【都道府県 伝統の教え】北海道
クラーク博士の名言はもう一つ「紳士であれ」
明治時代、札幌農学校（現北海道大学）の初代教頭を務め、「少年よ、大志を抱け」（Ｂｏｙｓ ｂｅ ａｍｂｉｔｉｏｕｓ）の言葉を残したウィリアム・スミス・クラーク博士には、もう一つ知られたエピソードがある。
着任したクラーク博士は、札幌農学校にあった煩雑な校則に対し、「校則は一つ、『紳士であれ（Ｂｅ ｇｅｎｔｌｅｍａｎ）』の一言で十分」だと求めたという。
「大志を抱け」はクラーク博士が帰国の際、札幌近郊の島松駅逓所（現北広島市）まで見送りにきた学生たちに述べた言葉として伝わる。ゆかりの北広島市ではフロンティア精神を受け継ぐ教育を目指し、小学校などでクラーク博士のほか、寒冷地の稲作の先駆者、中山久蔵（きゅうぞう）ら先人の取り組みについて教える授業も行っている。
クラーク博士の像は、北大キャンパスに胸像があるほか、羊ケ丘展望台（札幌市）にある右手で遠くを指さしている銅像が有名だ。羊ケ丘展望台のホームページによると「遙（はる）かかなたにある永遠の真理」を指し、大志を抱けという思いが込められているという。羊ケ丘展望台では訪れた人が夢や希望を用紙に書いてクラーク像の台座に投函（とうかん）できる「大志の誓い」（保管料１枚１００円）がある。
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