非常に華奢で長い脚を持つ為か、普通のカメムシ類のようにVの字を描くような形での交尾は苦手で、雌雄向かい合わせで、植物に掴まって半ばぶら下がるような形で生殖行動を採る。

メタリックグリーンの背面と、膨らんだ後肢の黄色い模様と相まって彩られる美しい種類ではあるが、ヘリカメムシである為に現地では、果物や農産物を荒らす害虫となっている。

テイオウゼミ Megapomponia imperatoria 

節足動物門 昆虫網 半翅目 セミ科

体長8cm近く、翅を拡げると20cm近くにもなる世界最大のセミとして有名で、オオヒグラシ属ともいわれ、殻付きも色合いもヒグラシを拡大させ、赤くしたように見えて、マレーシアに生息している。

日本のヒグラシと同様に、夕暮れ近くに鳴き始めるが、ヒグラシのような綺麗な声では無く、「ボーッ!!」というウシガエルにも似た鳴き声で、ジャングルの高木近辺で発音するので、普段は非常に採りにくいが、夜間に灯火にも飛来するので、そうした個体が捕獲されている。

死後は変色して赤みが薄れ、オレンジがかった色合いが強くなる。同属の近縁種が、他の東南アジア地域に生息している。

ユカタンビワハゴロモ Fulgora laternaria 

節足動物門 昆虫網 半翅目 ビワハゴロモ科

名前通り、ユカタン半島を中心にした中米地域や、南米北部にかけて分布するビワハゴロモ類の最大種で、体長7cm近く、翅を広げると、14cm近くにもなる。

現地語で「Alligator Bug(ワニカメムシ)」と呼ばれ、頭部前部に特有のピーナッツのような大きな膨らみが発達し、それが横から見るとワニの顔のようにも見える事からそう呼ばれるが、真の頭部はその膨らみから後ろの方にあり、そこに複眼と口器がある。

他のハゴロモ類に比べて大きくて動きが鈍い為、あまり機敏に跳躍して逃げる事は出来ないが、外敵が近付くと、後翅にある大きな目玉模様を見せて相手を驚かせて身を守ると云われる。

灯火にやってきた個体が捕獲されているが、生態面で不明な事が多く、更に特有の頭部前方の突起についても、何の為に付いたのか、何故そのようになったのかは謎のままである。