公衆道徳なき国の集金システム。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





大英帝国になりたい中国、EU20年が見せるTPP後の日本

~河添恵子氏

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37409





マット安川 今回はゲストに河添恵子さんを迎え、全人代を経て正式に発足した中国の新体制について詳しくお聞きしました。環境問題の実態など、一般メディアでは知り得ないお話ばかりです。

中国の新体制が始動。しかし人民はまったく興味ナシ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:河添恵子/前田せいめい撮影河添恵子(かわそえ・けいこ)氏
ノンフィクション作家。主な著書に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした 』(産経新聞出版)『中国人の世界乗っ取り計画 』(産経新聞出版)『エリートの条件 世界の学校・教育最新事情 』(学研)『中国人とは愛を語れない! 』(並木書房)などがある。(撮影:前田せいめい、以下同)




河添 中国の新体制をひと言でいえば、海洋利権と環境利権のツートップです。習近平(国家主席)さんは海洋利権を、李克強(首相)さんは環境利権を牛耳っていますから。

 しかし中国の人たちは国の上がどう代わろうと全然興味ないんです。もしかすると2人の名前を知らない人が8割ぐらいいるかもしれないと思います。去年も一昨年も中国に行って、今のトップについてどう思うかって聞いたりしましたけど、だれ?っていう反応なんですね。要するに知らないと。

 中国共産党のトップ7も人民の方なんて向いてません。彼らはある意味、世界に中国共産党をPRする広報チームなんですよ。で場合によっては、人民の怒りをそのために利用したりする。それが基本的な構造ですね。

 共産党の幹部の人たちは北京の中南海にいるかもしれないけど、彼らの一族はみんなアメリカかカナダかオーストラリアにいます。習近平さんの親族もイギリスと香港と台湾にいますし、娘さんはアメリカにいる。彼女はハーバード(大学)に偽名で留学してるって話ですね。だから環境汚染も毒食も関係ないんです。

大気汚染問題は中国当局による「看板の書き換え」

 中国の大気汚染は今に始まったことじゃありません。私は去年の春の段階で、今と同じ情報を発信していました。それがどうして今これほど問題として出てきたかといえば、中国当局による「看板の書き換え」ってことなんです。

 中国は今まで世界の工場、13億の市場ということを表看板にお金を集めてきました。でもみんなが脱中国で逃げた今、次の看板を掲げる必要があった。

 それで数年前から準備していたのが環境問題なんです。環境が悪いっていうネガティブキャンペーンも集金につながるのが中国なんですよ。だってこの国は昔から、みんな貧困だから助けてくれと、お涙頂戴系のキャンペーンで脳天気な日本からお金を取ってきたわけですからね。

 北京五輪のときは空が青かった。ということは、中国は自力で空を青くすることもできる国だということです。


規制をかけなかったり適当にやってくれと放置したら、逆のこともできるじゃないですか。お金がほしいから今こうやって毒ガスを出してるんでしょうけど、日本は乗っちゃいけないんです。

 石原(伸晃)環境大臣は日本は技術を持っているからと国会でおっしゃいましたけど、その前に言うべきことがあります。それは日本は環境ODAでもう1兆円以上、中国に貢いでいるってことです。

 彼らはそのお金で煙や排水を浄化する装置を設置していながら、ランニングコストがかかるからと稼働させていない。今の大気汚染問題を解決するには、そういう工場長を死刑にすればいいだけの話です。

 モラルのない人にお金やノウハウを提供した。その結果が今でしょう。だったらやる必要ないじゃない、ドブに捨てた方がいいじゃん、てことです。中国って国はそもそも自力更生のできない国で、日本はそういう国ではありません。投資する効果が10分の1でもある国は、ほかにいっぱいあるんです。

「パラノイア中国」は大英帝国になろうとしている

 海洋強国とは、去年の1月の段階で胡錦濤(前国家主席)さんが言ったことです。基本は海底資源。太平洋にはいろんな資源があると分かっていますから、中国はハワイあたりで線を引いて、あとは全部自分たちの海にしようとしています。

 彼らはパラノイアだから、ちょっとあるだけでは満足できない。もっともっともっと!・・・と、1兆円あったら10兆円、100兆円にしたい人間なんですね。

 中国が求めているのは一人勝ちです。アメリカをしのぐ軍事力と、かつての大英帝国以上の植民地を世界に持つことです。中華民族の偉大なる復興とか言ってるのはそういうことでしょう。

 日本人は尖閣、沖縄という部分だけにフォーカスしがちですが、実は日本海も危ないんです。北極海航路というのがあって、それはほかの航路よりも全然ショートカットして中国に入ってこられます。

 今は雪のせいで年に3カ月くらいしか通れませんが、温暖化でどんどん通れるようになると、ウラジオストクを抜けて日本海に入ってくる。で、そこにはメタンハイドレートがあります。私が日本海はいずれ中国海になってしまうぞと言ってるのは、そういうわけです。

EUの20年を見れば、TPPで日本がどうなるかが分かる

 交渉参加はしょうがないとしても、私はTPPに反対です。

 アメリカが日本に一番求めているのは金融と投資の自由化です。それに応じると日本の財産がアメリカだけでなく、中国からアメリカを迂回したお金によって買われてしまう恐れがあります。ルールがない今の状況でオープンにしてしまうのは危険です。

 そして労働者の流入。労働条件のいい日本には頭脳労働者から肉体労働者まで、たくさんの人が入ってくる可能性があります。アメリカからだけではなくTPPに加盟しているチリとかからも入ってくるし、そういう国を経由して中国人が入ってくるかもしれません。そうなると日本の国体を守るのが難しくなります。


日本は欧州連合(EU)の20年に学ぶべきでしょう。あそこでは力のある国は今もカネをせびられていて、そうでない国はどうしようもない状況に陥っている。

 西側の国はお給料が3倍も高いせいで人口が流入して、移民だらけになっています。英語もフランス語も話せない人が来ちゃうから、教育制度を変えないといけなくなったりしているわけです。

 そういうヨーロッパ社会の今を見れば、日本がTPPに入ったらこうなるってことをシミュレーションできるはずです。アメリカとかカナダとかオーストラリアのような移民国家と違って、日本は日本人が住んでいる国で、成熟した歴史がある。そこを急にオープンにして、日本の歴史を変えていいんですか?

安倍政権は脱中国政策を進めるべきである

 安倍(晋三)首相の外遊先からもうかがえますが、安倍政権は中国から東南アジアにシフトしています。脱中国政策をきちんと進めていってくれると、私は信じています。

 経団連もそれなりの覚悟を持って、脱中国に踏み切るべきです。中国にいる日本人は人質みたいなものなんですから、早いうちに引き揚げないといけない。大気汚染がひどくて食べ物も毒に冒されている場所に、日本人をたくさん駐在させていいのでしょうか。彼らがこれから肺がんにでもなったら、労災で訴えられると思いますよ。

 上海の黄浦江に伝染病の豚が大量に捨てられたというニュースがありましたけど、そんな具合に中国という国には公衆道徳というものがないんです。ちゃんと捨てるにはお金がかかる、めんどくさい、となれば川に流したりする。それだけ民度が低いってことですよね。

 日本は公害の時期を乗り越えて、20年ぐらいで脱皮してここまで来ました。でも中国は日本からノウハウをもらっていながら、この20年悪くなる一方でしょう。

 中国もいずれ日本のようになると思ってはいけません。彼らは日本人とはまったく違う。これは差別ではなく区別だと、私は思っています。