3カ国の拉致家族、国連決議求め声明。調査委報告書受け。
国際セミナーに参加した北朝鮮による拉致被害者の家族ら=3日午後、参院議員会館
日本人拉致を含む北朝鮮による人権侵害を「人道に対する罪」とした国連調査委員会の報告書が2月に公表されたことを受け、日本、韓国、タイの拉致被害者家族は3日、東京都千代田区の参院議員会館でセミナーを開き、国連に拉致問題解決に向けた決議をするよう求める声明を出した。
報告書は今月17日にスイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会に提出。田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(75)がジュネーブを訪問し、理事会で意見陳述することも検討されている。
声明では人権理事会に対し、「安保理事会が拉致問題の解決、すなわち北朝鮮が世界規模の拉致を認定し、被害者の正確な情報を各国政府に伝達し、生存者とその家族の安全を守り早急に帰国させ、亡くなっている被害者の遺骨を返還するように、取り組むよう決議してほしい」と求めた。
セミナーで、横田めぐみさん=同(13)=の母、早紀江さん(78)は「ここをきっかけに、何か動いてほしいと願っている」と事態の進展を訴えた。家族はその後、安倍晋三首相と面会。安倍首相はあいさつで調査委の報告書に触れ、「安倍政権のうちに全ての拉致被害者の親族の皆さんに家族を自らの手で抱きしめる日がやってくるように、それまで私たちの使命は終わらないという決意で努力を進めていきたい」と述べた。