両陛下、阪神大震災から20年の追悼式ご臨席
教訓生かし東北被災地を支援する人々ともお会いに
産経ニュース神戸市を訪問中の天皇、皇后両陛下は17日、兵庫県公館(神戸市)で行われた阪神大震災から20年の追悼式典に臨席された。正午に合わせて約500人の参列者と一緒に黙祷(もくとう)するとともに、犠牲者名簿を供えた祭壇に白菊を手向けられた。
宮内庁東宮職によると、皇太子ご夫妻と長女の敬宮愛子さまも17日、お住まいの東宮御所でそろって黙祷されたという。
両陛下は式典後、阪神大震災の教訓を学んで東日本大震災被災地を支援する地元の学生らと会い、話に耳を傾けられた。
兵庫県立大の学生災害復興支援団体「LAN」前会長、井上幹太さん(21)は大学で震災復興について学びつつ、福島県相馬市でジャガイモを植えるなど農業復興を支援していることを説明。高校では全国唯一の防災専門科である県立舞子高環境防災科3年、成尾春輝さん(18)と大西莉加さん(18)は、東北の海岸のがれき撤去などのボランティアをしたり、被災生徒を招いて防災学習を行って交流したりしていることを語った。陛下は「勉強しておかないとね」と、教訓を引き継ぐ若者を励まされた。
兵庫県園芸療法士会の上地あさひ副会長(29)からは、阪神の被災者が緑の成長する姿で癒やされた経験を踏まえ、宮城県の仮設住宅入居者や兵庫に避難中の被災者に植物と触れ合う教室を開いたと聞き、皇后さまは「助けになったんでしょうね」と話された。
兵庫県音楽療法士会の松崎聡子理事長(50)からは、宮城県の気仙沼市や南三陸町の幼稚園、高齢者施設で歌や踊りを指導した活動の説明を受け、陛下は「喜ばれているんですね」とうなずかれた。
陛下は最後に、全員に「どうぞみなのために力になってあげてくださいね」と語りかけられた。
両陛下は17日夕、空路で帰京された。