曽我さん拉致の真相は? | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 





西岡 力ドットコム より。




産経新聞715日付けが、佐渡から興味深い記事を載せた。社会部で拉致を担当しているM記者の原稿だ。

 


 曽我さん拉致の実行犯は4人いたが、そのうち1人が女性工作員の金ミョンスクだ。北朝鮮 に着いてから曽我さんは金ミョンスクから

 「あなたが土曜日の夕方に帰宅し、日曜日の午後に(勤務先の)病院に戻る勤務シフトで働いていることを知っていた」。

と言われたというのだ。


 早速M記者にこの情報の出所を聞いてみた。

すると、産経新聞が2009723日づけ「曽我さん拉致 綿密に計画か 勤務シフトを把握 」という記事で


〈 北朝鮮 による曽我ひとみさん(50)拉致事件 の実行犯として、国外移送目的略取と国外移送の疑いで国際手配されている北の女工作員、通称キム・ミョンスク容 疑者は、当時、准看護師だった曽我さんの勤務シフトを完全に把握した上で犯行におよんでいたことが22日、政府関係者への取材で分かった。曽我さんは事前 に完全に調べ上げられた上で、拉致対象に選ばれていたことになる。警察当局は曽我さんの地元、新潟・佐渡に北の協力者がいたとみて調べている。〉


〈また、曽我さんがキム容疑者に「佐渡のどのあたりに隠れていたの か」と尋ねると、キム容疑者は「サワダの海の方にいた」と答えたという。曽我さんは政府の係官に「拉致されたのは偶然ではない。計画されたものだ」と話しているといい、拉致は犯行グループの綿密な計画と連携によって行われた疑いが濃厚になった。

 警察当局によると、キム容疑者は朝鮮労働党 の工作機関「対外情報調査部」に所属。当時40~50歳。身長は150センチぐらいだった。

 曽我さんらの拉致にはキム容疑者のほかに3人の男が関与していたとみられるが、清津に到着したときには、男は2人しかいなかったという。もう1人の男は日本語を話していたといい、この男が国内の協力者だった可能性もある。〉

と書いていたことを教えてもらった。私はその記事を見落としていた。


 私は日本人拉致について次のように整理している。


Ⅰ 形態

A 遭遇拉致  拉致を目的としてはいなかったが、想定外の日時と場所で日本人と遭遇してしまい、緊急避難的に拉致をしたケース。被害者について事前に一切調査、検討していない。

寺越事件が典型的ケース。



B 条件拉致  例えば「若いアベック 」などという条件にあった者を拉致したケース。上陸後、条件にあった被害者を捜し、見つかった場合にその場で拉致した。事前に被害者について調査してはいないが、ある日時と場所にはある条件を満たす日本人が多数いるという情報は事前に入手していた。

1978年夏の3組のアベック拉致と1組のアベック拉致未遂事件がこのケースと思われる。



C 人定拉致 事前に日本や外国で工作員が拉致する候補の日本人に接近して、人物情報を入手しその情報を上部で審査した上で、拉致実行を決定する。その後、工作員が被害者を拉致現場まで誘導して拉致したケース。

久米裕さん、田口八重子さん、原敕晁さん、田中実さん、石岡亨さん、松木薫さん、有本恵子さんがこのケース。



Ⅱ 目的

1 情報隠蔽  寺越事件

2 身分盗用  久米裕さん、小住健蔵さん、原敕晁さん

3 工作員の現地化教師  田口八重子さん、地村保志さん、蓮池薫さん、市川修一さん、横田めぐみさん

4 拉致被害者等の配偶者  曽我ひとみさん(当初は教師として使おうとした可能性有り)、

5 洗脳して工作員として使う 石岡亨さん、松木薫さん、有本恵子さん、(横田めぐみさんについて当初は工作員として使おうとしたが断念したという情報あり)

6 特殊能力、技術を使う  日本人被害者では確認されていないが、韓国の映画監督申相玉さんと女優崔銀姫さんはこのケース。

7 北朝鮮 に有害な活動を止めさせる  日本人被害者では確認されていないが、1995年頃以降中国で脱北者 を支援していた韓国 人・中国人が多数拉致されている。



 わたしは曽我さん親子拉致は時期からして目的は3か4、もしかすると5だったと考えていた。そして形態はBではないかと思っていたが、今回の金ミョンスク発言を知り、形態Cの可能性も出てきたかと思い始めた。より慎重な検証が必要だ。







 曽我さん拉致、「土台人」ネット活用か 組織的に工作員手助け…地元に土地勘のある人間…

産経新聞電子版2012.7.1 4 22:36



 曽我ひとみさんとミヨシさんの拉致事件 には、日本国内で北朝鮮 工作員の手助けをする組織が関与していた疑いが濃厚だ。北朝鮮側もこれまでの日朝交渉の中で曽我さんについて、「現地請負業者に依頼、引き渡された」と組織の存在に言及している。



 「あなたが土曜日の夕方に帰宅し、日曜日の午後に(勤務先の)病院に戻る勤務シフトで働いていることを知っていた」。実行犯として国際手配されている通称キム・ミョンスク容疑者は、北朝鮮 に到着後、曽我さんにそう話したという。



 方言がきつく、島外から人が入ってくれば、すぐに分かるという土地柄の佐渡。そこまでの個人情報を調べるには、地元事情に詳しい協力者が欠かせない。



 拉致対象者を選び、アジトを提供するなど工作員を支援するのは主に「土台人(どだいじん)」といわれる在日朝鮮人らだ。北朝鮮 にいる親族の身の安全と引き換えに工作員が任務を強要するケースが典型的だ。



 大阪の中華料理店員、原敕晁さん=拉致当時(43=を拉致した辛光洙容疑者83)は在日朝鮮人数人に近づき、北で暮らす親族の写真を見せるなどして協力者に仕立て上げた。東京・三鷹市役所警備員の久米裕さん=同(52=拉致の実行犯、金世鎬容疑者(83)もそうだった。



 捜査当局の調べでは、曽我さん母娘拉致事件 で、キム容疑者は拉致の1週間前に佐渡に潜入した。情報収集や隠れ家を探すには「土台人」ネットワークを活用したはずだ。







●産経新聞7月15日付け記事