卒業式から1年後、龍人達は久しぶりに龍人の家で集まっていた。

「大学生活は楽しいか?」龍人が聞く。

「楽しいよ。友達もいて」加奈は以前より明るくなっていた。

「でも勉強大変だし本当に私医療の道行けるかな」胡桃は不安だった。

「行けるさ胡桃なら」

「そうだ。まだ1年しか経ってないじゃん」楽人は励ます。

「俺は遊び惚けているけどな」時は相変わらずだった。

「でもいつか医療の世界で偶然一緒に仕事をするときがくるかもしれないね」

「俺はたぶんないな」時は言う。

「あなたに言ってないよ」湖南は突っ込みを入れた。

「みんな!」

ふと海斗の声が聞こえた。

「また幻か…」龍人はそう感じた。

「いや、違う!」

龍人達が声の方向を見る窓の向こうに海斗の姿があった。

「海斗…海斗!」加奈は思わず声を上げて窓を開けて駆け寄る。

「まだ会えたな。加奈」海斗は喜んだ。

「海斗」加奈は嬉しさのあまり泣いてしまう。

「海斗!」龍人達も駆け寄る。

「海斗、まだいつかお前と会えると信じていたぜ」時は喜んだ。

「まだ海斗と会えて嬉しい」楽人は笑顔だった。

「海斗、1年以上ぶりだね」胡桃も笑顔で再会を喜ぶ。。

「まだ海斗の声が聞けて嬉しい」湖南は涙を流す。

「久しぶりだな。時、楽人、胡桃、湖南、龍人、加奈」

「でもごめん。勝手にいなくなってしまって。本当は最後に別れの挨拶をしたかったけどでも突然消えてしまって言えなかったんだ」海斗は謝る。

「良いんだよ。そんな事」

「でもなんで戻って来れたの?」加奈は聞く。

「突然天使が現れて悪い終わり方をさせてしまった俺を思って特別に来る事が出来たんだ」

「そうなんだ」

「加奈、綺麗になったね」海斗は褒める。

「海斗もかっこよくなったね」加奈も褒める。

そして海斗は思い出した。

初めてこの世界にやって来てそして屋上で初めて3人で話をした事。

そのときは加奈は自分を嫌がっていたが今は自分が帰って来た事を喜んでくれている。

「3日間だけだが天使にこの世界にいて良いと言われているんだ」

「3日もあれば充分だな」龍人はこれから何をするか考える。

するとそこにもう1つ光が現れる。

光が消えるとそこにいたのは椿だった。

「椿…」湖南は驚く。

「まだお前たちと再会できるとはな」椿も驚いていた。

湖南は椿を抱きしめる。

「おかえり」

「ただいま」

湖南と椿は無意識に言葉が出た。

「そういえばお前何で白衣なんだ?」楽人が聞く。

「そういえばそうだな」時も気付いた。

「俺はドクターに戻る事が出来た」

「そうなのか。良かったじゃないか」海斗は安心した。

「それじゃもう闇医者じゃないね」胡桃は言う。

「あの後、俺は病院側から成功確率が低い手術の依頼が来た。本当は無免許医にやらせるのは違法行為だがしかし今回はとても難しい手術で出来る人が俺以外いなかったという事で特例で手術をした」

「そしてその手術が成功した事をきっかけで国から特例処置として特定の手術を担当する重難専門医という新しい立場で活動する事が許可された」

「良かった。本当に良かった」

そして龍人達のやり取りを海斗は笑顔で見る。

今日、海斗の心の中にあった悲しみや痛みが消えた日となった。

3日後、海斗は元の世界に帰還した。

「おかえり」加奈が笑顔で迎えた。

加奈は海斗がパラレルトラベラーである事を信じていた。

「ただいま」

「どうだった?」

「同窓会みたいでよかった」

「夢の中でも良いからまだ会えたら良いな」

しかしいつかまだ龍人達と会えると海斗は信じる事とした。

 

 

                           完

 

 

 

卒業式当日、体育館では卒業式が行われていた。

泣いている生徒たちもちらほらいる中、加奈は泣くのを我慢し今までの事を思い出していた。

ときに傷つきときに泣いたりもしたけどそれでも楽しい思い出もたくさんあった。

加奈は自然と笑顔になった。

そして卒業式が終わりみんなが校庭に集まる。

しかし海斗がいないため加奈は虚しさを感じていた。

龍人達も同じことを思っていたがしかし口には出さなかった。

「…しかし海斗元気にしているかな」龍人は敢えて海斗に触れた。

「きっと元気にしているよ」加奈は笑顔で言う。

「運命的な出会いだったね」胡桃は振り返る。

「次はいつ会うんだろうか」楽人がまた会えると信じていた。

「案外すぐだったりしてな」時は言う。

「たとえ目に見えなくでも俺達には見えない絆があるんだから」龍人は前向きに考えた。

そして7人が公園に行くと椿がいた。

椿の体から光の粒子が現れ消えかけようとしていた。

「椿…」龍人は思わず言葉が出る。

「元の世界に帰るときが来たか」椿はそう呟く。

「だが消える前に最後にギリギリ会えたようだな」

「ありがとう、椿」龍人は感謝する。

「俺はお前達に気付かせてもらった。もう一度復讐ではない方法で人を救う方法を考える」

「椿…私…」湖南は悲しそうだった。

「湖南のおかけで俺は変われた。もう一度立ち直る。そしてまだいつか会おう」

「さようなら」湖南は涙を堪えていた。

そして椿は消え元の世界に帰っていった。

それから1年後、海斗は少しずつ立ち直っていた。

そして大学受験にも合格した一方、医者になるという夢が出来た海斗は大学で医療について日々勉強していた。

また加奈達との思い出も覚えているものの薄れており忘れかけていた。

海斗はあの後、浪人して来年また行きたい大学を受験する事に決めていた。

ある日、海斗が大学を歩いていると肩がぶつかってしまう。

「すみません」

そこには加奈がいた。

「加奈!」

しかし自分の知っている加奈ではなくこの世界の人間だった。

「何故私の名前を」加奈は笑顔で驚いていた。

「いや…昔の幼馴染みに似ていたから」海斗は誤魔化した。

しあしまだ加奈と再会できたことに対して心の中で喜ぶ。

「あのう…もしよかったら名前を教えてもらえませんか」海斗は慌てながら聞く。

「…火高加奈です」

「そうなんだ」海斗は驚いた。

――苗字も同じだ。

しかし海斗は嬉しく思う反面いつまでも過去を引きずってはいけないと考えこれ以上関わる事はやめようと考えた。

しかし2週間後、海斗は勉強のため図書館の中に入るとそこに加奈がいた.

「君は」海斗は声を上げる。

「あなたこの間の」加奈も気付く。

「そういえば何学部なの?」海斗が聞く。

「人間福祉学科よ」

「そうなんだ。俺は医学部なんだ」

そしてこの日をきっかけに海斗は加奈とよく会うようになった。

付き合ってはいないものの一緒に勉強をしたり遊びに行ったりするなどしていく内にお互い相手の事を意識し始める。

しかし海斗は別世界の加奈の事もあるため交際の発展には躊躇していた。

ある日、海斗と加奈は公園のベンチに座りながら話をしていた。

「海斗は将来、医療の道に進むの?」

「俺はドクターになるよ。具体的には決まっていないけど」

「それに俺のかつての仲間達はみんなドクターになりたいと夢を持っていた。そしてあるドクターと出会って関わっていく内に俺もドクターになりたいと思った」海斗は話しながら涙が出そうになる。

「良い話だね」

「加奈の夢は何?」

「私は将来、看護婦になって多くの人を支えたいわ」

「そうか。何で看護婦になりたいの?」

「私は高校生のとき、交通事故にあって3年間昏睡状態で眠っていたの。だから私には高校生活の思い出とか青春とかはない」

加奈は笑顔で話すが海斗は心が痛かった。

「加奈に高校生活の思い出や青春がないならこれから一緒に作っていこうぜ。形は違うかもしれないけどでもそれでも一緒に思い出を作っていこう」

「海斗…」加奈は嬉しく感じた。

「そういえば私、昏睡状態のときに見た夢なんだけど周りが何が騒がしい事になっていてふと見るとそこに泣き叫んでいる同年代の男の子がいたの。何があって悔しそうに泣いていた」

それを聞いた海斗はすぐに察した。

――あのときの少女は加奈だったんだ。

海斗は既に夢の中で加奈と出会っていた。

1度目は夢の中、2度目は別世界、3度目はこの世界、海斗にとって2回出会ったのが3回出会ったのが分からなかった。

しかし海斗は運命を感じた。

そして夕方になり加奈は帰っていった。

海斗も帰ろうとしたときそこに天使がやって来た。

 

卒業式当日、体育館では卒業式が行われていた。

泣いている生徒たちもちらほらいる中、加奈は泣くのを我慢し今までの事を思い出していた。

ときに傷つきときに泣いたりもしたけどそれでも楽しい思い出もたくさんあった。

加奈は自然と笑顔になった。

そして卒業式が終わりみんなが校庭に集まる。

しかし海斗がいないため加奈は虚しさを感じていた。

龍人達も同じことを思っていたがしかし口には出さなかった。

「…しかし海斗元気にしているかな」龍人は敢えて海斗に触れた。

「きっと元気にしているよ」加奈は笑顔で言う。

「運命的な出会いだったね」胡桃は振り返る。

「次はいつ会うんだろうか」楽人がまた会えると信じていた。

「案外すぐだったりしてな」時は言う。

「たとえ目に見えなくでも俺達には見えない絆があるんだから」龍人は前向きに考えた。

そして7人が公園に行くと椿がいた。

椿の体から光の粒子が現れ消えかけようとしていた。

「椿…」龍人は思わず言葉が出る。

「元の世界に帰るときが来たか」椿はそう呟く。

「だが消える前に最後にギリギリ会えたようだな」

「ありがとう、椿」龍人は感謝する。

「俺はお前達に気付かせてもらった。もう一度復讐ではない方法で人を救う方法を考える」

「椿…私…」湖南は悲しそうだった。

「湖南のおかけで俺は変われた。もう一度立ち直る。そしてまだいつか会おう」

「さようなら」湖南は涙を堪えていた。

そして椿は消え元の世界に帰っていった。

それから1年後、海斗は少しずつ立ち直っていた。

そして大学受験にも合格した一方、医者になるという夢が出来た海斗は大学で医療について日々勉強していた。

また加奈達との思い出も覚えているものの薄れており忘れかけていた。

海斗はあの後、浪人して来年また行きたい大学を受験する事に決めていた。

ある日、海斗が大学を歩いていると肩がぶつかってしまう。

「すみません」

そこには加奈がいた。

「加奈!」

しかし自分の知っている加奈ではなくこの世界の人間だった。

「何故私の名前を」加奈は笑顔で驚いていた。

「いや…昔の幼馴染みに似ていたから」海斗は誤魔化した。

しあしまだ加奈と再会できたことに対して心の中で喜ぶ。

「あのう…もしよかったら名前を教えてもらえませんか」海斗は慌てながら聞く。

「…火高加奈です」

「そうなんだ」海斗は驚いた。

――苗字も同じだ。

しかし海斗は嬉しく思う反面いつまでも過去を引きずってはいけないと考えこれ以上関わる事はやめようと考えた。

しかし2週間後、海斗は勉強のため図書館の中に入るとそこに加奈がいた.

「君は」海斗は声を上げる。

「あなたこの間の」加奈も気付く。

「そういえば何学部なの?」海斗が聞く。

「人間福祉学科よ」

「そうなんだ。俺は医学部なんだ」

そしてこの日をきっかけに海斗は加奈とよく会うようになった。

付き合ってはいないものの一緒に勉強をしたり遊びに行ったりするなどしていく内にお互い相手の事を意識し始める。

しかし海斗は別世界の加奈の事もあるため交際の発展には躊躇していた。

ある日、海斗と加奈は公園のベンチに座りながら話をしていた。

「海斗は将来、医療の道に進むの?」

「俺はドクターになるよ。具体的には決まっていないけど」

「それに俺のかつての仲間達はみんなドクターになりたいと夢を持っていた。そしてあるドクターと出会って関わっていく内に俺もドクターになりたいと思った」海斗は話しながら涙が出そうになる。

「良い話だね」

「加奈の夢は何?」

「私は将来、看護婦になって多くの人を支えたいわ」

「そうか。何で看護婦になりたいの?」

「私は高校生のとき、交通事故にあって3年間昏睡状態で眠っていたの。だから私には高校生活の思い出とか青春とかはない」

加奈は笑顔で話すが海斗は心が痛かった。

「加奈に高校生活の思い出や青春がないならこれから一緒に作っていこうぜ。形は違うかもしれないけどでもそれでも一緒に思い出を作っていこう」

「海斗…」加奈は嬉しく感じた。

「そういえば私、昏睡状態のときに見た夢なんだけど周りが何が騒がしい事になっていてふと見るとそこに泣き叫んでいる同年代の男の子がいたの。何があって悔しそうに泣いていた」

それを聞いた海斗はすぐに察した。

――あのときの少女は加奈だったんだ。

海斗は既に夢の中で加奈と出会っていた。

1度目は夢の中、2度目は別世界、3度目はこの世界、海斗にとって2回出会ったのが3回出会ったのが分からなかった。

しかし海斗は運命を感じた。

そして夕方になり加奈は帰っていった。

海斗も帰ろうとしたときそこに天使がやって来た。

 

 

湖南が椿のマンションの前に行くと女の怒鳴り声が聞こえた。

湖南は驚きドアを開けると訪花が椿と揉めている姿を目撃する。

「何で私の依頼を引き受けてくれないの」

「俺はもう復讐屋をやめた。だから依頼を引き受けるつもりはない。勿論、お前だけじゃない。他の奴が来ても依頼は断るつもりだ」

「患者が苦しんでいるのにそれを助けてくれないの?」

「自分で何とかしてくれ」椿は冷たかった。

「もういい!」

訪花は湖南を突き飛ばし出ていった。

「椿…」

「機嫌悪くしたようだ」

「あの人、前に海斗のお兄さんが命を捨てて助けてくれた人でしょ」

「そうだ。ただ元々は俺に依頼をするために訪れた。そこでも揉めているときに彼女は突然苦しみだした」

椿は片付けを始める。

「掃除しているの?」

「仕事をやめるからな」

椿は書類に目を通しながら振り返る。

「そういえば海斗はどうしている」椿は事情を知らなかった。

「……帰ったよ…元の世界に」

「そうか…湖南、俺ももうすぐ元の世界に帰る」

椿の言葉に湖南は悲しく感じる。

すると訪花が戻って来た。

「どうした?」

「忘れ物をしたのよ」

忘れ物を持った訪花は行こうとしたときそこに加奈と龍人もやってきた。

「あんたこの間の」龍人は声をかける。

訪花は無視して行こうとした。

「待って」湖南が呼び止める。

「何?」

「あなたは椿にどんな依頼をしてもらおうとしているの?」

「ある医者への復讐よ」

「どういう事?」

「私のお父さんは体調が悪くて病院に行き風邪と診察された。でもお父さんの体調は悪化し別の病院に行ったら癌と診断された」

「それももしあのとき風邪と診察した医者がすぐに見つけていれば早期発見で治す事が出来たはずだった」訪花は辛そうに話す。

「だから私はそのドクターに復讐したい。命を奪わないまでもせめて医師免許剥奪ぐらいはさせたい」訪花は復讐に燃えていた。

「そんな事してもお父さんは喜ばないんじゃないの?」湖南は止める。

「何言っているの? これはお父さんのための敵討ちだしそれを果たせばお父さんは喜んでくれる」訪花は怒鳴るように反論する。

「そんな事してもお父さん喜ばないと思うよ」加奈も意見する

「お父さんはあなたの人生を犠牲にして自分の復讐してほしいとは思っていないと思う。お父さんに会った事はないから分からないけど」加奈は言う。

しかし訪花は無言で部屋から出ていった。

「やれやれ、思っていたより性格がきついな」

翌日、湖南が訪花の事を考えていると楽人がやって来た。

「どうしたの?」楽人は話しかける。

「椿…もうすぐこの世界からいなくなると思うと寂しくて」

「でも別れてもいつかまだ会えるんじゃないか…なんか分からないけどいつか海斗ともまだ会える気がする」

楽人もあんなに憎んでいた椿がいなくなる事に切なく感じていた。

「椿を見て思った…俺も医者になろうかな」

湖南は注目する。

「正直この学校に入った理由は入試試験が面接だけだった。だから医者になりたいとか考えていなかったんだけどでも椿を見て医者になるのも悪くないと思った」

湖南は楽人の話を聞いて思わず笑った。

「私もだよ。医者になる気なんてなかったしそれこそ面接だけなら楽だと思って入っただけだからね」

2人は笑顔になった。

放課後、胡桃はウサギ小屋でウサギを見ていた。

「まだウサギを見ていたのか」そこに時がやって来た。

「うん。もうすぐこの子達とも会えなくなっちゃうな。そしてみんなとも」胡桃は寂しそうだった。

「……そういえばどこの大学の学科に行くんだっけ?」時は聞く。

「勿論医学部だよ」

「そうか…俺は医者の道には進まない」

「どうして?」

「俺に医療は合わない気がする。それに人生これからだし」

時は空を見上げる。

「……馬鹿だと思うかもしれないが俺は信じている。また海斗といつか再会出来ると」

「馬鹿じゃないよ。私だって信じているしそれにみんなだって」胡桃も同じだった。

椿が部屋の片づけをしているとインターホンが鳴った。

ドアを開けると加奈と龍人、湖南がいた。

「どうした?」

「ちょっとここに行きたくなって」加奈は笑顔で言う。

「そうか」その時、外から悲鳴が聞こえた。

椿が窓から覗くと多くの人が椿のマンションの上を見上げていた。

椿は気付き部屋を飛び出し屋上に向かった。。

龍人と加奈、湖南も椿の後をついて行く。

そして4人が屋上に行くと訪花が屋上のギリギリのところで立っていた。

訪花は飛び降り自殺をしようとしていた。

「やめろ!」椿は叫ぶ。

「私はもう生きる事が嫌になったの。だから私は死ぬ事に決めたの?」訪花は精神的に疲れていたようだった。

「そんな事してもお父さんは喜ばないしあなたを思ってくれている人はいるんじゃないの」湖南は必死に説得する。

「お父さんもいないしお母さんももう亡くなっている。私は1人だしもう生きる意味もない」

訪花は椿を見る。

「でもあなたが復讐をしてくれるなら」

「無理だな」椿は即答だった。

「お前は現実から逃げている。過去にばかり囚われていたら希望も未来もない」

多くの人が屋上を見上げている中、胡桃と楽人、時もやって来た。

3人は下から見上げる。

「あれって」楽人が驚く。

「まずいじゃない」胡桃はどうするか考える。

訪花は飛び降りようとしたものの覚悟が出来ないでいた。

「ふさげないでよ」加奈は叫ぶ。

「今のあなたがいるのは自分を犠牲にしてあなたを救ってくれた人がいるからじゃないの」加奈は思い出す。

あのとき天都が自分の命を犠牲にして訪花を救った事を。

「もしあなたが自殺して死んだと知ったら海斗は絶対に怒るよ。自分の兄がくれた命を無駄にしたんだから」加奈は大声で叫ぶ。

訪花は戸惑う。

「俺の父さんは最近亡くなった。最後は笑顔だったけどでも父さんは色々と未練を残して死んでいった」

「なんでまだ生きているあんたは何でその命を無駄にする? 1人ぼっちを言い訳にするな! 未来を信じ自分を信じればあんたは1人ぼっちじゃなくなる」龍人も説得する。

訪花は考えた。

「……もう一度生きてみる。頑張って」訪花は思い留まった

加奈たちは安心する。

――海斗、お兄さんの命、無駄にせずに済んだよ。

 

 

卒業式まで残り一ヶ月、海斗と龍人は屋上にいた。

「もうすぐ卒業か…」龍人は呟く。

「龍人、加奈は諦める」海斗は笑顔で伝える。

「同情か?」

「同情のわけないだろ。俺はもうすぐこの世界から消える。だから今、加奈と付き合ってもすぐにいなくなるから加奈を悲しませる事になる」

「……そうだったな…」海斗が別世界から来た事を覚えていたようで忘れていた龍人は悲しく感じた。

「…だから龍人、もし加奈と付き合えたら加奈を幸せにしてやってくれよ」

そう伝える海斗だが本当はとても辛かった。

すると海斗の体から光の粉が出てくる。

「海斗!」龍人は驚く。

「……卒業式まで留まれなかったようだな」海斗は笑顔で呟く。

「……行くんだな」

突然の別れに龍人は涙を堪える。

「そのようだな。でも最後に加奈達に会いたかった。ちゃんと別れの挨拶をしたかった」海斗は未練で辛く感じた。

「ありがとう龍人、みんなにもよろしくね」

海斗は光の粒子になって消えていった。

屋上には龍人1人となった。

そして目が覚めると海斗は部屋の勉強椅子に座っていた。

「夢だったのか」

しかしすぐ現実である事を理解した海斗は悲しみのあまり涙を流した。

一方、加奈達は龍人から海斗の事を教えられた。

「そんな…海斗が帰っちゃったの?」加奈はショックを受ける。

「最後に別れの挨拶したかったな」時が呟いた。

「いついなくなるか分からかったとはいえ突然すぎるわ」胡桃は言う。

龍人達はとても辛かった。

海斗がいなくなって1週間、加奈達はずっと落ち込んだままでいた。

加奈が自然緑川公園のベンチに座っていると龍人がやって来た。

「龍人…」加奈は元気がなかった。

龍人は加奈を見つめる。

「加奈、俺は今でも加奈に対する想いは変わらない。加奈の事が好きだ。だから加奈。俺と付き合ってくれないか?」

「龍人…」

「俺が高校生活を楽しめたのは加奈のおかけだ。そしてこれからも加奈と一緒にいたい。プロポーズみたいだけど」

加奈は考える。

「……お願いします」

龍人は笑顔になり喜びがこみ上げる。

「ありがとう加奈」

龍人は加奈を抱きしめた。

「俺は絶対に加奈を幸せにする。後悔させたりなんかしない」