なんちゃってUSB-HPAを作る Part2:製作編
前回からの続きです。
構成が決まったところで回路を組んで部品を集めます。
と言っても、DACは既製品の流用でアンプ部は2回路オペアンプひとつと非常にシンプルなのでさくっと組んでしまいます。
左上:アッテネーター / 右上:アンプ部 / 左下:DAC部 / 右下:電源部
言うまでもなく、すべて同色のケーブルで配線するとミスを誘発するので避けた方が無難です。今回は全部単線でやろうとしたら手持ちの単線が一色しかなかったのでこんなことになりましたが、確認しながらの作業になるので効率はやはり落ちました。
こんな微妙な完成品を参考にする人がいるのか怪しいところですが、一応各部説明しておきます。
左上はアッテネーターです。
筆者はボリュームというものが嫌いです。アンプの中で最も音質に悪影響を与えているのはボリュームだと信じて疑っていません。もちろん高品質なものもあるので一概にダメとは言えませんが、それでも結局経年変化で劣化してしまいます。そんなわけで、いつもはアンプに音量調整機能なんて入れませんが、製品によってインピーダンスが大きくバラつくヘッドホンの場合はそうもいきません。
仕方がないのでL型アッテネーターを入れました。2回路6接点のロータリースイッチを使用して左右独立という無駄に豪華な仕様です。手間もそれ相応で、間違っても大量生産品で採用されることはないでしょうから自作ならではとも言えます。
右上はアンプ部です。
仕様通りの使い方なので特に変わったことはしていません。強いて言うなら、単電源動作なので通常は入力にバイアスをかけるところを、DACからの直流をダイレクトに繋げていることぐらいでしょうか。「CM119」の出力電圧がMax4.0Vなので利得は1.1倍と非常に小さくしました。同位相増幅です。
出力カップリングには「MUSE KZ 470uF」を使っています。
左下はDAC部です。
SB-Playからの流用なのでほとんど繋げただけです。もともとついていた出力カップリングコンデンサ(220uF)を取り払って直流が流れるようにしたのと、+5V入力にパスコンを入れたこと以外はそのままです。元の回路図がわからないので、本来なら安易にパスコンを入れるべきではないのですがなんとなく入れました。
こだわるなら、水晶振動子を高精度なものに変えるといいでしょう。良い感じの水晶振動子を入手できなかったので今回はあきらめましたが、機会があればいずれ変えたいところです。
右下は電源部です。
ACアダプタにLM317を使用したオーソドックスな平滑回路です。電解コンデンサはUTSJの音響用を使っています。MUSE KZより一回り以上小さいので取り回しはとても楽です。
ケースは定番のタカチHEN110412。出力端子はSwitchcraftのステレオフォーンジャックを使っています。
現在エージング中なので音質評価は次回以降になります。たぶんつづく。
なんちゃってUSB-HPAを作る Part1:構想編
長くなりそうなので、いくつかに分けて記事にしたいと思います。
ヘッドホンアンプが欲しいという話をしていましたが、調べてみると、PCオーディオの普及のおかげか主役はすっかりUSB-HPAのようです。
もちろんUSB-HPAといってもUSB専用ということはなくて他の入力系統も備えていますが、利用シーンを考えると主役はやはりUSBということになるのでしょう。相場は価格.comのランキングをざっと見た限りだと安いもので10k~、主流は20k~でした。
当然、メーカー品を買うという発想はないので相場を踏まえて自作します。ひとまず予算10k以内に収めることを目標にしておきます。
なにはともあれUSBコントローラを持ってこないといけません。USB-DACの自作記事を探してみると、「CM102S」と「PCM2704」を使用したものが多く出てきます。なるほどどちらもキットに採用されている物です。しかしスペックをみてみると16bit/48kHzまでしか対応していません。できることなら24bit対応にしたいのですが、探してみても出てこなかったので手軽な汎用品は無いみたいです。
仕方ないのでどちらかを使おう思ったのですが、「CM102S」のキットはそもそも予算オーバーですし、「PCM2704」のものでも2k強。その価格帯なら「Sound Blaster Play!」がまさに当てはまることに気づき、この時点で既製品を流用しようと決めました。ちなみにSB-Playの方には「CM119」が使われていて、スペック的には両者と大きく違うものではありません。
DACが決まったところで、次はアンプ部を考えます。
トランスを買う予算が無いことは明らかですし、今回はUSB-DACもあるので+5Vで動くデバイスだと好都合です。マルツで探してみるとあるではありませんか、単電源低電圧で動くオペアンプ「OPA2365」が丁度よさそうです。オーディオ用も想定しているということでまさにぴったり。
ここまで決まったら後は適当に用意してやれば動いてくれるでしょう。つづく。

