田植え囃子の保存で小学生が地域と交流。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【都道府県 伝統の教え】島根県





「あがりはかどる太鼓の音はよ。どんどらどんと打ち上げよう…」。島根県江津市の跡市(あといち)小学校は全校児童が20人に満たない学校だ。同校では「跡市が大好きな子どもを育てる」と掲げて、平成7年から地域の協力を得ながら「花田植え」の保護に取り組んでいる。

 5月。太鼓が鳴るなか、学校近くにある学校田まで全校児童で行進したあと、高学年児童を中心とした「田植え囃子(はやし)」が披露される。

 田植え囃子とは、田んぼの繁栄と、地域住民が心を一つにして元気に暮らすことを願って始まったものだ。児童はこれを春先になると、地域の保存会の協力を得ながら、練習を重ねていく。低学年児童は早乙女姿になって、学校田に入り、もち米の苗を植える「花田植え」に臨む。植えられた米は9月に刈り取られ、学年末が近づいた2月に餅つきをする感謝祭を開いて、学校や保護者や地域の方々にふるまうという。

 小学校では田植え囃子の歴史や囃子に込められた意味などを総合学習のなかで勉強しながら、歌や踊り、演奏などにも挑む。

 昨年度は、江津市の音楽祭にも出演し、大いに盛り上げ、地元では観光イベントになっているという。