ザ・ラストレッドショルダー | zojurasのブログ

装甲騎兵ボトムス40周年記念OVA

 

アストラギウス歴7213年4月7日、サンサ戦を終えて解散させられたメルキア戦略装甲騎兵団特殊任務班X-1レッドショルダーの兵士だったキリコ・キュービィーは、同僚のグレゴルー・ガロッシュ、バイマン・ハガード、ムーザ・メリメの4人と共に集められ、そして、それぞれの戦地に赴くよう命令されました。それらが彼等にとって、おぞましい地獄を味あわされる事を予想しながら・・・・・・。

 

それから半年以上後の7214年3月、ウドが崩壊して一ヶ月後、キリコはバカラ・シティに来ていました。グレゴルー、ムーザ、バイマンと、サンサ以来に共に戦う・・・・・いや、復讐の為に集っていました。それは自分達に筆舌し難い死の苦痛を味会わせたレッドショルダー創設者、ヨラン・ペールゼンに復讐する為でした。

バイマン「お前も地獄を見たクチらしいな・・・・・・。グレゴルーを見ろ、戦場に駆り出され、只でさえひでえ顔なのに、あんな大きな縫い跡を造っちまった。もっと酷いのはムーザだ、故郷へ帰ったら、家族が全員殺されていた・・・・・・・。」

キリコ「・・・・・・・お前は?」

そう云いながらも、一行はペールゼンが自分に従うレッドショルダーと共に立て籠もるデライダ高地へ向かう準備をしていました。

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ムーザ「当てにならねえ部品が、ざっと200個ほどはありやがる・・・・・・。」

グレゴルー「いちいち気にしていたらはじまらねえさ。奴等と出くわしても、これほどチューンナップされたマシンはあるまい。」

バイマン「ムーザ、心配も大概にしろよ。」

ムーザ「俺はなあ!ペールゼンを絶対殺すって誓ったんだ!その為には、少しの無理もしたくねえ!!

バイマン「で、こいつの肩は赤く塗らねえのか?」

バイマンの軽口に、思わずグレゴルーが声を荒げます。

グレゴルー「・・・・・・・貴様塗りたいのか!?

バイマン「・・・・・・冗談だよ。」

かくして一行は、自分達をこのような目に遭わせたペールゼンへの復讐の為、デライダ高地へと向かいました。

 

俺は全てを忘れたつもりだった。だが、過去が俺を古傷から放してはくれなかった。

そう思ったからこそ、俺は昔の仲間の誘いに乗った。

俺の運命を狂わせたものの正体を突き止めに・・・・・・

 

衛星写真で見たデライダ高地は、バララントの爆撃を浴びて放射能汚染が酷く、草木一本生えていないと云われましたが、そうでは無い事にキリコは気づきました。

バイマン「隠居の道楽に、ランの栽培でもするってのか?」

 

もしかしたら、とんでもないものを栽培しているのかも知れない・・・・・・・。

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そして、そのデライダ高地には、秘密結社によってパーフェクトソルジャー第二号のプロトツー・イプシロンが誕生し、プロトワン・フィアナが、彼の教育係となっていました。

 

フィアナは優しく、イプシロンを導こうとしますが、イプシロンは手に止まって、自分を噛んだ虫に猛烈な敵意を燃やし、虫を叩き殺して尚、叩き続けて、フィアナがそれを諫めていました。

 

フィアナはレッドショルダー創設者であろ、PS計画の産みの親ともいえるヨラン・ペールゼンにイプシロンが失敗作である自分とは違うPSになっていくのに危惧していましたが、ペールゼンはそんなフィアナの事に構わず、目的を話しました。

ペールゼン「まだ判らないか?私は戦わせたいのだよ!キリコとイプシロンを・・・・・・・!」

 

そんな中、野宿をしていて家族を喪っていたムーザが、挑発的な態度を採るバイマンに立腹し、バイマンに殴りかかりますが、不思議な事にバイマンはムーザに殴りかかろうとしませんでした。

ムーザ「立ち上がれバイマン!何故だ?どうして殴らねえ!!

キリコ「ムーザ、奴が殴らない理由を教えてやる!」

キリコが燃える薪をバイマンの右腕に触れさせると、服の袖が焼け焦げた後、義手が見つかりました。バイマンも地獄の戦場で右腕を失う重傷を負わされていたのでした。

グレゴルー「バイマン!お前・・・・・・・。」

バイマン「・・・・・・お前さんの顔の縫い跡と同じさ・・・・・・。」

グレゴルー「それで・・・・・馬鹿野郎!なぜ話さなかった!

バイマン「見せびらかすようなものじゃねえからな・・・・・・。」

キリコ「やせ我慢はよせ!度が過ぎると、見ていて辛い・・・・・・。」

4人全てが地獄を味あわされた事を再確認したムーザが、思わず云います。

ムーザ「しかしバイマン・・・・・・それでマシンは扱えるのか?」

バイマン「なあに、ペールゼンの野郎を絞め殺すには不自由はしねえって!ほうら・・・・・・・。」

手の鈍い駆動音を立てながら、バイマンは自虐気味に、皮肉たっぷりに笑うのでした・・・・・・。

ようやくデライダ高地に着いたキリコ達は、夜を待って、ATで待機します。

その最中に、バイマンがムーザに話しかけます。

バイマン「ムーザ、聞こえるか?散々絡んで、すまなかったな・・・・・・・。」

ムーザ「よせ!」

バイマン「今だからハッキリ言うが、俺は、俺は・・・・・・・!」

グレゴルー「その位にしておけ。話したいことは、胸の中に閉まって戻ったら話すんだ、ゆっくりとな・・・・・・・。」

やがて、一行の目の前にXATHーP-RSCブラッドサッカーが現れました。

遂にキリコ達は、歩哨に現れた機体を排除し、基地に飛び込みます。

スコープドッグ改(ターボカスタム)と、ブラッドサッカーの戦いが始まりました。

4人は次々と

レッドショルダーの残党の

ブラッドサッカーを撃破していきます。

レッドショルダー同士の

激しい戦いに

デライダ高地は戦場に

なりました。

しかし、敵レッドショルダーの反撃により、進みづらくなっていきました。

バイマンが、残ってレッドショルダー全員を相手にすると告げて、一人でブラッドサッカーに立ち向かいながら、一同を行かせます。

グレゴルー「バイマン、どうする気だ!」

バイマン「ここは俺に任せて、先に行きな!!」

グレゴルー「・・・・・判った!」

ムーザ「頼んだぞ!バイマン!」

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しかし、ムーザはブラッドサッカーに乗りこんだイプシロンの攻撃で、戦死してしまいます。

 

そのブラッドサッカーの動きは、キリコには判りました。相手はウドの街で別れたあのフィアナではないかと。

 

そのキリコにペールゼンからメッセージが入りました。キリコの息の根を止める為に創り上げた兵器が居ると・・・・・・。

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しかし、相手をフィアナだと思うキリコは、上手く戦えず、追い詰められていきます。105.jpg

グレゴルーが後ろから組み付きますが、イプシロンはグレゴルーの攻撃をモノともせず、グレゴルーもイプシロンの攻撃で斃されました。

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遂にキリコのATも、イプシロンに破壊されてしまいます。

そしてキリコに止めを刺そうとしたイプシロンに、フィアナが思わず引き留めて、口づけします。

フィアナ「教えてあげるわ!人間にとって、一番大切なものが何かを!!

そして動きが止まったイプシロンを連れて、フィアナは去ろうとしあmすが、それを見ていたペールゼンは驚愕します。

ペールゼン「私は、間違っていた・・・・・・。キリコはあまりに危険な存在だった・・・・・・殺せ!イプシロン!!

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しかし、そのペールゼンを銃撃した者がいました。それはボロボロになったATでやってきたバイマンでした。

バイマン「ハア、ハア、やったぜ・・・・・・・みんなは?」

キリコ「死んだ・・・・・・・。」

バイマン「そうか・・・・・・だが、レッドショルダーも全滅だ。ペールゼンも・・・・・・。」

バイマンも力尽きて息を引き取り、キリコは脱出する秘密結社に連れられたフィアナとまたも引き離され、爆発するデライダ高地から脱出します・・・・・・・。

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その脱出の途中で、トレーラーもエンコして動けなくなり、キリコは放射能が漂う不毛の大地に、また歩み出していくのでした。

 

仲間を喪い、フィアナとも引き離されたまま・・・・・・・。

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そんなキリコの夢を見たのか、クメンでココナがバニラとゴウトに思わず、「キリコを探しに行こう!!」と言いますが、ゴウトは「キリコはきっとこのクメンにやって来る」と宥めるのでした。

 

そしてクメンへ・・・・・・・。

 

次回予告

運命(さだめ)、絆、縁(えにし)、人間的な、あまりに人間的な、そんな響きはそぐわない。

火薬の臭いに導かれ、地獄の炎に照らされて、アストラギウス銀河の星屑の1つで出逢った60億年目のアダムとイブ、これは単なる偶然か?

次回「フィアナ」

衝撃のあの日からをトレスする。