令和五年九月十四日の産経新聞朝刊の「正論」欄において、
空将の織田邦男閣下が、
我が国の通年の出生者数が八十万人を下回り始め、
国家防衛に当たる人的基盤が年々減少するという
現在進行中の、
気が付けば国防力が衰退して取り返しが付かないという
「静かなる有事!」
への対策を提言されている。
それは
命を懸けて国家・国民に奉仕する者
あるいは一定の危難に身をさらさなければならない
法的義務がある者
即ち、防衛、警察、消防,海保などの
国民の命と国家に不可欠な人材の教育・育成については、
それを志す若者を、最初に全員自衛隊に採用して
二年間、ともに教育訓練を受け、
その後、
自衛官を続ける者と
警察官や消防を目指す者に分別することを制度化してはどうか
との提言である。
こうすれば、警察や消防も,
二年間自衛隊で訓練された有用な即戦力を受け入れることになる。
同時に、
自衛官と警察や消防に移った者との
若い日々の共同基礎訓練時に結ばれた人的絆は、
将来、いざ,災害出動や緊急事態対処の際の
自衛隊・警察・消防の速やかな共同対処を可能にして
国家を救い、多くの人命の救助につながる。
織田邦男閣下の,この提言は、
国家・社会の緊急事態とその克服の在り方の本質を掴んだ,
まことに貴重なもので、さすがである。
この閣下の「正論」に、
産経新聞は「国護る異次元の人的基盤強化を」との見出しを付けている。
この「異次元」という言葉は,
岸田内閣の「異次元の少子化対策」以来多用されているが、
国家防衛と緊急事態の克服の分野にある
織田閣下の本「正論」には相応しくない。
何故なら、本「正論」は
「戦後日本」において異次元であっても、
「本来の日本」においては、
まさに「正論」であるからだ。
何故なら、「本来の日本」においては、
全国民は、青年期に,
国家防衛の為の軍事訓練の共同生活期間を与えられるべきであるからだ。
私は、従来から、小中学校の教員資格は、
一定期間の共同生活と国家防衛の訓練を経た者に付与されるべきだと言ってきた。
共同生活の経験がない者、
社会と國を守る意識と、その訓練を受けたこともない者が、
どうして一学級数十名の子供達の集団を統率し,
国家社会への献身の美しさと意義を,
子供達に教えることができようか。
現在、我が国周辺には、
北からロシア、北朝鮮そして中共という
軍事力・核戦力を信奉する指導者に率いられた国々がひしめいている。
この危険に囲まれた國・日本で、
国民の国家防衛への関与を
「異次元」と呼んでいてどうする!?
我が日本の全国民は、
武器を取って祖国を守る任務を持っているのだ!
これが、我が国の「正論」でなくて、
どうして、この異様な周辺国家群に囲まれながら、
太古から続く誇りある日本の存続を確保できようか!
次に、スイスは、日本のように、
周辺に、異様な・気味の悪い独裁者に率いられた國が存在しないのだが、
それでも、そのスイス連邦政府が、
全国民に配布している
「民間防衛」という冊子の前書きを紹介する。
このスイス政府が書いた、この前書きこそが、
異様な独裁国家に囲まれた我が国において
「正論」であらねばならない。
決して「異次元」と呼んではならない!
スイス連邦政府編纂「民間防衛」・まえがき
国土の防衛は、わがスイスに昔から伝わっている伝統であり、
わが連邦の存在そのものにかかわるものです。
そのために武器をとり得るすべての国民によって組織され、
近代戦用に装備された強力な軍のみが、
侵略者の意図をくじき得るのであり、
これによって、われわれにとって最も大きな財産である
自由と独立が保障されるのです。
今日では、
戦争は全国民と関係を持っています。
国土防衛のために武装し訓練された国民一人一人には
『軍人操典』を与えられますが、
『民間防衛』というこの本は、
我が国民全部に話しかけるためのものです。
この二冊の本は同じ目的をもっています。
つまり、どこから来るものであろうとも、
あらゆる侵略の試みに対して
有効な抵抗を準備するのに役立つということです。
・・・一方、
戦争は武器だけで行われるものではなくなりました。
戦争は心理的なものになりました。
作戦実施のずっと以前から行われる陰険で周到な宣伝は、
国民の抵抗意思をくじくことができます。
精神=心がくじけたときに、
腕力があったとして何の役に立つでしょうか。
反対に、全国民が、
決意を固めた指導者のまわりに団結したとき、
だれが我らを屈服させることができましょうか。
民間国土防衛は、
まず意識に目覚めることからはじまります。
われわれは、
生き抜くことを望むのかどうか。
われわれは、
財産の基本たる自由と独立を守ることを望むのかどうか。
・・・国土の防衛はもはや軍だけに頼るわけにはいきません。
われわれすべてが
新しい任務につくことを要求されています。
今からすぐにその準備をせねばなりません。
われわれは、
老若男女を問わず、
この本と関係があるのです。
つい長電話しちゃう相手は?
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