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和歌山・太地町で追い込み漁、9月1日解禁

http://sankei.jp.msn.com/region/news/110830/wky11083022090005-n1.htm





 国内古式捕鯨の発祥地、和歌山県太地(たいじ)町で伝統漁法「追い込み漁」が9月1日、解禁される。昨シーズン、反捕鯨団体などによる漁業関係者への妨害行為が相次いだため、県警や第5管区海上保安本部は解禁前から警備態勢を強め、漁協も特別訓練に参加。町を歩くと、ピリピリとした緊張感も伝わってくる。その一方で、地元住民からは「クジラの町」の本音が聞かれた。

                                (池田美緒、写真も)




クジラの町


 


 風見鶏ならぬ「風見クジラ」や風力発電クジラ…。町のそこかしこにクジラにちなんだモニュメントがある。熊野灘に突き出た人口約3200人の小さな町、太地町。町の玄関口、JR太地駅にあるエレベーターや障害者用トイレは、観光、そしてクジラ研究を中心とする学術都市を目指す町が、訪れる人たちのために整備したという。

 

 「太地からクジラがなくなったら、何もない」。同町漁協参事の貝良文さん(51)はそう、つぶやいた。漁の解禁前だが、スーパーには、過去に採れたクジラの内臓や皮の加工食品が並ぶ。同町では古くから「肉といえばクジラ」。平地や川のないこの町にとって貴重な栄養源で、生活の糧(かて)でもあった。

クジラを追って港に帰る船をお祭り騒ぎで迎える町民…。ほんの50年前は当たり前の光景だった。不漁の年には、海外へ出稼ぎに行った。明治時代には無理な出漁で、一度に100人余りが亡くなる悲劇もあった。

 

 そんな町民が命がけで引き継いできた生業は、今も若者を惹(ひ)きつける。漁業は高齢化が進んでいるといわれるが、太地では世代交代が進み、捕鯨には10~20代の若者5人が携わっている。追い込み漁を続けている同漁協のいさな組合(23人)の三好雅之副組合長(67)は「捕鯨にあこがれて入った若者に技術と誇りを継いでいきたい」と語る。




緊張感


 


 穏やかな町だが、追い込み漁解禁を控えて緊張感が漂っていた。シー・シェパード(SS)など反捕鯨団体の妨害行為を防ぐため、和歌山県警は今月、警戒拠点として臨時交番を町に設置した。イルカを入れる漁協のいけすの様子を確認したりパトロールを強化したりと警戒を強めている。


 「動物の生死を商売にしているのは彼ら(SS)の方だ」。同漁協販売課長の〆谷(しめたに)和豊さん(44)は憤る。観光客らに配慮し、漁協が畠尻湾で早朝に行ってきたイルカやクジラの処理作業を隠し撮りしたり、妨害したりした反捕鯨団体のメンバーら。英語で何をまくし立てていたのかよく分からなかったが、米映画「ザ・コーヴ」を見て怒りが増した。

 

 いさな組合副組合長の三好さんも「誇りもやりがいもある仕事を突然否定する彼らに対応するのがつらい」と語る。同組合では、反捕鯨団体などに対抗してビデオカメラ3台を購入。単独行動を控えて衝突を避けるなど細心の注意を払う。「法律を巧みに利用するSSに自分たちが乗せられたら、警備してくれた人たちの顔をつぶすことになる」と覚悟を語った。


誇りとともに


 

 毎年4月末、町ではクジラに感謝する供養祭が営まれる。「太地は昔からクジラとともにあった。多くの先人を亡くした歴史も、後世に伝える義務がある。ここでくじけてはいけない」。三軒一高(さんげんかずたか)町長は力強く語った。

町ではいま、クジラを観光、食文化のほかに学問の側面から生かそうと取り組んでいる。町の北側にある森浦湾を「クジラの牧場」とし、町立くじらの博物館を第一線の研究施設にする「鯨の海構想」だ。京都府出身の同博物館学芸員の中江環さん(30)も「博物館は『失った物』を展示していることが多い。ここでは生きたクジラがそばにいる」と魅力を説明する。

 

 全国から集まった研究者に魅力的な町に映るよう、町は女性が安心して使える衛生的な公衆トイレも整備。イルカやクジラを解体する太地漁港は県内初の衛生管理型漁港とするなど、環境と衛生に配慮した町づくりに取り組んでいる。

 

 交通の便も悪く、ほかに大きな産業もない太地町。しかし、町民は「こういう騒ぎさえなけりゃ平和な町」と胸を張る。そして三軒町長は「クジラのことが知りたければ一度は行かなきゃいけないような町にしたい」と語る。

 


 約400年にわたって受け継がれた生業への誇りが、町を支えていた。




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        今も昔もクジラやイルカの解体作業が行われている太地漁港=和歌山県太地町






反捕鯨団体の違法行為に備え厳戒態勢 

和歌山県警と海保

http://sankei.jp.msn.com/region/news/110830/wky11083022100006-n1.htm




 反捕鯨団体などによる妨害行為を防ぐため、和歌山県警と第5管区海上保安本部は今年、警備態勢を強化している。

 

 県警によると太地町には昨年、シー・シェパード(SS)などの反捕鯨団体、延べ約1800人が訪れ、カメラを向けたり、車の前に立ちはだかるなど漁師らにいやがらせ行為を繰り返した。9月には捕獲したイルカを入れたいけすの網が切られる事件も発生。海外の反捕鯨団体「ザ・ブラック・フィッシュ」がホームページに犯行声明を出したが、犯人逮捕には至っていない。

 

 こうした違法行為に厳しく対処するため、県警と海保は今月、連絡会を発足して連携強化を確認。それぞれが警戒本部を設置し、25日には太地町に県警が臨時交番を開設。31日には、鯨類の解体施設のある漁協近くに串本海上保安署臨時駐在所が設けられる。県警は出港や追い込み作業の際にパトロールを強化。通訳できる警察官も派遣した。海保は沖合に巡視船艇を配備、海上から警戒にあたる。

 

 臨時交番で安全パトロール班の係長を務める岡田芳久警部補は「不安に感じている住民もいると思う。トラブルが発生すればすぐに駆け付け、町の平穏を守りたい」と話している。

 

 一方、漁解禁を前に26日、「ザ・コーヴ」に出演したイルカ保護活動家のリック・オバリー氏が来日した。