異次元のサラブレッド 「セレクトセール」
「2日間の落札総額は334億8400万円で、昨年を7億8400万円上回り、6年連続で過去最高を更新した」と聞けば、絵画など美術品のオークションと勘違いしてしまいそうだ。 それが“世界でも有数”のサラブレッドせり市場のことで、しかも札幌から車で1時間足らず、新千歳空港から約15分のところにある馬のテーマパークで行われているなど、道民ですらほとんど知らないように思う。それだけ異次元の世界ということではないだろうか。 最高額は1頭が4億円超。39頭に1億円以上の値が付いた。キタサンブラック系産駒は計35頭が1億円以上だというから、まさに“まつり”状態である。「ウマ娘社長」も「2日連続爆買い合計20億円超」とスポーツ紙にあった。 さて、「馬主(うまぬし)」になるには、馬を買って所有しなければならない。そして「馬主になるための要件」がある。例えば「個人馬主」の場合は、「継続的に得られる所得金額(収入金額ではない)が、過去2か年いずれも2,000万円以上あること」や「保有する資産の額が1億円以上あること」とされている。つまり、“年金生活者”は「個人馬主」にはなれないのである。 ほかにも、「組合馬主」、「法人馬主」があるが、いずれにしても“年金生活者”には縁がないというか、相応しくないのである。馬主になるには JRA ところで「札幌馬主協会」の「入会のご案内」には、「馬産地に最も近いアットホームな馬主協会」とある。入会金10万円と年会費3万円を納めると、全国の競馬場で馬主席を利用できるようになったり、馬産地懇談会に参加できる。馬主のステイタスである。 いっぽう、札幌も含め各馬主協会は「社会貢献」にも取り組んでいる。会員馬主が中央競馬において獲得した賞金の一部を自主的に拠出し、これを原資として社会福祉法人等からの要望に応えて、助成事業を実施している。令和7事業年度には、札幌と函館の馬主協会合わせて29件、61,870千円の施設整備等助成金を交付している。R7.11.5joseikouhugakuichiran.pdf 馬主協会連合会サイトの ライフサイクル(馬主視点)|日本馬主協会連合会-JOA-、 ライフサイクル(競走馬視点)|日本馬主協会連合会-JOA- はイラストが豊富で分かりやすい。インタビュー・コラムが追加されていないので、連合会としての活動は低調なようだ。 とはいえ、全国の馬主会員数(2026年1月1日現在)は、個人が2,197名、法人が389名、組合馬主が49名で、総数は2,635名と少数でしかない。「セレクトセール」同様、庶民からはかけ離れた遠い世界の一コマである。