戦艦大和、3日に“発進” | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









よりリアルに甦り 

「戦艦大和」32年ぶりリニューアル、3日に“発進”




 模型メーカーのタミヤ(静岡市)は、旧日本海軍の連合艦隊旗艦で、史上最大の戦艦「大和」の350分の1スケールのプラモデルを、32年ぶりにリニューアルして3日から発売する。当時の最先端技術を結集して作られた本物の大和さながらに、同社の高い技術力を駆使。昭和20年、沖縄戦に出撃し、米軍に撃沈された最終時の姿をよりリアルに甦(よみがえ)らせた。開発者は「模型作りを通じて当時の大和建造を追体験してほしい」と話している。

 リニューアルされた大和は、パーツ総数約1500点で、説明書は通常の約2倍の68ページという分厚さ。価格は前モデルの約4倍の2万4150円。

 46センチの主砲部分などは、外観だけでなく、完成後には見られない内部構造まで忠実に再現。山本曉・営業主任(39)は「模型では初となる円筒形の給弾部まで再現した」と話している。このほか、甲板の周囲に取り付ける高さ3ミリの手すりや、そこに取り付けるロープを0・1ミリの銅線で表現した「ハンドレールセットA」(1470円)も用意するなど、とことんこだわった。山本主任は「これを超える大和は出てこない」と断言する。

 しかし、刷新は“順風満帆”ではなく苦労の連続だった。特に難航を極めたのが、資料集めだ。

戦争当時、大和関連の開発資料は極秘中の極秘扱いだったうえ、終戦の際にほとんどの資料が焼却されてしまったため、船体の正式な図面が存在しない。設計主任の海野剛弘係長(51)は「大和の研究家が世代交代してようやく公開を許可した、という情報を得ては何度も足を運んだ」と振り返る。

 このほか、大和の研究を趣味でやっている人を訪ね、艦船クラブの会合などにも参加。「ある人には何度も門前払いされたが、ようやく理解してもらった。刷新できるだけの資料がそろったので、大和のリニューアル発売が実現できた」と経緯を説明する。また、山本主任は、「ほかのメーカーも含め350分の1スケールのプラモデルが多く発売され、大和を刷新して販売する環境がそろった」ことも理由のひとつに挙げている。

 こうして集めた断面形状の図面やその他の写真などを元に、再現度や精密度を高めて金型を作り直す作業が始まったが、それでも、すべての部分が解明できたわけではなかった。同時期に作られた戦艦の資料を見返しては、大和の構造を推察することを繰り返す地道な作業の連続だったという。入手した写真をみては、「この部位は、直線だ」「いや斜めだ」と設計陣同士が何度も衝突したこともあったと述懐する。

海野係長自身も、「自宅に戻っても(大和で)頭がいっぱいで、金型になる最終段階の形状を思い出しては、『もう少し丸かった』『斜面がきつかった』などと後悔しては、委託先の金型メーカーに無理をいって直してもらった」と苦笑する。

 こうしてようやくできあがった大和をみて、海野係長は、「完成した瞬間は達成感というより、ホッとした」と話す一方、「作った客が喜んでくれて初めて成功といえる」と気を引き締めていた。

 山本主任は、「タミヤなりに大和を考察した結果。模型を通して、文献をさらに調べる楽しみもある」と提案している。(飯田耕司)





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      タミヤが32年ぶりに刷新した350分の1スケールの戦艦大和プラモデル=静岡市駿河区



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