天皇、皇后両陛下は12日、東北新幹線で仙台市に入られた。13日に東日本大震災の被災者が身を寄せる仮設住宅を見舞うほか、化学関連の国際会議に出席し、同日帰京される。陛下が地方で泊まりを伴う公務に臨むのは「全国豊かな海づくり大会」で鳥取県を訪問された昨年10月末以来、約半年ぶりとなる。
12日は、防災について研究する東北大の今村文彦教授が、宮城県庁を訪問された両陛下に、東日本大震災の津波のメカニズムや、最新の防災研究を説明。東日本大震災での津波の発生と広がりを再現した動画がスクリーンに映し出されると、両陛下は真剣な表情で見つめられた。
陛下は「(防災は)学校の教育が非常に大事になるんじゃないでしょうか」「高齢化が進むだけに、一層避難が難しくなりますね」などと感想を話された。平成5年に訪問した、北海道の奥尻島の津波被害に触れ、車で津波から逃げる危険性を陛下が指摘される場面もあった。
今村文彦東北大教授(左)から今後の地震対策などについて説明を受けるため、
宮城県庁を訪問された天皇、皇后両陛下 =12日午後(代表撮影)
東北大の今村文彦教授から今後の地震対策などについて説明を受けられる
天皇、皇后両陛下=12日午後、宮城県庁(代表撮影)