「坊主丸儲け」ならぬ「仲介業者丸儲け」モンダイ
デジタル大辞泉によれば、坊主丸儲け(ぼうずまるもうけ)とは、「僧侶は元手がいらないので、収入の全部がもうけになるということ」。ウィキペディア(Wikipedia)には、「日本語のことわざの一つで、宗教家などがほとんど元手を使わず利益をあげることを指す。江戸時代の浮世絵に始まる言葉とされる」とある。 ところが昨今は「坊主丸儲け」どころか、お布施の大半を手数料として葬儀仲介業者に巻き上げられている例があるそうだ。坊主、大損‥。 背景は、「核家族化や葬儀スタイルの変化により、檀家と菩提寺のつながりが希薄になっていること」とあるが、寺のほうも、「檀家制度」に寄りかかったまま過ごしてきた結果、仲介会社の台頭を許してしまったという側面があるのではないか。檀家が減っていく過程で仏教団体が対策に動かなかったのはなぜだろうか。自分たちで仲介システムを作ればよかったのにと思うが。 それにしても今の時代、「仲介ビジネス」が跋扈(ばっこ)し過ぎる気がする。有料老人ホームへの紹介事業を巡っては一昨年、難病や末期がん患者向けホームの一部が紹介業者に1人100万~150万円の紹介料を支払っていたことが、通信社の取材で判明した。そのため昨年9月、国は紹介事業者の認定制度を創設する方針を固め、2027年度(令和9年度)にも始めたい考え、と報じられた。 先週は、日本医師会が「有料職業紹介事業等の適正化」を国に要望するという報道があった。人材紹介業者利用時の仲介料がが医療機関の負担になっているため、当該事業の適切な運営と公的サービスの利用促進を求めるというもの。Microsoft Word - 日医・四病協 有料職業紹介に関する報告書 最終 資料によれば、医療職の採用紹介料は年間1,000億円超、採用後も退職代行で短期離職を繰り返すケースもあるという。多くの病院は経費の増加により経営が厳しいらしい。診療報酬が今回はプラス改定され、医療機関はひと息つけるらしいが、医療職の採用紹介料がふくらむのは、結局は国民の負担に跳ね返ってくるから、これも国は早急に手を打たなければならない。 そもそも、退職ですら自分で対処せず、仲介者にカネを払って片づけるなんて風潮を社会が容認しているから、先日は違法な仲介業者が逮捕されていた。自分の進退ぐらいちゃんと自分で表明するという義務感、責任感というものが欠けているから、仲介業が蔓延るようになる。 職業に貴賤はないということで「〇業」(〇は“sen”)は差別用語にあたるそうだが、人身売買のような紹介業は、まさに〇業ではないだろうか。少なくとも、コンサルタント業のような「虚業」とはまた違うだろう。とにかく、規制すべきだ。