【外信コラム】ソウルからヨボセヨ（もしもし）
金正日総書記の夫人
ロシア訪問の金正日総書記の一行に紅一点が目撃された。先の中国訪問の際にも姿があった。いずれも車では金総書記と並んで座り、今回は金総書記が芳名録にサインする際、すぐ後ろで寄り添っていた。明らかに“夫人”である。
彼女は「キム・オク（金玉）」で２００４年、高英姫・前夫人がガンで亡くなった後、“正式”に夫人の座についたとみられている。４０代半ばというが、金総書記好みの「小柄で丸顔のかわいい顔立ち」をそのまま感じさせる。
父・金日成主席と違って金総書記はこれまでメディアで確認された夫人同伴の外遊は一度もなかったが、今年の中国・ロシア訪問で夫人同伴が明らかになった。健康上の不安がそうさせるのだろうか。金玉夫人は高英姫・前夫人、成恵琳・元夫人と同じく芸術系出身で、金総書記に見初められて秘書役を務めてきた。すでに金総書記との間には息子がいるとの情報もある。
金総書記は生母（金正淑）を早く亡くし、義母の金聖愛・元女性同盟委員長や異母兄弟の金平日・現ポーランド大使は徹底して権力から遠ざけてきた。金玉夫人の浮上をきっかけに、前・元夫人との間にできた金正男、金正哲、金正恩に新たな異母兄弟が“王子”として加わるのだろうか。金正恩・世襲後継者体制に影響も？
（黒田勝弘）
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