八月十五日の靖國神社に
午前十一時前に到着し、午後五時過ぎに退出した。
到着したとき、既に
大村益二郎の銅像あたりから横十人ほどの列が拝殿まで並んでいた。
そして、退出した時にも、拝殿に向かう同じ長さの人々の列があった。
参拝に向かう、これほどの長い列を見るのは初めてだ。
しかも外気温は三六度を超えているのだ。
静かに列に並ぶ老若男女のなかに倒れる人があっても不思議ではない。
しかし、人々は炎天下一時間以上、整然と並んで参拝を待っていた。
毎年、集団参拝する我々も、この度は、神社側の意向で、
例年のように参集殿前の櫻の周辺に西村塾の旗を立てて一団となって参拝することをせず、
各自ばらばらに三時十分を目処に参集殿に入り、
密にならずに昇殿参拝させていただいた。
かつて中曽根総理大臣が昇殿参拝をしたとき、
時の松平宮司が激怒したと聞いた。
総理が、警備のガードマンを連れて昇殿したからだ。
英霊は、砲弾が炸裂し銃弾が飛び交う戦場で、
五体四裂して散華されたのだ。
その英霊に参拝するに、
我が身を守るガードマンを連れて昇殿するとは何事か。
これが松平宮司が激怒された所以だ。
今、特に首都で、
武漢ウイルスが流行っている。
しかし、英霊は、
マラリアやテング熱や熱病を媒介する蚊が蔓延するジャングルに入り瘴癘地でアメーバー赤痢や顎口虫をもつ魚類を食べて勇戦奮闘された。
その英霊に感謝して参拝するに、
熱射病やウイルスにビクビクすることはない。
炎天下で何時間も列に並んで英霊の参拝に向かう人々は、
この英霊のご苦労を偲ぶなかで
自然に、熱暑も当然、三密もビクビクせず、
という境地にあったのではないか。
まことに、感慨深い、
本年の八月十五日の靖國神社だった。
西村眞悟FBより。

