トルコのエルドアン首相夫妻を出迎えられる天皇、皇后両陛下=8日午後、皇居・宮殿「竹の間」
両陛下、トルコ首相夫妻と10年ぶりにご会見。
愛子内親王殿下、スキーの難コースにご挑戦。
皇居では、先週に引き続いて今週も年始の行事が行われたが、今年は例年とは少し違った形となった。
7日、昭和天皇祭が行われ、皇居・皇霊殿(こうれいでん)での「皇霊殿の儀」では皇太子さまが拝礼された。香淳皇后の弟で天皇陛下と常陸宮さまの叔父にあたる青連院(しょうれんいん)門跡名誉門主の東伏見慈洽(ひがしふしみ・じごう)氏が1日に死去したことを受け、陛下は手塚英臣掌典長がご代拝、皇后さまはお出ましを控えられた。秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さま、高円宮妃久子さまと長女の承子さまも参列された。夜は皇霊殿で「御神楽の儀」が行われたが、両陛下はこの間、御所でお慎みになったという。
年始4日の恒例行事「奏事始(そうじはじめ)の儀」は東伏見氏の死去を受けて8日に皇居・宮殿で執り行われ、陛下は手塚掌典長から、前年1年間の伊勢神宮や宮中祭祀について報告を受けられた。今回は昨年の伊勢神宮「式年遷宮」についても報告された。宮内庁掌典職によると、陛下からは「1年間ご苦労さま」という主旨のお言葉があったという。
奏事始は戦前の「政事始」が前身で、掌典長が年始に伊勢神宮や宮中祭祀について陛下に報告する行事。御用始めに先立つ4日に行うのが慣例だが、宮内庁によると、延期されたのは平成に入ってからは初めてという。
両陛下は8日、トルコのエルドアン首相夫妻と皇居・宮殿「竹の間」で会見された。首相夫妻が平成16年4月に訪日した際にも会われており、10年ぶりの会見となった。
宮内庁によると、エルドアン首相は「(日本側と)非常に充実した対話ができました」と報告。陛下は、明治23年に和歌山県沖でトルコ軍艦「エルトゥールル号」が遭難し、地元住民が乗組員の救出にあたった事故に触れ、「悲しい出来事から日本とトルコの関係が始まったわけですけれども、このような友好、協力関係までに発展してきたことをうれしく思います」と話されたという。この遭難事故は、トルコが親日国になったきっかけといわれている。
陛下は、東日本大震災の際にトルコから寄せられた支援に謝意を示した上で、「自然災害については十分な準備を整えておくこと、人々の経験をしっかり伝えていくことが大事だと考えています」と話された。トルコは日本と同様、有数の地震国。陛下のお言葉に、エルドアン首相は「防災に心していかなければならない」と自戒するように語ったという。
10日、恒例の「講書始(こうしょはじめ)の儀」が宮殿で行われ、両陛下が、学界の第一人者から年頭の講義を受けられた。皇太子さまをはじめとする皇族方も同席された。
皇太子ご夫妻の長女、敬宮(としのみや)愛子さまは4~7日、ご友人と長野・奥志賀高原でのスキー教室に参加された。傾斜のきついコースや、標高約2000メートルの焼額山(やけびたいやま)頂上からの難コースを滑られた。宮内庁東宮職によると、吹雪の日もあったが、リフトが動いていたことから、頑張って練習に励まれたという。
秋篠宮ご夫妻は8日、東京都港区のサントリー美術館を訪れ、平等院鳳凰堂(京都府宇治市)の修理が今春完成するのを記念した展覧会「天上の舞 飛天の美」をご鑑賞。国宝「阿弥陀如来坐像光背飛天」などをご覧になった。国宝「雲中供養菩薩像」の模刻像に特別に触れるコーナーでは、菩薩の足などをなでられ、秋篠宮妃紀子さまは「美しいですね」と話された。皇后さまも昨年12月に同展をご覧になっている。
三笠宮家の瑶子さまは5日、北海道を訪れ、日本学生氷上競技選手権大会開会式に臨席された。同大会は、瑶子さまの父で、日本学生氷上競技連盟総裁でいらした寛仁親王殿下にちなむ「寛仁親王牌」が優勝校に授与される大会。トルコのエルドアン首相夫妻と懇談される天皇、皇后両陛下=8日午後、皇居・宮殿「竹の間」