間取り考察 その①(迷走記録) | シャア専用ZERO-CUBE戦記

シャア専用ZERO-CUBE戦記

従軍5年の中堅となったシャア軍曹は曹長に昇進しました!
還暦夫婦が建てた企画住宅ゼロキューブのブログ。自らシャア専用と名付けた赤い外壁の住まいに関する出来事について(たま〜に)ガンダムテイストを交えながら書き記す、親族への報告と忘備録を兼ねた全記録。

ごめんなさい、間違ってアメンバー限定記事にしてました。
どなた様も自由にご覧いただけます。
 
 
 
出張先にて空き時間ができた。
やる事がないので、去年の9月に建替えを考え始めてからどんな家や間取が良いかを検討してきたその変遷(つか、迷走だな)を忘れないうちに記録しておくことにする。
おそらく、ゼロキューブに限らずこれから家の建て替えを検討する人には意味のある記事だと思います。
 
初めて家を建てる人(私は厳密には家を買うのが3回目になるが、マンション→中古戸建→新築なので設計から関係するのは初めて)が、自分の求めるものを見つけるまでに手探りし迷う様子が丸わかりかと。
大いに笑ってやってちょ~だい(笑)
 

 
まずは今までどんな家に住んでいたか簡単に家の履歴を紹介しておく。
 
さすがにマンションの間取りは残ってなかったが、南にリビングが面し北が玄関の縦長3LDKでごく普通の間取り。屋上に近い12階だったと思う。ここには子供たちが小学生に上がる辺りまで10年くらい住んだ。
マンションの利点は景観だけでなく、高層階では蚊などの虫がいないこと。玄関の鍵だけで戸締りできる事など。新築でもあったせいか、Gと呼ばれるお方(ゴルゴじゃないよ)も見たことなかったな。
 
私の実家近くに売り出してる戸建てがあるとの事でマンションを売り中古戸建を購入。マンションだと隣近所に騒音などの問題もあるため子供がいる家庭は気を遣う。犬を飼いたかったからというのも大きな理由。
 
↓旧宅の間取り
外見は「今は亡き旧宅の雄姿」にある通りだが、内部は以下の間取りとなっていた。
これは中古物件情報。土地や面積まで分かるかな。
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玄関が若干狭いものの、住みにくい家ではなかった。1階の和室が私達の寝室で2階はそれぞれ子供部屋。食堂と居間は区別なく使ってたが食堂に勉強机をおいていたので実際には8帖の居間がLDでほとんど全てこの部屋で過ごすのが常だった。背面に物置を入れたキッチンははっきりと狭かった。勝手口はゴミ置き場となっていて全く使ってない。開けたのは2~3回じゃなかったかな?
 
この家の難点は誰かが風呂に入るとトイレに入りにくい事。洗面室に風呂とトイレの入り口があるのが直接の原因で、2階にトイレが無いのも要因。
間取りの関係上、駐車スペースが1台分しか取れないことも入居時はそれほど感じなかったが、バイクが増えていくとかなり困った。
 
このような家に20数年住んだので改善したい所は夫婦それぞれに思う所があったようで、新居を考え出すと直ぐに方向性が決まった。旧宅の現状から改善したい部分は以下のとおり一致したのだ。
 
安っす~い家であっても…
 
・家の中が明るい隣家から丸見えでカーテン開けられね
・寒くない隙間風で寒すぎ。水凍る寒さ
・少しおしゃれ、歳相応でカッコいいあばら家風キノコ型
・犬が快適地面剥き出しのため犬がドロドロぼろ雑巾
・車庫2台分一台分に車とバイクをギュウ詰め
・荷物少なくスッキリとシンプル生活ゴミ屋敷
・歳をとっても安心して住める階段しんどい地震火事怖い
・とりあえず2~30年住めれば良い言い出したら切りがない
 
これが実現できる可能性があったのがシミズホームのZERO-CUBEであった。
ZERO-CUBEだった場合、
・家の中が明るい(吹き抜け+大型FIX窓でメッサ明るい)
・寒くない(高気密高断熱でエアコン効くらしい。住んでみないと判らん)
・少しおしゃれ、歳相応でカッコいい(おしゃれでカッコ良いと思うぞ)
・犬が快適(芝を貼るぞ。温水シャワー付くぞ。DEBU-CUBEもあるぞ)
・車庫2台分(2台分確保!)
・荷物少なくスッキリとシンプル生活(ゴミは捨てた。6帖納戸がある)
・歳をとっても安心して住める(オール電化、2×4で燃えにくい)
・とりあえず2~30年は住める(ノーメンテでいたい。後は知らん)
はずである。
 
シミズホームとのやり取りのなかで改善したいことを少しでも多く現実にするため自分たちの望みを上から優先順位をつけて確認していく。
 
お母さんの希望が…
・1階に和室があり日常生活が1階のみで完結、が絶対条件
・子供里帰り用に客間をひとつ
・プライバシーの守られた明るい室内
・布団干しにベランダ
・洗濯干しに屋根のあるテラス
・収容力にゆとりあるキッチン
・犬が家の周りをグルグル周回できる(これは叶わなかった)
・歳相応の外観(色だけ渋くしときました)
 
私の希望が…
・2×4構造(私の中では在来工法より利点が多い)
・バイクの整備ができる車庫
・シンプルでカッコいい外観
 
最後の方で加わった希望が…
・子供たちの実家として皆が集まった時にある程度の大きさが必要(今まで私の実家が親族の集まりによく使われていた。今後は我が家に集まることになる)
・狭い家に住む子供たちの荷物(ひな人形等)の保管場所
 
 
これらを実現すべく検討した間取りを以下に紹介していく。
これらを見ていただくうえで知っていて欲しいのが、2×4の制約。構造上、各間取りの上半分と下半分を仕切る辺りに必ず構造壁が3面(90㎝が三つ)ほど必要なのだ。これを考慮しながら間取りを検討していただきたい。
 
私も全てわかっているわけではなく、これは可能、この部分は残さないと無理などとうっちーに聞きながらあれこれ考えた。これがパズルみたいで面白いのだ。
 
 

ファーストプラン

9月のファーストコンタクトの際、うっちーがオープンハウスの中で当方の希望を取り入れて作成し次回持ってきてくれた最初の間取りがこれ
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↑↓分かるかしら。これは素のゼロキューブより90㎝ほど幅が広がっているのだ。実際に見せていただいたオープンハウスも幅を広げて1階に和室を設けていた。
 
イメージ 3
 
 
2階は客間くらいしか使わないので残りはユーティリティになっている。
それは良いのだが気になったのは1階。
 
オープンハウスもそうだったし今時は珍しくないのかもしれないが、階段に向かってTVを見る間取りに違和感を感じるのは私の歳のせいなのか? その向こうはトイレなのだからさらに気になる。
この間取はプラス1本価格が上がる割には微妙。
でも、キッチンの位置に和室が来る間取り変更を見てZERO-CUBEの可能性を見たのは確かで軽く感動したな。基本設計の良さと懐の広さを感じた。
 
上案の広い玄関収納は要らんからと玄関クローゼットを廃してスクエアに戻したプランも検討。当初はこじんまりした家を希望してたのだ。若干リビングが狭くなるが、充分可能との事。
 
このように打ち合わせの度に、これ要らんあれ付けて、これ広げてこれ無くしてなどと細々希望を伝えていった。
 
私とお母さんの希望を一覧にしてうっちーに渡したのもこの頃。
もちろん全て叶えるのが無理なのは承知の上であったが、間取り検討のうえでこれは重要な事だったと思う。設計するホームメーカーも検討する際の指針が必要なのだ。
これから設計を依頼する人にはお勧めしておきます。
 
 
うっちーにプランニングを丸投げしてるわけではなく、自分でも間取りを作って遊んでた。
以下は「お勧め間取り作成ソフト」で紹介したPowerSketchで私が作成したもの。
この時にはすでにカラオケルーム(笑)が入っているが、これは部屋が余ると勿体ないと感じるので何らかの用途を見出すためのもの。無くても困らん。
なお、納戸とベランダはお母さんのご希望に沿ったものである。
 

マイプランNo,1

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◇良い点
・スクエアで無駄がない(ゼロキューブらしい)
・一階6帖和室
・家事動線良い(勝手口まで一直線)
 
◆難点
・トイレ丸見え
・リビング階段(だから無理やりTVを和室側に)
・リビング狭い
・収納少ない
 
 
玄関開けたらトイレが丸見えなことは大きな問題。来客中は使えない。入ってたら出られないことになる。
ゼロキューブの間取りでトイレの位置取りはかなり難しい。融通が利く半面、うっかりするとリビングでくつろいでるその横でトイレの出入りが丸わかりになったり、開閉の度に内部の便器が見えたりする。女性は気になるだろう。
図面上から実際の生活をイメージしながら考えないといけないよ。
 
また、子育て世代なら2階にトイレを付けてあげないと朝の忙しい時間に渋滞が発生するだろうから股間抑えて泣く子がでるぞ。
 
 

マイプランNo,2

自分で作ってて何だが、やっぱりリビング階段に向かってTV見るの嫌だし、寒いだろうから吹き抜けも無しにしようということで改良したのがこれ↓
イメージ 5
 
 
◇良い点
・階段が長い(勾配が緩く楽)
・吹き抜けレス
・トイレ見えない
・家事動線良い
・一階和室(縮んだが)
 
◆難点
・リビングがもっと狭く感じる
・玄関位置が→にずれる
・来客あるとトイレが使えない
 
難点は、はっきりとリビングが狭いこと。ここでは小さなダイニングテーブル置いてるが、実際にはLDが10帖ほどしかないはずなので別にダイニングテーブルを置く余裕はないと思われる。
二人だけのこじんまりした家を希望される方には良いかも。
 

マイプランNo,3

こんなのもあった。無理やり和室を入れようとしているのが分かるだろうか? 間取りの迷宮に踏み込んでる感じがする。
昔はこんな感じでリビングの一部を和室にしたようなマンションが結構あったが、どうだろうねこれ。使いにくそう(笑)
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◇良い点
・キッチン周りが使いやすい
・来客でもトイレ使える
・一階和室(縮んだが)
・勝手口が不要(安くなる)
 
◆難点
・リビングがかなり狭く感じる
・家事動線が微妙(洗濯干すのはリビング窓から)
 
本来、洗面脱衣室に付く勝手口は西側にテラスなどを付ける予定がない当家では無駄になるため取外してるが、もちろん付けることも可能。
このプランは頭使った割には瞬殺だった(笑) 作ってる最中から現実感なかったもんな。
ただ、キッチンが標準の位置にある場合、この背後の壁をずらすことによって背面にある収納を広げる方法は他でも使えると思う。キッチンも十分実用的な広さを保つ。
 
我が家のようにデカいキッチンを入れる人はやらない方が良い技です。狭くなるで。
 
 

間取りに求めるものを整理した

ここまでいくつかのプランを作ってきて、別に述べるKAI平屋など他のシリーズも検討していくと、だんだんと自分たちが求めるものが明確になってくる。また、それが実現可能かどうかも分かるようになってきた。
 
こだわったもの
・1階に和室
・ゆるやかな階段→13段を15段に
・客間要る。余剰部屋は納戸とホビールーム
・キッチンはペニンシェラ型
・ベランダできれば欲しい
・屋根付きのテラスは絶対欲しい
・トイレは玄関やリビングから見えない 
・TVは階段に付けたくない
・できるだけ明るい方が良い
・犬にやさしい温水デブシャワー
 
どっちでも良いもの
・平屋でなくて2階建てでも問題ない
・吹き抜けはどちらでも良い
・リビング階段もどっちでも良い
・テラス窓から出られるなら勝手口不要
 
諦めたもの
・犬が家の周りをグルグル周回できる→できない
・1階和室、少なくとも6帖欲しい→4,5帖に
 
 
結構大きなポイントなのに「吹き抜け」がどちらでも良いに入っているのが理解できない方もあるかもしれない。
 
すこし解説すると、明るさの点では実際には無くても大きな問題はないのだが、あった方が確実に明るく感じ、空間の広がりを感じると家そのものが広く見える。いずれも「ゆとり」になる。
特に大きな窓を使うZERO-CUBEでは圧倒的な明るさになる。
 
半面、吹き抜けがあると空間の容積が大きくなるため冬の暖房の効きが悪くなるのは自明。我が家では関係ないが、2階の音が響くという人もいる。メリットばかりではない。
 
吹き抜け無し→暖房の効き良い…が、カーテン閉めると暗い           
吹き抜け有り→暖房効きが悪い…が、カーテン閉めても明るい
 
それぞれのお宅で重視するものを選べばよいだろう。
我が家ではその価値は同等だった。だからどちらでも良いが明るさは常時であり、寒さは一時的なもの。やや明るさにウエイトが傾く感じ。
 
どっちも一長一短あるのだ。
吹き抜けに関しては実際に住んでみてから結論を出したい。
 
 

マイプランNo,4 (パーフェクトプラン)

明確になってきた2人の要望をできるだけ取り入れ、満を持して登場したのが自らパーフェクトプランと呼ぶこれ↓
この辺りから間取りにはテラスが含まれて来ている。一階で洗濯を干したり犬の小屋を入れたりするのでテラスは絶対に必要なのだ。
 
 
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◇良い点
・リビング階段を廃し広々
・吹き抜けレス
 
・一階和室(縮んだが)
 
 
 
◆難点
 
・玄関が真ん中近く(ゼロキューブっぽさが無い)
 
・階段の長さが足らず無理やり伸ばしてる
 
・一階和室収納が極少
 
・テラス別途必要
 
 
 
 
ここまでに4つもプランを考えたのだなと思われるかもしれない。しかし実際には各プランに細部を変えたそれぞれ3~5種の派生プランがあり、全部は紹介しきれないしデータを消したものも多い。ここでは代表的なプランを紹介しただけ。
 
例えばこのマイプランNo,4には以下の二つもあった。細々と違っているのが分かるだろうか?で、このそれぞれに派生プランが2つほどあった。この違いもそれぞれに理由があるのだ。
 
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ベランダや収納の要否により①と②の2階は入れ替え可能。玄関SCやトイレ扉の場所開閉方向など細かく違うものもある。
結局、うっちーに見てもらうと階段の長さが足りないので曲げる必要があり、その階段下の収納は高さが半分になることが分かった。トイレ背面の収納もやや無理があるとの事で、パーフェクトプランは上記のマイプランNo,4となって落ち着いた。
 
 
最後まで検討していたこれは今でもそんなに悪くないと思ってます。
基本のゼロキューブ間取りから大幅に変更しているため変更手数料が結構必要。概ね基本ゼロキューブと+BOXとの中間くらいの価格になるのが難点で、後1本出せば+BOXに手が届く。
 
後述の理由により+BOXにはテラスも付くので割安感があった。それと比べることになったパーフェクトプランは最後まで悩ましかった間取りであった。
 
 

マイプラン+BOX

基本のゼロキューブをいじり倒すと価格が標準+BOXに近づいてくる。
ひとつには間取り変更手数料がかかるからだが、もうひとつは+BOXに付いてくるウッドデッキが当方には不要のため、取外すことでどうしても欲しい屋根付きのコンクリートテラスにほぼ無料で交換できるからだ。これは大きかった。
 
パーフェクトプランにテラスを付けるにはそれなりの金額必要になる。勝手口も外すことはできない。
それに対して+BOXに事実上無料で付いてくるテラスは面積が大きく(6帖もある)、和室があり(若干狭いが)、広々したLDで吹き抜けも明るさの点では魅力だ。
また洗面脱衣室に付いてくる勝手口は当家では一生使うことが無いと思われるのでこれも外すことができる。
 
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キッチン横の赤い部分は本来コンロ前にある壁を無くすとこの壁だけで支えることになるが、大丈夫かとうっちーに聞いた時のもの。奥行が96㎝もあるペニンシェラを入れるためのものだが問題ないとの由でこうなった。壁の代わりにはガラス板が入る。
 
角度が違って見にくいけどメーカーの標準間取りと比べられたし。
(勝手にリンクしたれ)
 
 
 
殆ど標準のZERO-CUBE+BOXに見える。しかし大きく違う点がひとつ。
通常、玄関を入るとリビングに出るのが普通だが、当家のプランではダイニングに出る。真ん中に通る梁の部分でj上半身と下半身を左右逆転させているわけだ。
(つーかこの画像でくらべると上半身が逆転してるな)
 
ZERO-CUBEはこんなことも可能なのだ。
 
 
 

最終的な間取り

散々っぱら間取りを作って検討したが、パーフェクトプランに代表するゼロキューブ標準サイズのいじり倒したプランか+BOXかで悩んだ結果「子供たちの実家としてある程度の大きさ広さが必要」とのお母さんの希望により+BOXプランに決定した。
 
最終的な間取りは以下の通り。
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当家の間取りをまとめると以下の通り。
 
・基準は北玄関プラン+BOX
・リビング側半身を反転。
・勝手口を廃止
・ウッドデッキの代わりにコンクリートテラス
・2階6帖洋間と納戸の収納を廃止
 
のみになる。
殆ど基本のゼロキューブ+BOXに落ち着いた。
何度も何度もうっちーに図面を書かせたが、結局元のさやに納まった感じ。
 
私はベツダイさんやシミズホームさんの回し者ではないが、自分に都合の良いように考えて取捨選択した結果行き着いた結論である。この企画住宅の基本設計が非常に優れていることを図らずも証明したのではないだろうか。
 
 
え?検討したプランの数?
ん~、全部数えると20は下らん(笑)だろうな。 
 
でも自分の家の理解につながったので無駄にはならないと思います。何より面白かった。
これらの間取り変更の軌跡がこれからご自宅を検討される方のお役に立てれば幸い。
 
 
 
本当はマイプランNo,1と2の間辺りで ZERO-CUBE KAI ACT1を検討したり、No,4の少し前には同系列の SWEET HOME や HYVA STYLE に浮気したりしてたが、これについてはまたの機会に。