まさか野党ボケ? | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






【酒井充の政界××話】




自民党は政権奪還を放棄したのだろうか。島根県の竹島(韓国名・独島)に近い韓国・鬱陵島の視察を計画した同党議員が入国不許可となった「騒動」における党執行部の弱腰な対応は、そんな疑念を抱かせた。

 自民党は沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件やロシア大統領の北方領土問題など領土にかかわる問題への民主党政権の対応を厳しく批判してきた。それなのに自民党は所属議員の領土問題に資する正当な視察を認めなかった。「野党時代の政権批判の矛盾が与党になった途端に自らに降りかかってくる」という民主党お得意の「ブーメラン現象」は自民党をも浸食しているようだ。

 8月1日の入国不許可の経緯は産経新聞紙上でも詳しくお知らせしたが、そこに至るまでの自民党内の動きを時系列でやや丁寧に振り返ってみたい。

 鬱陵島視察を計画したのは自民党「領土に関する特命委員会」委員長代理の新藤義孝衆院議員と稲田朋美衆院議員、佐藤正久参院議員の3人だった(参加を予定した平沢勝栄衆院議員は直前に取りやめた)。

 新藤氏は6月24日の領土特命委員会で鬱陵島視察の意向を表明していた。特命委委員長の石破茂政調会長も同席し、賛意を示した。そのときは産経新聞しか報じず、韓国政府や同国メディアもあまり反応しなかった。

 新藤氏は領土特命委の正式な了承を経た上で7月15日に記者会見を行い、鬱陵島視察を含む8月1~4日の訪韓計画を正式に発表した。雲行きが怪しくなってきたのはこの後だった。さっそく韓国側で「鬱陵島上陸阻止論」が浮上。ソウルの日本大使館前で市民団体が新藤氏らのポスターを破るといった抗議活動が目立ち始めた。

7月23日にインドネシアで行われた日韓外相会談で金星煥外交通商相が松本剛明外相に対し、自民党議員の訪韓計画を取りやめるよう求めてきた。松本氏は「国会議員の行動だ」として取り合わなかった。この段階でも自民党執行部は訪韓計画に異論を挟んでいなかった。

 最初に疑問を呈したのは逢沢一郎国対委員長の26日の記者会見だった。逢沢氏は「国会開会中の議員渡航は事務的に処理する案件ではない。8月第1週は重要法案の大事なタイミングにもなる」と言い出した。ちょうど同じころ、新藤氏は産経新聞のインタビューに応じていた。新藤氏は視察の意義を語り、予定通り計画を実行することに意欲満々だったが、韓国メディアは同日、韓国政府が新藤氏らの入国を空港で不許可とする方針を決めたと報じた。「李明博大統領の指示」との報道もあった。

 党幹部の態度が急変したのは27日だった。石原伸晃幹事長は党本部に新藤、稲田両氏らを呼び、「あなたたちの安全が心配だ」と言い始め、以下のようなやりとりが続いた。

 石原氏「自分たちは菅政権と戦っている。その時に外遊とは気が緩んでいると思われる」

 新藤氏「8月上旬の小池百合子総務会長らの外遊の請暇願は認められている。佐藤氏はすでに参院で外遊が許可された」

 石原氏は「小池氏の外遊は取り消す」と話し、国会日程を理由に国会閉会後の9月以降の訪韓を求めてきた。

 新藤氏「延期しても騒ぎは一緒だ。幹事長には計画を2回話した。党からは100万円しか出せないと言っていたではないか」

 石原氏「聞いていない」

 新藤氏「今やめれば韓国からの圧力に負けたことになる」

 石原氏「どう思われてもいい」

押し問答が続き、この日は結論は出なかった。29日、松本外相は記者会見で「日本の国会議員が合法的に入国して視察するものだ」と述べ、議員の訪問を後押しした。同日、韓国外交通商省は在ソウルの武藤正敏大使を呼び、空港で入国を不許可とする考えを正式に伝えた。

 この間、党執行部は新藤、稲田両氏が7月20日ごろに提出した衆院への請暇願を棚ざらしにし、最後まで握りつぶした。領土特命委員会としての「党による視察」は「議員の個人視察」となった。

 国会会期中の外遊に必要な請暇願が了承されなければ衆院規則に反し、懲罰の対象となりうる。議員本人は正当な手続きを踏んで申請したのに党は無視した。党の規則には反しないが、衆院の規則に反するという状況を党幹部が意図的に作り出したわけだ。なんと姑息なことか。

 韓国の領土である鬱陵島に正当な手続きで渡航し、島内の「独島博物館」などを視察して懸案となっている竹島問題の実態を把握する。まさに国会議員としての正当な行動であり、今までそうした行動を起こした議員がいなかった方が不思議なくらいだ。

 新藤氏らの訪韓に対し、韓国側から自民党に「相当な圧力」があったとされる。真偽は定かではないが、韓国政府が入国不許可を表明した直後に、視察取りやめを求めたとなれば、自民党が韓国の圧力に屈したと批判されても仕方あるまい。

 石原氏は党組織運動本部長だった昨年2月22日、党の代表として初めて島根県の「竹島の日」記念式典に出席した。自民党は与党時代は記念式典に代表を送り込んでいなかった。

自民党は1月の党大会で採択した23年度の運動方針で「国民の生命・財産を守ることは国の最大の責務だ。わが党は主権と領土を守る姿勢を明確に発信する外交を展開する」と掲げた。

 尖閣衝突事件などへの民主党政権の対応についても「なんら毅然とした抗議や主張ができず、これらの圧力に屈したかのような印象を国際社会に与えた」と批判した。党大会の会場では出席者に尖閣諸島の現状を開設した冊子を配布する熱の入れようだった。

 党大会で谷垣偵一総裁は「国家を背負う凛々たる気概をもって外交を展開していかなければならない。国民の生命と財産を守るために私たちは政治の責任から決して逃げない」と力強く語った。その谷垣氏も議員視察の件は「幹事長に任せている」の一点張りだった。

 そういえば小泉純一郎首相の後の自民党の首相はだれも靖国神社への参拝を明言しなかった。野党の総裁となった谷垣氏は2年連続で8月15日に靖国神社に参拝した。政権奪還に向け保守層にアピールして、なんとか支持を取り付けたい-。党執行部の行動にはそんな浅はかな目論見が見え隠れする。民主党政権の受け皿として自民党への支持があまり拡大しない理由がよく分かる。民主党の政権公約(マニフェスト)違反を盛んに批判する自民党だが、同じことは自らの身にも生じることを覚悟するべきだ。





草莽崛起:皇国興廃此一戦在各員奮励努力セヨ。 

         8月1日、ソウルの金浦空港に到着した(右から)自民党の新藤義孝衆院議員、

                       佐藤正久参院議員、稲田朋美衆院議員(聯合=共同)




























スクープ!!宗田千恵悪行!!

スクープ!!橋本弘文!!

スクープ!!市民の党・酒井 剛!!