信玄vs謙信。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










両雄対峙の川中島、戦国の世に思い 

武田神社で450年特別展





 戦国時代の川中島合戦で、武将の武田信玄と上杉謙信の太刀打ちの一騎打ちがあったとされ、とくに有名な永禄4(1561)年の八幡原の戦い(第4次合戦)から450年の区切りを迎えたことを記念する「川中島合戦四五〇年特別展」が、甲府市古府中町の武田神社で開かれている。両雄が対峙(たいじ)した図を描いた版画、屏風絵(びょうぶえ)など20点を紹介、戦国の世に思いをはせる展示となっている。

 川中島合戦は天文22(1553)年の布施の戦い(第1次合戦)から永禄7年の塩崎の対陣(第5次合戦)に及ぶ武田、上杉両軍の戦い。善光寺平(長野市)での本格的な衝突となった八幡原の戦いは、両軍を合わせた約3万2千の兵のうち死傷者が武田軍約9400、上杉軍約1万7千とされるほど激しい戦いだった。

 軍事的にも「啄木鳥戦法」「車懸かりの陣」など、のちの徳川将軍家が重きをなした、武田氏の戦略や戦術が著された軍学書『甲陽軍艦』に登場する逸話もある。武田軍では信玄の弟、典厩信繁や軍師の山本勘助が討ち死にした。八幡原の戦いを指して、川中島合戦と呼ぶことも多いとされる。

 今回展示されているのは、謙信が信玄の本陣に切り込み、2人が向き合った様子を描いた歌川芳虎作の版画『川中嶋大合戦 信玄本陣図』『武田三代記 信州川中嶋大合戦』や、幕末の絵師、五雲亭貞秀作の9枚続きの版画『川中島大合戦の図』のほか、万治2(1659)年刊行の『甲陽軍艦』の版本全23冊、六曲屏風などと異なり、様式にとらわれずに襖(ふすま)仕立てとして描かれた『川中島合戦襖絵』(作者、時代不詳)など。

同神社権禰宜の佐野浩一郎さんによると、八幡原の戦いに関する武田神社宝物殿の収蔵品が一堂に会して紹介されている点が見どころ。とくに歌川芳虎の版画は信玄の複数の影武者が描かれた作品として珍しいという。

 境内の宝物殿で12月25日まで開催。午前9時~午後4時半。観覧は高校生以上300円、小中生150円。問い合わせは武田神社(電話)055・252・2609。





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        川中島合戦で信玄と謙信が対峙した様子を描いた屏風絵や襖絵などが展示されている

                                           =甲府市の武田神社宝物殿