【都道府県 伝統の教え】岡山県
岡山県には江戸時代、庶民の子弟らを広く受け入れた最古の学校、閑谷(しずたに)学校の建物が創建から約340年を経て残る。
場所は岡山県南東部の備前市にある。県などによると教育に熱心だった藩主の池田光政が藩校とは別に、儒教を中心に庶民が学ぶ学問所として創建した。広大な敷地に1670年から約30年かけて完成。「後世までも廃れさす事の無い」ようにと命の通り、かつての姿が国指定の特別史跡「旧閑谷学校」として残る。国宝の講堂をはじめ、ほとんどの建物が重要文化財だ。
閑谷学校は明治3年に、いったんは閉鎖されるが、閑谷精舎として再興。その後も経営事情などから閉校後、閑谷黌(こう)として再興されるなど、私立や県立など経営形態や名称を変え、歴史は現在の県立和気閑谷高校に引き継がれている。
名の通り閑静で自然豊かな環境と歴史を伝えるため、昭和40年には旧閑谷学校に隣接し、県青少年教育センター閑谷学校がつくられ小中高校生らの宿泊研修などが行われている。掲げられる生活信条は「友愛」(集団生活を通して心のかよう仲間を増やす)▽「秩序」(共同生活を有意義にするため規則を守り責任を果たす)▽「礼儀」(お互いに人格を尊重し、礼儀正しい生活をする)-だ。