これが日本再生の救国内閣だ! | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 






【異論暴論】正論4月号



戦後最大の国難を乗り切れ


 民主党が政権を奪取して1年半。この政権の目標がわが国を沈没させることにあるならば、着実に成果をあげているといえよう。

 国民の大半が期待しているのは、この党が一日も早く政権の座から降りてくれることだけだ。しかし、かりに解散総選挙となって、自民党が返り咲いたとしても、賞味期限の過ぎたこの政党にも多くを期待できない。そこで「正論」編集部では、保守系の識者50人に「日本を救うために最強の内閣を考えていただきたい」と、緊急アンケートを実施した。

 首相としてもっとも多く名前が挙がったのは安倍晋三氏。健康を取り戻したいまこそ「戦後レジームからの脱却」に改めて取り組んでほしいというわけだ。これに続くのが確固たる国家観を持ちタフネゴシエーターでもある石原慎太郎氏、そして郵政選挙で筋を通した平沼赳夫氏。櫻井よしこ氏と稲田朋美氏の人気も高く、首相、外相、官房長官などに多くの識者が名を挙げた。

 若手議員では小泉進次郎氏に対する期待が大きい。ある識者は首相に小泉氏、官房長官に石原慎太郎氏を挙げた。意表をつくが面白い組み合わせかもしれない。また、領土問題担当相として志位和夫氏の名も。その一方で「一番悪いのは民主党の詐欺に騙(だま)された愚民。この内閣で一度地獄を見て、悔い改めない限り日本の再生はない」と、首相に小沢一郎氏、外相に鳩山由紀夫氏、文科相に輿石東氏、法相に千葉景子氏、官房長官に仙谷由人氏を挙げた識者もいた。


消費税アップは左翼の罠だ

見え隠れするレーニンの亡霊


 財政再建のためなら消費税アップもやむを得ない-と考える保守層は多い。だが、それは“左翼”の罠(わな)だという驚きの説を、経済評論家の上念司氏が唱えている。

 その説を、あえて要約すればこうだ。

(1)現在のようなデフレ下で増税すればますます不況が深刻化する

(2)企業の業績が悪化し倒産が相次ぐ

(3)労働者を救うため企業を国有化せよとの議論が起こる

(4)労せずして旧ソ連も真っ青の社会主義国家が誕生する…。

 これを極論の一言で片付けるのは早計だろう。上念氏によれば、社会主義的な官僚らが主導する増税論の背後に、レーニンが唱えた「敗戦革命のテーゼ」が見え隠れするという。経済的な敗北を助長し、革命的な変革を導くことで、官僚が制御しやすい国家体制をつくりあげる-という陰謀だ。

 民主党には、菅直人首相をはじめかつて消費税に猛反対していた議員が少なくない。それがなぜ、デフレ下の今になって官僚の意見を受け入れたのか-。増税容認派の保守層がこの論文を読めば、自説を変えたくなるかもしれない。(川瀬弘至)