今回は「リチウムイオン電池」の危険性について考えます。

リチウムイオン電池は、スマートフォンや電気自動車など私たちの生活に欠かせない存在ですが、

高エネルギー密度ゆえに一定の危険性を孕んでいます。
主な危険性は、「熱暴走(ねつぼうそう)」と呼ばれる現象に集約されます。

 

■ 危険が発生する主な原因
リチウムイオン電池の内部では、プラス(正極)とマイナス(負極)が「セパレータ」という薄い膜で仕切られています。

この構造が壊れるとトラブルに繋がります。
▼物理的衝撃

強い衝撃や圧迫、あるいは釘が刺さるなどの穿孔(せんこう)により内部ショートが発生します。
▼高温環境

ストーブの近くや夏の車内など、高温下に放置すると内部の化学反応が加速します。
▼過充電・過放電

制御回路の故障などで電気を詰め込みすぎたり、逆に空の状態(電圧低下)で放置した後に充電しようとしたりすると不安定になります。
▼非純正品の使用

安価な非純正バッテリーや充電器は、安全保護回路が不十分な場合があります。

■「熱暴走」のプロセス
一度内部でショートが起きると、以下のサイクルが爆発的に進行します。
1.異常発熱

ショートした部分から熱が発生。
2.連鎖反応

その熱によって隣接するセルや材料が分解し、さらに熱を放出。
3.ガスの発生

内部の電解液が気化し、可燃性ガスが充満。
4.発火・破裂

膨張した容器が耐えきれなくなり、激しい炎や煙とともに破裂します。

■事故を防ぐための対策
日常生活で意識すべきポイントは以下の通りです。
▼「膨らみ」に注意

電池が膨らんでいるのは、内部でガスが発生しているサインです。直ちに使用を中止してください。
▼充電環境の管理

周囲に燃えやすいものがない場所で充電し、就寝中の長時間充電などは避けるのが理想的です。
▼落とさない・叩かない

外観に傷がなくても、内部のセパレータが損傷している可能性があります。
▼適切な廃棄

一般ゴミ(燃えるゴミなど)として捨てると、ゴミ収集車の中で圧縮されて火災の原因になります。

必ず家電量販店などのリサイクルBOXへ持ち込んでください。

■リチウムイオン電池が使用されている例

・モバイルバッテリー

・スマホやタブレット

・ワイヤレスヘッドホン、ワイヤレスイヤホン

・switchなどの携帯ゲーム機

・モバイル扇風機