【皇室ウイークリー】(276) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









 オランダ新国王即位式参列のため同国を訪問される皇太子ご夫妻の出発を28日に控え、皇室と宮内庁ではさまざまな準備が行われ、定例記者会見では同庁幹部による発言も相次いだ。

 病気療養中の皇太子妃雅子さまにとっては、約11年ぶりの海外公式ご訪問となる。山本信一郎次長は22日の定例会見で「喜ばしいことと思っている。日本とオランダの友好親善にもつながる有意義なご訪問」と述べた。

 ご訪問については当初、オランダ側から示された招待の回答期限を大幅に過ぎても決まらなかったことから、風岡典之長官らが記者会見で「早く決めていただきたいということを強くお願いしている」と発言するなどし、週刊誌やテレビなどで皇太子ご夫妻への苦言として報道された経緯がある。

 オランダ側への配慮もあって出た発言だったようだが、風岡長官は25日の定例会見で「苦言を呈するということでは全くなかった」と説明。「お願いをしていたところ、事情を理解していただいてお決めいただき、感謝している」と続けた。

 皇太子ご夫妻は26日、皇居・御所に足を運び、天皇、皇后両陛下に海外訪問を前にしたあいさつをされた。皇太子さまと一緒に車で皇居に入った雅子さまは、半蔵門前に集まった一般の人たちに、笑顔で手を振ってお応えになった。宮内庁の小町恭士東宮大夫によると、両陛下からは雅子さまへの温かい心遣いのお言葉があり、ご夫妻はありがたくお思いだったという。

これに先立つ23日、ご夫妻はお住まいの東宮御所で、マラリア対策の重要さを訴えるため来日したベルギーのアストリッド王女と懇談された。ベルギーは、隣国のオランダと緊密に経済協力をしており、ルクセンブルクとともに3国で「ベネルクス」と呼ばれている国だ。当初は皇太子さま単独でのご懇談となる予定だったが、急遽(きゅうきょ)、雅子さまも加わられたという。

 アストリッド王女は同日夜、両陛下の皇居・御所でのご夕餐(ゆうさん)にも招かれた。両陛下は御所前まで王女を出迎えられ、皇后さまは王女と抱擁を交わし、あいさつされた。

 現ベルギー国王アルベール2世の長女であるアストリッド王女は、夫妻で来日した平成12年10月にも御所で両陛下との晩餐に臨んでいる。前日の22日には、秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さまもお住まいの宮邸で、王女と夕餐の場を持たれた。

 天皇陛下は24日、国立劇場(東京都千代田区)で、科学技術の進歩に大きな成果を上げた世界の科学技術者を表彰する「日本国際賞」の授賞式に臨席された。陛下は同日夜、ホテルニューオータニ(同区)での祝宴で「受賞をお祝いし、あわせて受賞者を支えてこられたご家族のお幸せを祈りたいと思います」と述べられた。

 当初、授賞式と祝宴には皇后さまも臨席予定だったが、以前からの頸椎(けいつい)症性神経根症の症状で、肩や腕に激しい痛みが続き、取りやめられた。25、26日も一部公務を控えられた。側近によると、「みなさんに迷惑をかけてしまって」と気にされるご様子もあったという。

実は、23日夜のアストリッド王女との夕餐の前にも激しい痛みが続いていたが、皇后さまはそれでも夕餐に臨まれていた。午後9時ごろに終了した後、宮内庁病院で治療を受けられたという。いつも公務を最優先に考えられる皇后さまらしいエピソードだ。

 秋篠宮ご夫妻は22日、明治記念館(東京都港区)で「第22回地球環境大賞」の授賞式に臨席された。