GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0
≪公開時コピー≫押井守監督自らが新作CGカットを含め
フルリニューアル
製作国:日本
製作年:2008年
公開年:2008年
【監督】 押井守
【出演】 田中敦子 (草薙素子)
大塚明夫 (バトー)
山寺宏一 (トグサ)
仲野裕 (イシカワ)
大木民夫 (荒巻大輔)
玄田哲章 (中村部長)
生木政壽 (ウイリス博士)
山内雅人 (外務大臣)
小川真司 (外交官)
宮本充 (台田瑞穂)
山路和弘 (清掃局員)
千葉繁 (清掃局員)
家中宏 (検死官)
松尾銀三 (オッサン)
松山鷹志 (実行犯)
小高三良 (技師)
佐藤政道 (運転手)
林田篤子 (オペレーター)
上田祐司 (通信の声)
亀山俊樹 (狙撃手)
後藤敦 (指揮官)
坂本真綾 (少女 / 草薙)
榊原良子 (人形使い)
【Zero的評価】 1800円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 オープニングの素子が出来ていく過程
【鑑賞本数】 年間:29作目 通算:430作目
【 感 想 】
劇場で「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」を見る価値はあるけれど、中途半端なデジタル化はビミョーかもしれない。当時は斬新でも、今見ると古さが残る設定なのに、映像だけをハイクオリティーにすると違和感がある。とはいえ、ハイクオリティーになった分、見ごたえが増した部分もある。オープニングの素子が作られていく過程は段違いで良くなっている。あれがあることで、素子が語る「私という人間は…」という語りがぐっと力を増した気がする。
手を入れるとキリがないのはわからないではないので、むしろあの程度でとどめた押井さんの匙加減はすごい。
改めて劇場で見ると押井版と神山版とではアプローチの仕方が対極的だと感じる。どっちがいいとか、好きだとかそういう見方ができない程、どちらも作品としての完成度は高いだけに比較するのはナンセンスと思う。
映像のデジタル化ともう一つの変更点は「人形遣い」の声優が変わったこと。
前の家弓家正版は、融合することで、性別を超越する不偏の存在になったような暗示があった。男性である人形遣いと女性である素子が融合した結果、少女型に・・・という深読みもできなくはない。
今回の榊原良子版もセクシャルな部分を切り捨てた感じで、あれはあれで良かった。もっとドライに電子から生まれた生命体と、エレクトロニックな人間との融合。人形遣いでも素子でもない新しい人格=少女型も解釈としては悪くない。
少女型というのが、人形遣いと素子の子供=どちらのDNAを持っているが、別の人格という風に認識しているが、解釈的にはどうだろう?
「個とは何ぞや」という最大の問いへの答えは自分でだせばいいものなので、割愛。思っているほど、人間は孤独ではないとだけ、備忘録代わりに。
何でこの作品がツボなのかが2.0を見たことで明確になった。ちょいちょい写しだられる風景の切り取り方が、理想とする風景の切り取り方なのだ。多分恐らく間違いなく押井さんも映りこみマニアに違いない。
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
≪公開時コピー≫誰もが、自分の“カタワレ”を
探してる…。
製作国:アメリカ
製作年:2001年
公開年:2002年
【監督】 ジョン・キャメロン・ミッチェル
【製作】 パメラ・コフラー
ケイティ・ルーメル
クリスティーン・ヴェイコン
【出演】 ジョン・キャメロン・ミッチェル (ヘドウィグ)
マイケル・ピット (トミー・ノーシス)
ミリアム・ショア (イツハク)
スティーヴン・トラスク (スキシプ)
セオドア・リスチンスキー
ロブ・キャンベル
マイケル・アロノフ
アンドレア・マーティン
ベン・メイヤー=グッドマン
アルバータ・ワトソン
ジーン・ピルツ
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★
【見所】 ヘドウィグの魂の叫び
【鑑賞本数】 年間:28作目 通算:429作目
【 感 想 】
映画好きを自称する割に見ていない作品は山ほどある。「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」もその一つで、内容は耳にする機会も多いだけに今さら感もたっぷりあるのだが、あえて見る必要もなかったなと。
同性愛者やドラッグ・クィーンは嫌悪する対象ではないし、そういう人はそういう人で自らを卑下することもないし、個性の一つだろうと受け入れるほうだと思っている。実際に目の前にすると多分にうろたえるし、動揺する自信もあるが・・・。それはさておき。
「アングリーインチ」にアングリーになる理由はわからなくもない。多くのロックは既成概念や体制に対する「反抗心」や「怒り」を強く表現することが主体であるからして、ベクトルの方向としてはしごくごもっともと思う。思うのだが、ヘドウィグに関していえば、さっぱり受け入れようと思えない。むしろ拒否感のほうが強い。
何がイヤかと言ったらヘドウィグのグチったらしい感じがイヤ。苦労はすると思う。イヤな思いもする。でも、直そうとして直せる手合いのものではなく、どうしようもないものだから、逃げも隠れもせずどうどうとしていればいい。受け入れられない人はごめんなさいするしかないし、話せばわかる人だっている。そこは自分で見極めようよ。傷ついても何してもあきらめないで、自分の居場所ぐらい自分で作る努力をしようよ。それをしないで、ねじくれて自ら見世物になってたら世話ないよ。
作り物の世界に大人げなく腹を立てなくてもとは思うが、大人げなく腹が立った。あえてわざわざ…っていうのが、露出狂にしか見えなくて趣味が悪い。そもそも愛だの、恋だのにさほど興味がない性質だというのも影響しているが、早い話「興味ない。ヘドウィグの色恋沙汰なんて。」ということなのかもしれない。
それにしても何故これがロングランヒットするのか、さっぱり意味がわからない。とはいえ、面白がれない自分が何か損している気がしないでもない。
死ぬまでにしたい10のこと
≪公開時コピー≫彼女は23歳。あと2ヵ月の命。
初めて「生きる」と決めた。
製作国:カナダ/スペイン
製作年:2003年
公開年:2003年
【監督】 イザベル・コヘット
【製作】 エステル・ガルシア
ゴードン・マクレナン
【出演】 サラ・ポーリー (アン)
スコット・スピードマン (ドン)
デボラ・ハリー (アンの母)
マーク・ラファロ (リー)
レオノール・ワトリング (アンの隣人)
アマンダ・プラマー (ローリー)
ジュリアン・リッチングス (トンプソン医師)
マリア・デ・メディロス (美容師)
アルフレッド・モリナ (アンの父)
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★
【見所】 10のリスト
【鑑賞本数】 年間:27作目 通算:428作目
【 感 想 】
「死」を描いた作品は数知れずあるが、自分の中では3番目あたりに好きな作品かもしれない。一貫してアンの目線で、もっと「家族」の主張があるはずなのに、それを立ち入らせない話の作り方と撮り方が好ましい。
「死」というと負のイメージでどちらかというと目を背けたくなる対象にあえてわざわざ向き合うのは宗教的なバックボーンがあるからかな。美化するわけでも、悲嘆するわけでもなく、淡々とした感じは嫌いではない。
23歳で2児の母という主人公アンと自分に接点がなくてどこか他人事のように見てしまった。23歳なのに若さを感じられないアンがリアルにとらえられなかったけど、接点がないだけで存在はしている。自分とは対照的な存在なだけに、はっとした。
余命2ヶ月と知ったら自分はどうする?子供や夫がいない分、すごく身勝手に時間をすごすような気がする。みっともなく取り乱すか、生きる気力を失って廃人のようになるか。それはさておき。
アンは動揺していなかったかというとそうではないと思う。あまりにも冷静に受け止めすぎていてすごいというか、えらいというか、かっこいいなと素直に思えた。リストの最初に来るのが自分のことではなく「娘達に毎日「愛してる」と言う。」あたりが、うるっと来る。そんな場合と違うだろ!と思うのは独り身の身勝手さかもしれない。
リストの一つに「夫以外の男性と…」のくだりがあって、「女としての喜び」を謳歌するべきだという気はさらさらないけど、死ぬ前に一つぐらいトキめいてもいいんじゃないか?だって、まだ23歳だし。とも、思う。
ドラマティックに死を描くのも、淡々と描くのも、それはそれでありだけど、個人的には「死ぬまでにした10のこと」のような淡々とした描き方のほうが好き。実際はもっとジタバタもするし、グロっともするけど、生臭くない静かな死がいいな。静謐ともいえるぐらいの静けさと共に訪れる死のほうが何と言うか「幕を引く」感じがする。
マグノリア
≪公開時コピー≫人生に、こんなにびっくりできるんだ。
製作国:アメリカ
製作年:1999年
公開年:2000年
【監督】 ポール・トーマス・アンダーソン
【製作】 ジョアンヌ・セラー
【出演】 ジェレミー・ブラックマン (スタンリー・スペクター)
トム・クルーズ (フランク・T・J・マッキー)
メリンダ・ディロン (ローズ・ゲイター)
フィリップ・ベイカー・ホール (ジミー・ゲイター)
フィリップ・シーモア・ホフマン (フィル・パルマ)
ウィリアム・H・メイシー (ドニー・スミス)
ジュリアン・ムーア (リンダ・パートリッジ)
ジョン・C・ライリー (ジム・カーリング)
ジェイソン・ロバーズ (アール・パートリッジ)
メローラ・ウォルターズ (クローディア・ウィルソン・ゲイター)
マイケル・ボーウェン (リック・スペクター)
エマニュエル・L・ジョンソン
フェリシティ・ハフマン
アルフレッド・モリナ (ソロモン・ソロモン)
トーマス・ジェーン
ドン・マクマナス
パット・ヒーリー (ゴッドフリー卿/若い薬剤師)
ロッド・マクラクラン
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★
【見所】 「性の伝道師」なトムちん
【鑑賞本数】 年間:26作目 通算:427作目
【 感 想 】
実験的映画に類するのだろうか。特別、面白さも感じられず何だったんだ?と、解釈というか受け止めきれずに戸惑いが残る。
とりあえず、トム・クルーズ扮する「性の伝道師」は中々良かった。トム・クルーズは結局何を演じてもトム・クルーズになるから、こういうパーッとはっちゃけたアホくさい役のほうがハマると思う。「オレってかっこよくってもてて、女に困ったことないから、みんなにその秘訣を教えるよ。」なんて、上から目線にもホドがあるが、多分、現実にそういう詐欺と教祖様すれすれの路線を地でいける人だと思う。フランクの「実は…経歴詐称していて」というくだりは蛇足っぽいけど、あのぐだぐださと取り繕い方は見ごたえあったし、アカデミー助演男優賞ノミネートも納得である。ノミネートだけで、受賞できなかったあたりも納得である。
それ以外は見事にぱっとしないドロドロのしんどい流れ。ぽつぽつと無関係な人たちのエピソードが入り混じって、実は皆、誰かと誰かがつながっていますという作りは今ではポピュラーというか当たり前に取り入れられている手法。多分、当時は斬新だったと思う。
斬新な割にリンクの仕方がスムーズなのは脚本と編集が上手なのか。とはいえ、蛙降らせてムリやり終わらせるあたりは雑な印象。丁寧に広げた風呂敷を途中で面倒くさくなってぐしゃぐしゃにまるめた感じ。監督が作るのに飽きて、もういいやって投げた感がイラッとする。3時間ぐらい「何かが起きるかもしれない。」と待った割に、意味不明なオチで評価うんぬん以下の作品だと感じる。
演劇向きの脚本のような気もするし、人間関係を把握したらもう少し楽しく見られるのかもしれない。とはいえ、何回も見たいとは思わないし、そこまで頑張って楽しむほどの作品とも思えず。結局、何が何だったのかさっぱり意味不明。
とりあえず、会話に困ったら「蛙が降ってくる」をネタにできるかもしれないというぐらいの収穫でした。
アイ・アム・レジェンド
≪公開時コピー≫地球最後の男に希望はあるのか。
製作国:アメリカ
製作年:2007年
公開年:2007年
【監督】 フランシス・ローレンス
【製作】 アキヴァ・ゴールズマン
ジェームズ・ラシター
デヴィッド・ハイマン
ニール・モリッツ
【出演】 ウィル・スミス (ロバート・ネビル)
アリシー・ブラガ (アナ)
ダッシュ・ミホク (アルファ・メイル)
チャーリー・ターハン (イーサン)
サリー・リチャードソン (ゾーイ・ネビル)
ウィロウ・スミス
ダレル・フォスター
エイプリル・グレイス
ジェームズ・マッコーリー
エマ・トンプソン
【Zero的評価】 0円
【リピート率】 ★
【見所】 シェパードのサム!
【鑑賞本数】 年間:25作目 通算:426作目
【 感 想 】
「バイオ・ハザード」と「28日後…」を足して割ったような印象。世界観は悪くない。大都会に生き残されたロバート・ネビル。相棒はシェパードのサムのみ。孤独に押しつぶされそうな毎日。ルーチンワークをこなさないと気が狂いそうになる様子をウィル・スミスは好演している。荒れ果てた都会で野生化する動物達との生活も中々良く映像化している。ところがどっこい。人間は自分だけしか生存していないのだが、人間のなれのハテはうようよしていて・・・と展開していく毎になんともいえないいやぁな気持ちに。一番ニガテ(ゾンビ系)な作品で、先に言ってくれたら観なかったのに。
いつの時代もはやりとなるテーマがあるけど、バイオテロ系がシャレにならなくて、かなり気持ち悪い。科学が進歩して細菌やウィルスが人のコントロール下にあるというのも気持ち悪い。実際に、バイオテロが行われたとして、真っ先に何が起きているのか把握する間もなく死ぬ自信はあるけど、その可能性のかけらがあると意味もなく怖くなるからやっかいではある。
多分恐らく間違いなく。「バイオ・ハザード」しかり、「28日後・・・」しかり、この手の作品の元ネタは原作の「地球最後の男」なんだろうけど、ワンパターンな展開とオチ。今更改めて作り直す必要があるのかどうか、今二つ三つ疑問がわく。
それはさておき、シェパードのサムがとてつもなく可愛くて健気。犬だけど、いっぱしの俳優ばりの名演。バスタブでネビルと一緒に寝てる姿がドツボ。小さい犬だとこうはいかない。やっぱりシェパードぐらい大きい犬はいい。無邪気に街を走りぬける姿や、ネビルを助け獲物を追い詰めていく姿もいい。ストーリーにからんでいるし、シェパードという物騒な犬種のくせに愛嬌たっぷりふりまいている所も心憎い。相棒でもあるサムの凛々しい姿と、ご主人を見守るかのような、でも、そしらぬ顔をしているあたりも、人ではかもし出せない存在感があってよい。
スズメバチ
≪公開時コピー≫12000発喰らえ。
製作国:フランス
製作年:2002年
公開年:2002年
【監督】 フローラン・エミリオ・シリ
【製作】 クロード・カレール
パトリック・グーユー・ボーシャン
ギョーム・ゴダール
【出演】 ナディア・ファレス (エミーヌ・ラボリ)
リシャール・サムエル (ヴィンフリード)
ヴァレリオ・マスタンドレア (ジョヴァンニ)
ブノワ・マジメル (サンティノ)
サミー・ナセリ (ナセール)
サミ・ブアジラ (セリム)
アニシア・ユゼイマン (ナディア)
マルシアル・オドン (マルシアル)
パスカル・グレゴリー (ルイ)
マルタン・アミック (スピッツ)
アンジェロ・インファンティ (アベディン・ネクセップ)
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 サンティノの変わり様
【鑑賞本数】 年間:24作目 通算:425作目
【 感 想 】
脈絡なく始まり、脈絡なく展開する。誰がいい人で誰が悪いのか区別もつかず皆そこそこ胡散臭い。状況が把握できず、ノンストップでアクション。いい映画か否かは判断できないが、見終わった後に「アクションを観た」という満足感は残る。個人的に求めていたアクション映画の理想的なあり方。フレンチ・アクションはたまに拾いモノがあるから面白い。
全く接点のない三者の視点が交錯するから、慣れるまでは戸惑う。思わせぶりな複線が張られているが、きちんとストーリーに絡んでいるのがうまい。淡々と進むのに、見せ場はドカンと派手に見せてくれる。若干、暗さが気になるが演出効果として役割を果てしているし、何と言うか「オレの映画すごいだろう」めいたやらしさがないのがいい。
サンティノがおどおどして、この人大丈夫か?皆の足引っ張ってへたこくんじゃないのか?と、落ち着かない気持ちで観ていたが、よくよく見たらブノワ・マジメルでフレンチ・アクションにちょいちょいでている人だった。そりゃ、落ち着いたアクションするわと納得したが、全く気がつかなかったほど、雰囲気が違った。役者魂炸裂してる。
男むさい面々で唯一の女性、ナディア・ファレス演じるエミーヌは、男前だけど、女の部分はきっちり持っていて、でも、任務中は男とか女とか関係なく職務を全うする強さがあってかっこいい。
エミーヌは肩に力ばりばり入って気張っているけど、女だから男になんか負けられないという気張り方ではなく、アベディンが許せなくて、緊張する任務だからというのも感じが良かった。
一緒に任務についている相方はエミーヌのことを女性として認識しているのに、女性警官だからチヤホヤするわけでも、逆に厳しくするわけでもなく、腕前を認めていて一緒に仕事するというスタンスが気持ちいい。
スズメバチというタイトルもセンスが良くて、とにもかくにも気持ちのいいアクション映画。スカッとしたい時に見たくなる。
星になった少年 Shining Boy & Little Randy
≪公開時コピー≫僕は、夢に生きる。
製作国:日本
製作年:2005年
公開年:2005年
【監督】 河毛俊作
【製作】 亀山千広
【出演】 柳楽優弥 (小川哲夢)
常盤貴子 (小川佐緒里)
高橋克実 (小川耕介)
蒼井優 (村上絵美)
倍賞美津子 (藤沢朝子)
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★★
【見所】 常盤貴子のかっとんだ母ちゃんっぷり。
【鑑賞本数】 年間:23作目 通算:424作目
【 感 想 】
タイトルしてから泣かせてやる気満々。実話をベースにしていて主人公は故人。
ストーリーは7割方見えていたが、柳楽君に期待をして観たものの、特番ドラマで充分な出来にがっかり。亀山千広製作モノにヒットなしを更新中。
基本的に話をどこに落とすかを決めぬまま、ノリで作ったのではと勘ぐりたくなるぐらいストーリーのつなぎ方がぶつ切りでイラッとした。中途半端にドラマティックに盛り上げて見たり、ドキュメンタリーっぽさを出そうとしてみたり、何がしたいんだと突っ込みたくなる。そもそも二時間尺におさまるわけがない内容をムリにおさめようとしているからダイジェストっぽい部分もあって、それが映画としてだれさせる結果になっていると思う。
もっとそぎ落とすところはばっさりとそぎ落としてしまえばよかったのに。タイのゾウ訓練センターのくだりはチープさが露呈してよっぽどないほうがマシだった。柳楽君の演技力うんぬんではなく、完全に脚本が失敗だ。
母親・佐緒里役の常盤貴子は中々良かった。家族は犠牲になったかもしれないけれど、自分の夢を貫く姿勢はかっこよい。母親としてはどうかと思うけど、黙って旦那の帰りを待って、ぐちぐちしているよりよっぽどマシ。動物バカがすぎるが子供に愛情を押し付けるより好感は持てる。
そんな母親の後姿を見て育ったからこそ哲夢はゾウ使いになろうと決めたのだろうし、言葉が足りなくても、行動が多くを語ることもある。
柳楽君演じる哲夢は何と言うか悪くはなかった。子供ながらに覚悟を決めた腹の据わったところと、憂いがあって、色っぽい。実際の哲夢はどうか知らないけど、ストイックな感じがいい。
実話をベースにしてはいても、虚構は含まれるわけで、ムリに親子の愛を前に出す必要はないように思える。物語ではあるけれど、夢物語ではない。中途半端なリアルさを求めて、中途半端に作ってコケて、主役の失敗のような結果になったのが残念でならない。
ベクシル 2077 日本鎖国
≪公開時コピー≫希望よ、ひらけ。
製作国:日本
製作年:2007年
公開年:2007年
【監督】 曽利文彦
【出演】 黒木メイサ (ベクシル)
谷原章介 (レオン・フェイデン)
松雪泰子 (マリア)
朴路美 (タカシ)
大塚明夫 (サイトウ)
櫻井孝宏 (リョウ)
森川智之 (キサラギ)
柿原徹也 (タロウ)
【Zero的評価】 1800円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 鎖国中の日本の全貌。
【鑑賞本数】 年間:22作目 通算:423作目
【 感 想 】
公開当時、稲垣吾郎が「CGを見せるためだけに作られた映画。CGはすごいけれどストーリーがない。」と酷評をしていて、どれだけ酷い作品なのかと期待せずに見たが、中々どうして悪くはない。
「APPLE SEED」「EX MACHINA -エクスマキナ-」を彷彿とさせられる設定にあれ?と思ったし、ベクシルを主人公に持ってくるあたりにパクリ疑惑が首をもたげるし、ベクトルの方向は同じ方を向いているとは思う。それをさしひいても、日本鎖国という設定、そして、その理由なんかはよくできている。
かつて日本という国が実際に鎖国政策をとっていて、そのおかげで世界においてけぼりを食ったという事実や、開国時の英米主導の体のいい侵略及び第二次世界大戦後の復興力を踏まえた上でバイオ技術・ロボット産業において市場を独占するという設定はありと思わせるものがある。実際のところ、鎖国できるかといったら今の日本ではムリではあるが、可能性はなくはない。
海外から見れば、ハイテク技術を駆使した鎖国を行っている日本が、どれだけ成長しているのかと思いきや、というあたりもセンスがよい。
大和重鋼のような陰謀が実際にまかり通るかは疑問だが、二十世紀少年のようなストーリーができあがるくらい日本人という民族性をうまくつかんではいると思う。サイトウ・キサラギのような人間に、どこかヒットラーのような要素が垣間見えるが、現状の情報過多の時代において、支配化におくのはどこかにムリがある。それよりも純血性やパワーのほうに走るのが方向的にありうるのかもしれない。
クレイジーとは思うが、他者のパワーを自己に取り込むシステムができればそれを手にしたい気持ちはわからなくもない。ただ、そのパワーを手に入れると同時に孤独が選ばなくてもついてくることに思いいたらないあたり子供だなとは思う。
中途半端にマリアの恋愛(レオンとサイトウ)をからめたことで話が混線してしまったのが惜しいが、酷評するほど悪くないし、個人的には好きだ。
ステルス
≪公開時コピー≫極秘任務ヲ遂行セヨ。
製作国:アメリカ
製作年:2005年
公開年:2005年
【監督】 ロブ・コーエン
【製作】 マイク・メダヴォイ
ニール・モリッツ
ローラ・ジスキン
【出演】 ジョシュ・ルーカス (ベン・ギャノン)
ジェシカ・ビール (カーラ・ウェイド)
ジェイミー・フォックス (ヘンリー・パーセル)
サム・シェパード
ジョー・モートン
リチャード・ロクスバーグ
イアン・ブリス
【Zero的評価】 100円
【リピート率】 ★★
【見所】 妙に人間くさいE.D.Iの進化する様
【鑑賞本数】 年間:21作目 通算:422作目
【 感 想 】
はじめのうちは21世紀版「トップガン」の装いで単純に楽しめたが、E.D.Iが姿を現してからビミョーな雰囲気に。兵器の行き着く先は、遠隔操作か無人操作か、次点で人工知能かと思ってみる。しかし、人工知能の行く末は「ターミネーター」か「マトリックス」かなわけであえてわざわざな割にはお粗末な印象がぬぐえない。
さらに、人工知能が偶然の産物的な発祥なのもいただけない。実際、そんなようなものかもしれないが、巷には人工知能があふれ出んばかりだろうと言いたくなる。
ステルス機の形状が好みではないのに、さらに加えてE.D.Iの性格がどうも受け入れがたいという辺りもマイナス。高性能なのかもしれないが、胡散臭くて仕方がない。ストーリー上、そういう設定は確かに話が早くて、てっとり早いんだけど、安直過ぎないかと。
ベン、カーラー、ヘンリーらパイロットの反応も型どおりでつまらなかった。軍隊モノは規律が絡む関係でキャラクターが一辺倒になる傾向は否めない。中途半端にリアルさを求めてやっぱり虚構なんだと冷めた目で見ざるを得ない作品よりツッコミ所満載でも面白くて、かっこいい作品のほうが見ていてマシかもしれない。
現実に女性のパイロットがいるのかどうかは知らないが、カーラが出てきた瞬間はかっこよく見えた。戦闘機を操れる腕力、状況判断など、そういう部分がリアルかはさておき、男に負けずにのしあがってきた匂いも見せつつ、エリートなのよという鼻っ柱の強さもジェシカ・ビールは醸していていい感じには見えた。だけど・・・な展開は正直にがっかり。アクションに、恋愛エッセンスを絡ませるのは、そろそろやめて欲しい。それが加味されることで、チープな作品になって、結局、そこそこの映画にしかならないことぐらいわかっているだろうに。
そこそこ面白いけれど、ラストだけはいただけない。ラストだけ「そんなアホな。」といいたくなるオチで、色々なものをぶち壊している気がしてならない。
トランスポーター2
≪公開時コピー≫依頼品の6歳の少年が、誘拐された。
危険のない、依頼のはずだった…。
製作国:フランス/アメリカ
製作年:2005年
公開年:2006年
【監督】 ルイ・レテリエ
【製作】 リュック・ベッソン
スティーヴ・チャスマン
【出演】 ジェイソン・ステイサム (フランク・マーティン)
アレッサンドロ・ガスマン (ジャンニ)
アンバー・ヴァレッタ (オードリー・ビリングス)
ケイト・ノタ (ローラ)
マシュー・モディーン (ジェファーソン・ビリングス)
ジェイソン・フレミング (ディミトリ)
キース・デヴィッド (ステイプルトン)
ハンター・クラリー (ジャック・ビリングス)
シャノン・ブリッグス (マックス)
フランソワ・ベルレアン (タルコーニ警部)
ジェフ・チェイス
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★★
【見所】 フランクの体さばき。
【鑑賞本数】 年間:20作目 通算:421作目
【 感 想 】
ルール1 リュック・ベッソン製作アクションに整合性は期待するな。
ルール1 細かいことは気にせず、アクション、ミュージック、映像美を楽しむ。
ルール1 二度見は忘れた頃にする。
上記3つを頭に入れて見れば、かなり楽しめるはず。
やりすぎ感は満載だし、そんなアホなとツッコミ所も満載。
でも、ジェイソン・ステイサムの筋肉と体さばきでチャラにしようと思える何かはある。多分に個人の好みの偏りだが。(ベッソン好き、ジェイソン好き)ライトでクールでスタイリッシュなアクションはベッソン・レテリエ組のお得意。さらにジェイソンが配役されれば鉄板。ムダに挑発的な露出度高いお姉さんがいて目の保養になるし、誘拐犯の真の目的がバイオ・テロという娯楽性と社会性のバランス感覚が絶妙。ベッソン監督の頭がよすぎて周りがついていけないがために整合性とれないのではと勘ぐる。
作りものとはいえ、毎度毎度、もてすぎるフランクはどうかと思うが、スーツびしっときてベンツ運転してあの声でルール1とか言ったら、クラっとはくる。実際の所フランクの経歴は謎で多分恐らく軍あがりと察するが、そんなことはどうでもいいと思える何かがある。あれだけ銃の扱いにも、接近戦にもたけている人の経歴が気にならなくもない。ビミョーに前作とつながっていて遊び心ともとれるがストーリー的にはなくてもいい。とはいえ、警部のマイペースぶりに、くすっと笑いがこぼれたのは事実。
できない約束すると男であれ女であれ、かっこ悪いがフランクはいつだって約束を遂行するために全力疾走でかっこいい。機転がきくし、絶対絶命のピンチでも落ち着いて対処する。黒幕の意図を先回りする賢さもあって、こんな男が実際にいたらひくてあまただろうな。
ベッソン映画は主人公のかっこ良さもさることながら、アクションシーンの音楽の使い方が秀逸。アクションのみせ方もかっこいい。
美的センスは最近の映画界では一二を争うと勝手に思っている。
