日本は世界6位の海洋大国。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





「日本」の解き方   尖閣狙う中国も資源目当て。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130509/dms1305090709000-n1.htm





政府は4月26日、2013~17年度の海洋政策の指針となる「海洋基本計画」を閣議決定した。

 排他的経済水域(EEZ)の管理について新たな包括法の整備や、広域的な常時監視態勢、自衛隊と海上保安庁の連携強化、次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」や海底のレアアース(希土類)の今後3年間の埋蔵量調査などが盛り込まれた。

 EEZとは、国連海洋法条約に基づいて設定される経済的な主権がおよぶ水域で、沿岸から200カイリ(370キロメートル)の範囲だ。ただし、自国沿岸から大陸棚までEEZを主張する国もあるので、両国のEEZが重複する場合、意見対立が生じる。例えば、東シナ海で中国は大陸棚ラインを主張し、日本は両国のEEZの中間線を主張している。

 日本のEEZと領海は広い。日本の領土面積は世界61位だが、EEZと領海の広さでは世界6位になる。その広さは海洋資源の可能性を示唆している。中国が沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張しだしたのは、1960年代後半に同地域で地下資源が発見されてからだ。

 それ以前には中国は尖閣諸島が日本領であることを認めていたので、こうした中国の意見の変更は国際法からみても問題である。

 海洋基本計画は、領海の安全保障と関わりがあるが、エネルギー面からの安全保障にも当然関係している。日本は資源小国であったが、メタンハイドレートの埋蔵量は、日本の周辺海域では国内の天然ガス消費量の約100年分にのぼるとの推計もある。

 1960年代の北海油田の発見が、その後の英国やノルウェー経済に大きな追い風になった。英国のエネルギー自給率は9割近くに上昇し、国内エネルギー価格の低下をもたらし、経済へ好影響を与えた。海洋国家として、日本にも資源小国返上のチャンスは十分にある。

 海洋基本計画では日本海側のメタンハイドレートなど海洋資源の商業化についての技術整備も盛り込まれた。メタンハイドレートの商業化にめどが立てば、LNG(液化天然ガス)、シェールガスなどの資源調達時の価格交渉力が大きく増すだろう。

 ただし、問題は生産コストだ。関係者によれば、太平洋側でのメタンハイドレートの生産試験の際のコストは、天然ガスの取引単位である100万BTU(英国熱量単位、天然ガス25立方メートルに相当)当たり50ドル程度とみられ、シェールガスの生産が本格化した米国内の価格(3ドル程度)や日本のLNG輸入価格(15ドル程度)と比べても相当に割高という。

 もっとも、生産コストの問題は将来の技術で解決できる可能性がある。そうした技術開発は、経済学の言う外部経済(効果が関係のない分野にも波及する)があるので、国が積極的に関与すべきものだ。

 海洋基本計画は、領海やエネルギーの安全保障、それらを支える技術開発など、民間でできない国の基本機能に関わるものなので、こうした分野では国がどんどん主導していい。

                 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)