「黒田裕樹の歴史講座」 より。
昭和天皇が詔書の中で仰っておられることは、終戦の詔書
などと比較しても際立(きわだ)って新しいこととはいえませんし、むしろ常日頃(つねひごろ)からお考えだからこそ繰(く)り返し強調されておられるのではないでしょうか。
ところで「新日本建設ニ関スル詔書」の最初に明治天皇(めいじてんのう)による「五箇条のご誓文(ごかじょうのごせいもん)」が紹介されているのを皆さんはご存知でしょうか。詔書に五箇条のご誓文を付け加えられたのは昭和天皇ご自身のお考えであり、このことこそが陛下が詔書において本当に仰りたかったことなのです。
昭和52(1977)年、昭和天皇は記者からの質問にお答えなさるかたちで、詔書の始めに五箇条のご誓文が引用されたことについて以下のようにお言葉を発せられました。
「それが実はあの詔書の一番の目的であり、神格とかそういうことは二の問題でした。当時はアメリカその他諸外国の勢力が強く、日本が圧倒される心配があったので、民主主義を採用されたのは明治天皇であって、日本の民主主義は決して輸入のものではないということを示す必要があった。日本の国民が誇(ほこ)りを忘れては非常に具合(ぐあい)が悪いと思って、誇りを忘れさせないためにあの宣言を考えたのです」。
(※下線を引いた事例については、リンク先もご参照下さい)
http://www.youtube.com/watch?v=DkwMDdTCtas&feature=player_embedded#at=23