卒業式当日、体育館では卒業式が行われていた。

泣いている生徒たちもちらほらいる中、加奈は泣くのを我慢し今までの事を思い出していた。

ときに傷つきときに泣いたりもしたけどそれでも楽しい思い出もたくさんあった。

加奈は自然と笑顔になった。

そして卒業式が終わりみんなが校庭に集まる。

しかし海斗がいないため加奈は虚しさを感じていた。

龍人達も同じことを思っていたがしかし口には出さなかった。

「…しかし海斗元気にしているかな」龍人は敢えて海斗に触れた。

「きっと元気にしているよ」加奈は笑顔で言う。

「運命的な出会いだったね」胡桃は振り返る。

「次はいつ会うんだろうか」楽人がまた会えると信じていた。

「案外すぐだったりしてな」時は言う。

「たとえ目に見えなくでも俺達には見えない絆があるんだから」龍人は前向きに考えた。

そして7人が公園に行くと椿がいた。

椿の体から光の粒子が現れ消えかけようとしていた。

「椿…」龍人は思わず言葉が出る。

「元の世界に帰るときが来たか」椿はそう呟く。

「だが消える前に最後にギリギリ会えたようだな」

「ありがとう、椿」龍人は感謝する。

「俺はお前達に気付かせてもらった。もう一度復讐ではない方法で人を救う方法を考える」

「椿…私…」湖南は悲しそうだった。

「湖南のおかけで俺は変われた。もう一度立ち直る。そしてまだいつか会おう」

「さようなら」湖南は涙を堪えていた。

そして椿は消え元の世界に帰っていった。

それから1年後、海斗は少しずつ立ち直っていた。

そして大学受験にも合格した一方、医者になるという夢が出来た海斗は大学で医療について日々勉強していた。

また加奈達との思い出も覚えているものの薄れており忘れかけていた。

海斗はあの後、浪人して来年また行きたい大学を受験する事に決めていた。

ある日、海斗が大学を歩いていると肩がぶつかってしまう。

「すみません」

そこには加奈がいた。

「加奈!」

しかし自分の知っている加奈ではなくこの世界の人間だった。

「何故私の名前を」加奈は笑顔で驚いていた。

「いや…昔の幼馴染みに似ていたから」海斗は誤魔化した。

しあしまだ加奈と再会できたことに対して心の中で喜ぶ。

「あのう…もしよかったら名前を教えてもらえませんか」海斗は慌てながら聞く。

「…火高加奈です」

「そうなんだ」海斗は驚いた。

――苗字も同じだ。

しかし海斗は嬉しく思う反面いつまでも過去を引きずってはいけないと考えこれ以上関わる事はやめようと考えた。

しかし2週間後、海斗は勉強のため図書館の中に入るとそこに加奈がいた.

「君は」海斗は声を上げる。

「あなたこの間の」加奈も気付く。

「そういえば何学部なの?」海斗が聞く。

「人間福祉学科よ」

「そうなんだ。俺は医学部なんだ」

そしてこの日をきっかけに海斗は加奈とよく会うようになった。

付き合ってはいないものの一緒に勉強をしたり遊びに行ったりするなどしていく内にお互い相手の事を意識し始める。

しかし海斗は別世界の加奈の事もあるため交際の発展には躊躇していた。

ある日、海斗と加奈は公園のベンチに座りながら話をしていた。

「海斗は将来、医療の道に進むの?」

「俺はドクターになるよ。具体的には決まっていないけど」

「それに俺のかつての仲間達はみんなドクターになりたいと夢を持っていた。そしてあるドクターと出会って関わっていく内に俺もドクターになりたいと思った」海斗は話しながら涙が出そうになる。

「良い話だね」

「加奈の夢は何?」

「私は将来、看護婦になって多くの人を支えたいわ」

「そうか。何で看護婦になりたいの?」

「私は高校生のとき、交通事故にあって3年間昏睡状態で眠っていたの。だから私には高校生活の思い出とか青春とかはない」

加奈は笑顔で話すが海斗は心が痛かった。

「加奈に高校生活の思い出や青春がないならこれから一緒に作っていこうぜ。形は違うかもしれないけどでもそれでも一緒に思い出を作っていこう」

「海斗…」加奈は嬉しく感じた。

「そういえば私、昏睡状態のときに見た夢なんだけど周りが何が騒がしい事になっていてふと見るとそこに泣き叫んでいる同年代の男の子がいたの。何があって悔しそうに泣いていた」

それを聞いた海斗はすぐに察した。

――あのときの少女は加奈だったんだ。

海斗は既に夢の中で加奈と出会っていた。

1度目は夢の中、2度目は別世界、3度目はこの世界、海斗にとって2回出会ったのが3回出会ったのが分からなかった。

しかし海斗は運命を感じた。

そして夕方になり加奈は帰っていった。

海斗も帰ろうとしたときそこに天使がやって来た。