【書評】
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130525/bks13052509220002-n1.htm
『尖閣一触即発 中国の圧力を跳ね返すことが出来るのか』
日本の国運握り生活に直結
本書は尖閣諸島(沖縄県石垣市)で今、一体何が起き、将来、どうなるのか、どうすべきなのかを海洋学者の第一人者と軍事に強いジャーナリストに解説、分析をしていただきました。
ご承知の通り、中国政府による尖閣諸島への対応は日増しにエスカレートしています。中国潜水艦(日本政府は国籍不明としている)が日本接続水域内を潜航したまま通過するなど、その傍若無人ぶりは目に余るものがあります。
そして、中国は統括する船艇3千隻と、日本の海上保安庁をはるかに凌(しの)ぐ巨大な「中国海警局」を創設したのです。これは中国が本気で尖閣諸島を狙っている証しであり、今秋にも中国漁民の尖閣諸島上陸が実行される、と著者の山田吉彦氏は予測しています。
このとき、日本政府はこれまでのような「大人の対応」「事なかれ主義」の姿勢では本当に日本領土を失ってしまいます。
たかが、小さな無人島と思うことなかれ、その存在は日本の国運を握っており、直接日本人一人一人の生活に直結するものだと、著者は指摘しているのです。そして、井上和彦氏に軍事面での問題点を分析していただきました。
政権が交代するなど尖閣諸島を取り巻く情勢が目まぐるしく変化し、それに原稿が追い付いていかず、まとめるのに大苦戦しました。
しかし、この問題の核心をうまくえぐり出せたと思っております。(山田吉彦、井上和彦著/実業之日本社・1260円)
実業之日本社学芸出版部 佐藤克己