卒業式まで残り一ヶ月、海斗と龍人は屋上にいた。

「もうすぐ卒業か…」龍人は呟く。

「龍人、加奈は諦める」海斗は笑顔で伝える。

「同情か?」

「同情のわけないだろ。俺はもうすぐこの世界から消える。だから今、加奈と付き合ってもすぐにいなくなるから加奈を悲しませる事になる」

「……そうだったな…」海斗が別世界から来た事を覚えていたようで忘れていた龍人は悲しく感じた。

「…だから龍人、もし加奈と付き合えたら加奈を幸せにしてやってくれよ」

そう伝える海斗だが本当はとても辛かった。

すると海斗の体から光の粉が出てくる。

「海斗!」龍人は驚く。

「……卒業式まで留まれなかったようだな」海斗は笑顔で呟く。

「……行くんだな」

突然の別れに龍人は涙を堪える。

「そのようだな。でも最後に加奈達に会いたかった。ちゃんと別れの挨拶をしたかった」海斗は未練で辛く感じた。

「ありがとう龍人、みんなにもよろしくね」

海斗は光の粒子になって消えていった。

屋上には龍人1人となった。

そして目が覚めると海斗は部屋の勉強椅子に座っていた。

「夢だったのか」

しかしすぐ現実である事を理解した海斗は悲しみのあまり涙を流した。

一方、加奈達は龍人から海斗の事を教えられた。

「そんな…海斗が帰っちゃったの?」加奈はショックを受ける。

「最後に別れの挨拶したかったな」時が呟いた。

「いついなくなるか分からかったとはいえ突然すぎるわ」胡桃は言う。

龍人達はとても辛かった。

海斗がいなくなって1週間、加奈達はずっと落ち込んだままでいた。

加奈が自然緑川公園のベンチに座っていると龍人がやって来た。

「龍人…」加奈は元気がなかった。

龍人は加奈を見つめる。

「加奈、俺は今でも加奈に対する想いは変わらない。加奈の事が好きだ。だから加奈。俺と付き合ってくれないか?」

「龍人…」

「俺が高校生活を楽しめたのは加奈のおかけだ。そしてこれからも加奈と一緒にいたい。プロポーズみたいだけど」

加奈は考える。

「……お願いします」

龍人は笑顔になり喜びがこみ上げる。

「ありがとう加奈」

龍人は加奈を抱きしめた。

「俺は絶対に加奈を幸せにする。後悔させたりなんかしない」