世界最大の蝶達 | zojurasのブログ

地元で日本や世界の蝶の標本を集めた催し物がありました。

 
そこで、世界一の蝶達の紹介。
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アレクサンドラトリバネアゲハ Ornithoptera alexandrae
節足動物門 昆虫網 麟翅目 アゲハチョウ科 
ニューギニア東部オロ州の限られた地域にのみ生息しているトリバネアゲハの一種で、翼長がオスで21cm、メスで28cmにもなる世界最大の蝶としてあまりにも有名。
オスはブルーメタリックの色彩の翅をもち、メスは茶と黒が混じった地味な翅色をしている。熱帯雨林の上部を飛翔し、ハイビスカスなどの花を吸蜜する。1906年に散弾銃をつかって撃ち落としたのが本種の初確認と採集になった。
終齢幼虫は体長12cmにもなり、ウマノスズクサ科の植物の葉を食べる。しかし、体が大きい分、葉を消費する量も多く、幼虫が競争相手を減らすために食草の枝先近くにいる他の幼虫を、茎の根元を梶って落としてしまう生態も持つ。
その生態もあって、数は非常に少なく、現在はEN(絶滅危惧II種)指定を受け、捕獲も禁止されているが、未だに密漁が絶えず、また生息地の環境破壊により、現在も種の存続が危ぶまれている。
 
 
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世界最大の蝶のアレクサンドラは何度か標本で見ましたが、やはり見事です。
 
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こっちはメス
 
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世界最大の蝶に相応しい姿
 
でも世界一の蝶はもう一種います。
 
こちら
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ゴライアストリバネアゲハ Ornithoptera goliath
節足動物門 昆虫網 麟翅目 アゲハチョウ科
ニューギニアとセラム島(亜種のO. g. procus)に生息している大型のトリバネアゲハの一種。近似種のメガネトリバネアゲハ Ornithoptera Boisduval の緑個体のように、オスの羽色が金属がかった鮮やかな緑色と黄色になっており、メスは茶色と黒、そして後翅には黄色が付く色合いになる。
アレクサンドラトリバネアゲハと並ぶ世界最大の蝶で、翅の開長ではメスでも25cmどまりで、アレクサンドラに負けるが、翅面積では本種が上回っている。
アレクサンドラや他のトリバネアゲハと同じ生態で、幼虫がウマノスズクサ科の食草を食べ、競争相手を減らす点も同じで、その為以前は滅多に見つからない「幻の蝶」とも云われていたが、生態が解明されて以降、ニューギニアやセラム島の「バタフライファーム」と呼ばれる蝶の保護養殖を取り組む場所で見られるようになった。
そうしたことでアレクサンドラトリバネアゲハよりも個体数が増えた為、本種が世界最大の蝶として宣伝される事も多くなったが、本種の生息域である熱帯雨林の保護も必要である事は変わりない。
 
 
というもう一つの世界最大種。
 
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これらトリバネアゲハ類は、日本のジャコウアゲハに近い種類です。
 
体内に幼虫時代に摂取したウマノスズクサの毒を蓄積しているので、鳥などに「喰えるものなら喰ってみろ」とアピールしている訳なのです。
 
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こちらはメス
 
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アレクサンドラのメスより、ゴライアスの方が綺麗だと思えます。
 
隣のオスと、大きさの違い判りますでしょうか?
 
ゴライアスというと、旧約聖書の巨人を意味しますが、虫ではこのアゲハチョウと、ゴライアスハナムグリに、世界一の蜘蛛であるゴライアスバードイーター(ルブロンオオツチグモ)に繋がります。
 
なぜならどの種類も世界最大なのですから・・・。
 
 
 
他にもう一つ
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ドルーリーオオアゲハ Papilio antimachus
節足動物門 昆虫網 麟翅目 アゲハチョウ科
アフリカ最大の蝶で、雄の前翅開長は20cm以上にもなって、前翅の長さでは世界最大の蝶となり、学名を採ってアンティアクスアゲハとも呼ばれる事もある。
他の多くのアゲハチョウ類と違い、オスの方がメスより大きく、オスは花の他、地面に来て吸水するが、他のアゲハチョウにはない動物の糞の養分を吸う特徴もある。メスはオスより小さく、オレンジと黒が混じり合った派手な色合いのオスの翅に比べて地味であるだけでは無く、個体数もオスに比べて少ない為になかなか見つけられない。
派手な色彩は、幼虫時代から蓄積した体内に毒物を保有しているという捕食者への警告であり、その毒性の強さは、ネズミ大の小型哺乳類なら数匹を殺してしまう程のものだといわれる。
 
アフリカ最大の蝶は、デカイ分、毒の強さも半端じゃない模様・・・・・・。
 
大きさではアレクサンドラ、翅面積ではゴライアスには及ばないとはいえ、前翅の際だった長さはアゲハの仲間では随一です。
 
世界最大のガに例えると、アレクサンドラがオオオヒキヤママユ、ゴライアスがカエサルサンやヘラクレスサン(海外のヨナグニサンの仲間)だとすれば、ドルーリーオオアゲハはナンベイオオヤガに当たる種なのかもしれません。