マルコムX
≪公開時コピー≫この10年間で最高、
かつ最重要といえる作品。
製作国:アメリカ
製作年:1992年
公開年:1993年
【監督】 スパイク・リー
【製作】 マーヴィン・ワース
スパイク・リー
【出演】 デンゼル・ワシントン (マルコム・リトル)
アンジェラ・バセット (ベティ)
アル・フリーマン・Jr (エライジャ・モハメッド)
アルバート・ホール
デルロイ・リンドー (アーチ)
ケイト・ヴァーノン (ソフィア)
テレサ・ランドル
スパイク・リー
ロネット・マッキー
ヴィンセント・ドノフリオ
オシー・デイヴィス
ジャンカルロ・エスポジート
トミー・ホリス
ジェームズ・マクダニエル
デビ・メイザー
ジェームズ・E・ゲインズ
ジョー・セネカ
ラターニャ・リチャードソン
ウェンデル・ピアース
レナード・トーマス
クレイグ・ワッソン
デヴィッド・パトリック・ケリー
ピーター・ボイル
カレン・アレン
クリストファー・プラマー
【Zero的評価】 200円
【リピート率】 ★★
【見所】 マルコムの不屈の精神力
【鑑賞本数】 年間:54作目 通算:160作目
【 感 想 】
えらい映画だ。偉いではなく、すごい、大変とかそういう意味合いのえらい。実在の人だけに生半可な役作りでは演じきれないと思うが、デンゼル・ワシントンは見事に演じきった。
マルコムXがどういう人なのか漠然としか知らなかったから、この映画を観たことは自分にとって意味があった。黒人解放運動の指導者として伝説となったマルコムX。肌の色だけで蔑まれ、差別され不当な扱いを受ける。そんな社会は歪んでいるし、おかしい。そういう状況下で悪の道に走ることは仕方がないとも言えるが、そうすることでしか社会に反発できないのも事実である。
教養がないことが人間をどれだけすさませるか。そんなことを思ってみる。教養を受ける場がなく、知識がなく、言葉を知らず、歴史を知らず、そういう状態で真っ当であれというほうが無理だ。
宗教がどれだけ心の拠り所になるのか無宗教の自分にはわからないが、拠り所になると同時に、宗教によってゆがめられた事実もある。マルコムがブラック・ムスリムの指導者として与えた功績は半端なものではない。黒人解放と言う偉業を成し遂げたのだから、すごいと感心する。ただ、マルコムXの攻撃的な口調の演説はどうかと思った。圧迫されている黒人の怒りを代弁しているのかもしれないが、反発心を覚えた人間は少なからずいるだろう。時代がそうさせたのであろうけれど、穏便な手法で訴えかけていたら違う道があったのではないかと思ってみる。
39歳という若さで命を失ったマルコムX。ブラック・ムスリムの為に全力を尽くしたのにブラック・ムスリムに殺されるという皮肉な運命をたどる。力に対し、言葉という力で戦った結果にしては悲惨である。それにつけても組織と言う集団の愚かさはどうしようもない。争いのない穏やかな日が、私的な感情に流されない日が来ることを願わずにはいられない。ラストに子どもたちが「I'm Malcolme X!」と口にするシーンが、切なかった。
スパイキッズ2
≪公開時コピー≫全世界を熱狂させた。
最強×最小のヒーローが帰ってくる!
製作国:アメリカ
製作年:2002年
公開年:2002年
【監督】 ロバート・ロドリゲス
【製作】 エリザベス・アヴェラン
ロバート・ロドリゲス
【出演】 アントニオ・バンデラス (グレゴリオ・コルテス)
カーラ・グギーノ (イングリッド・コルテス)
アレクサ・ヴェガ (カルメン・コルテス)
ダリル・サバラ (ジュニ・コルテス)
スティーヴ・ブシェミ (ロメロ)
マイク・ジャッジ (ダナゴン・ギグルズ)
ダニー・トレホ (イサドール・マルチェッティ)
チーチ・マリン (フェリックス・ガム)
マシュー・オリアリー (ゲイリー・ギグルズ)
エミリー・オスメント (ガーティ・ギグルズ)
リカルド・モンタルバン (グランパ)
ホランド・テイラー (おばあちゃん)
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★
【見所】 家族愛。かな?
【鑑賞本数】 年間:53作目 通算:159作目
【 感 想 】
スパイ・キッズが痛々しくて観ていられなかった。多分、2も同じだろうと思ってみたら案の定。予想していただけに痛さは少なかったけれど、それでもトホホな一作。
ロバート・ロドリゲスらしいテンポのよさとアホらしさはあって、楽しめはしたけれど薄っぺらさは1に同じ。家族を大切にというテーマと家族であればこそ道をはずしかけたら諌めなければいけないというのはわかるのだが、そこに至るまでがチープでうすっぺらいものに感じた。
カルメンとジュニ姉弟は相変わらず痛々しい。特にジュニ。大統領の娘を助けたり、話さなければダメだと諭したりする姿は成長したと思わないわけではないが、貧乏くじをひく体質はどうにかならないものか。ゲイリーに恋をしているカルメンもどうかと思った。頭の中いっぱいゲイリーというのも、心理はわかるが・・・。年頃というのもわかるけれど、あえて、スパイ・キッズに恋ネタからませる必要があるのかと思わずにいられなかった。
随所にちりばめられたスパイダーマン、パイレーツ・オブ・カリビアン、ジュマンジとかのパロディが微妙。遊び心ととるか、ネタ切れととるか・・・。
大人の陰謀に子どもを使う設定的にうけつけなかったのかもしれない。OSS次期局長という立場を巡ってコルテス父とギグルス父が争う。その立場を得るのにコルテス姉弟とギグルス兄妹の活躍がかかっている。大人は大人。子どもは子どもで切り分けて欲しいと思った。血のつながりはあっても所詮は他人だから、スパイ・キッズ観て親のために頑張る子が増えたらイヤだ。家族は運命共同体ではないから、そこは切り離して欲しかった。
コルテス一家の家族の絆はすごいとは思う。親を思う子供の行動と、それを見越したグランパの行動と、目に見えない絆はあるのかもしれないと思った。見え見えで作られた感は十二分に漂っていた。ライトで面白いが、全体的な痛々しさに一回で充分。おなかいっぱい映画に決定。
ツインズ・エフェクト
≪公開時コピー≫ふたつの愛、
ふたりの血戦
製作国:香港
製作年:2003年
公開年:2003年
【監督】 ダンテ・ラム
【出演】 ジリアン・チュン (見習いスレイヤー・ジプシー)
シャーリーン・チョイ (リーヴの実妹・ヘレン)
イーキン・チェン (始末人・リーヴ)
ジョシー・ホー (リーヴのパートナー・リリア)
アンソニー・ウォン (カザフの執事・プラダ)
ミッキー・ハート (デコテス公爵)
エディソン・チャン (プリンス・カザフ)
ジャッキー・チェン (救急隊員・ジャッキー)
カレン・モク (アイヴィ)
【Zero的評価】 320円
【リピート率】 ★★★★
【見所】 ライトな作り。
【鑑賞本数】 年間:52作目 通算:158作目
【 感 想 】
香港版「ブレイド」だと聞いていたが、本当だというのが素直な感想。香港らしく味付けし直しているがコンセプトは同じだった。失笑がこみあげてはくるけれど、ブレイドよりライトで、ポップで、観易かった。
ヴァンパイア・ハンターのリーヴ。強いか弱いかよくわからない。とりあえずナルシストでロマンティストではある。パートナー・リリアを亡くしてから、パートナーを愛することはやめようと誓う陳腐な男。見習いスレイヤー、ジプシーに振り回されながらもヴァンパイア退治に勤める。根は真面目。優柔不断のくせに頑固。ジプシーと恋に落ちるあたりはありきたりだが、ラストは切ないシーンもある。
リーヴの妹ヘレンが女の子、女の子していてかわいい。我儘で男をふりまわすその振り回しぶりと思い込みの激しさと暴走振りが面白かった。お兄ちゃんを取られたと思った時と、自分のテリトリーを侵害された時のヒステリック加減はいきすぎとは思えたがどこか憎めない。身勝手だけど打算がなくて、純粋に愛したがり屋で、愛されたがり屋。たとえ好きになった男が兄の商売敵、ヴァンパイアであっても、そこで身をひいたり、兄に売ったりするような卑劣なこともしない、ピュアな子だと思った。
ヘレンの恋人。カザフ王子は王子らしい育ちのよさを発揮して甘いなとも思うが、快楽のためにとか、じかに人間から血を吸わないとか、ヴァンパイアらしくない行動を取る。王族ゆえのプライドなのか、ヴァンパイアと人との共存を思って、今までの悪いイメージを払拭しようとしているのか・・・。どちらとも取れる。
勧善懲悪ではなく、その上セオリー通りでもない展開が新鮮だった。国民性が違うだけに根本的に人物描写もことなり、これが香港流かと思ってみる。娯楽性は高いので気楽に見られる。
ジャッキー・チェンが友情出演の割には出ずっぱりで、リーヴより活躍しているし、全然友情出演ではないと思ったのはここだけの話。
APPLESEED
≪公開時コピー≫戦いが終わったら、
母になりたい。
製作国:日本
製作年:2004年
公開年:2004年
【監督】 荒牧伸志
【出演】 小林愛 (デュナン・ナッツ)
小杉十郎太 (ブリアレオス)
松岡由貴 (ヒトミ)
森本智之 (義経)
小山芙美 (アテナ)
山田美穂 (ニケ)
藤本譲 (ウラノス将軍)
子安武人 (ハデス)
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★★
【見所】 音楽とオリュンポスという都市デザイン
【鑑賞本数】 年間:51作目 通算:157作目
【 感 想 】
デュナンの存在価値=戦うことだけ。そう勝手に思い込んでいる。だから、オリュンポスに連れられ、清潔なベッドを与えられても眠れず、床の上で毛布にくるまって眠っている。女なのにそういう生き方しかできない不器用さが切なくもあり、かっこよくもある。
見た目の平和さとは裏腹にヒトと、ヒト社会の安定のために生み出された新しいバイオロイドとの間に争いはあり、どちらも己の存亡のために水面下で何かが動いている。長く闘いの場に身をおいてきたデュナンはそのきな臭さをかぎつけてしまう。人間の身勝手さはどうしようもなくあきれる。だけど、不安に思うのが人間で、争わずにいられないのも人間。人間の基本仕様なのかもしれない。
人類の存亡。その鍵を握るデュナンにターミネーターのサラ・コナーの姿にだぶった。この手のストーリーにはヒロインがはまる。それは母なる存在だから。産みの苦しみだから。APPLESEED。禁断の果実リンゴ。それを口にしたのはイブだから。そんなことを思ってみる。
デュナンがじいちゃんにむかって言った「例えそこが楽園でなくても、私たちは生き抜いてみせる。自分たちの未来は自分たちでつかんでみせる」というセリフが心に残った。年寄りは知恵と経験から用心深い結論をだそうとする。それに対し、デュナンは上のセリフを叫ぶのだが・・・。子供たちの為に道路を整備してあげる心配りはありがたいのだが、道路整備とレールを敷くのと紙一重だと思ってみる。
じいちゃんたちの出した結論は決して間違ってはいないが、可能性・希望のかけらもなく、ただ、守ることしか考えていない。守るべきものは自分の身か、未来の子どもたちか・・・。変化を厭うのは老人の特性だが、そこに執着してしまうのはどうかと思う。だから、デュナンのセリフはよく言った!と思える。ヒトはどうしようもない動物だが、信じる気持ちと希望を持ち続けるタフな心を捨ててはいけないと思った。
13F
≪公開時コピー≫この世はリアルな偽物。
そのフロアには-人間最大の秘密-が存在する。
製作国:アメリカ
製作年:1999年
公開年:2000年
【監督】 ジョセフ・ラスナック
【製作】 ローランド・エメリッヒ
ウテ・エメリッヒ
マルコ・ウェバー
【出演】 クレイグ・ビアーコ (ホール・ファーガーソン)
グレッチェン・モル (ナターシャ・ジェイン)
ヴィンセント・ドノフリオ (ホイットニー・アシュトン)
アーミン・ミューラー=スタール (フラー・グリアソン)
デニス・ヘイスバート (マクベイン刑事)
スティーヴ・シュブ
ジェレミー・ロバーツ
リフ・ハットン
レオン・リッピー
【Zero的評価】 320円
【リピート率】 ★★★★
【見所】 制作年から考えるこのストーリーのすごさ。
【鑑賞本数】 年間:50作目 通算:156作目
【 感 想 】
バーチャル(仮想現実)とリアル(現実)の区別がつかなくなったら・・・。パソコンの技術が向上し、今、現在、目に見える世界とほぼ同じような映像が作れるようになった。ゲームや映画の世界ではその技術を駆使するのが当たり前になっている。だから、「13F」のようにパソコンの中に一つの街を復元することができるようになる時代がくるかもしれない。だけど、そういう仮想現実は必要なのだろうかと思わずにいられない。
パソコンの中の1937年。古きよき時代のロスがあり、自分と同じ姿形をした別人格が存在している。主人公ホールの上司フラーが何者かに殺される所からストーリーは始まる。フラーは仮想現実の中を行き来していた。それが何を意味するのか。
仮想現実は映画映えする題材。その分、ストーリーに独自性はかけるものの無難にはまとまっている。製作が1999年だが古さを感じさせない。5年前にこの映画を作るということは割とセンセーショナルだったと思われる。キャストに華はないけれど、スターではないからこその堅実さを感じた。
時代が便利になればなるほど、古きよき時代に戻りたくなるのかもしれない。1937年のロスがどんな場所なのかは知らないが、21世紀を生きる人間にもどこかほっとする雰囲気はあった。高層ビルの摩天楼都市も美しいが、所詮は見栄と虚栄の固まりでしかない。流線型の美しいフォルムのスポーツカーもいいけれど、無骨なオールディーカーに心ひかれる自分は何気に懐古趣味らしい。
サスペンス色の濃い話で謎の解き具合も無理なく、無駄なく、スムーズに進む。B級っぽいのにきっちりしていて好感がもてる。骨組みがしっかりしているから、謎が徐々に解けていくと「なるほど。」とうなってしまう。複線を見逃さなければ、「やられた!」と心底思える。脚本のセンスがいいと感心した。SFサスペンスでこれだけ整合性のとれている作品は中々見ないかもしれない。
シンドラーのリスト
≪公開時コピー≫一つの生命を救う者が世界を救える
製作国:アメリカ
製作年:1993年
公開年:1994年
【監督】 スティーヴン・スピルバーグ
【製作】 スティーヴン・スピルバーグ
ジェラルド・R・モーレン
ブランコ・ラスティグ
【出演】 リーアム・ニーソン (オスカー・シンドラー)
ベン・キングズレー (イツァーク・シュテルン)
レイフ・ファインズ (アーモン・ゲート少尉)
キャロライン・グッドオール (エミーリェ)
ジョナサン・サガール
エンベス・デイヴィッツ (ヘレン)
マルゴーシュ・ガベル
シュムリク・レヴィ
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★
【見所】 シンドラーの心境の変化
【鑑賞本数】 年間:48作目 通算:154作目
【 感 想 】
戦争映画は苦手だ。特に史実に基づいた映画は苦手だ。どこの国が作ったものでも、最終的には正当化しようとしたり、悲惨さを前面に押し出したり、作られた感動を与えようとしたり、しているように感じてしまう。
それでも「シンドラーのリスト」は以前からみたいと思っていた。正直、しんどい映画だったけれど、観てよかったと素直に思えた。戦争は許せないし、戦争はしてはいけないと当たり前なことを思った。同じ人間なのにユダヤ人だからという理由で迫害し、殺したことは他人事ながら許し難い行為で、卑怯で卑劣だと思う。
映画という作り物の世界と現実おきたことに多少の食い違いはあっても、そう遠くはないだろう。ユダヤ人を殺した親衛隊は何を思って殺したのか、そして、戦争が終わって何を思って生きているのだろう。
疑問に思ったのはオスカー・シンドラーが1,200人のユダヤ人を救おうとしたのは何故なのか。シンドラーと会計士シュテルンとの間に友情が芽生えたから。この戦争の無意味さやユダヤ人を殺すことの意味のなさを思ったから。単純に目の前で人が殺されていくことが我慢ならなかったのか。その真意はどこにあるのだろう。
印象に残っているシーンが2つある。親衛隊がユダヤ人を追い立て、虐殺していく中、赤いコートを着た幼い少女が逃げ隠れる。スピルバーグ監督はこの少女にどんなメッセージを託したかったのだろう。そして、何を象徴しているのだろう。
それからラスト手前。ドイツが降伏し、戦犯であるシンドラーが身を隠すため立ち去ろうとするシーン。「この車を売ればあと○人救えた。」そうシュテルンはじめユダヤ人にむかって言いながら泣き崩れるシーン。救えたはずなのに、自分の財を投げ打ってでも助けるべきだったと訴えるシンドラー。充分できる限りのことはした。もういいんです。そんな言葉をかけて許して、感謝して、それができるだけの余裕があればよかったのにと、そう思った。
CASSHERN
≪公開時コピー≫この地に生まれた、
愛する人々に捧ぐ。
製作国:日本
製作年:2004年
公開年:2004年
【監督】 紀里谷和明
【出演】 伊勢谷友介 (東鉄也/キャシャーン)
麻生久美子 (上月ルナ)
寺尾聰 (東博士)
樋口可南子 (東ミドリ)
小日向文世 (上月博士)
宮迫博之 (アクボーン)
佐田真由美 (サグレー)
要潤 (バラシン)
西島秀俊 (上条中佐)
及川光博 (内藤薫)
寺島進 (坂本)
大滝秀治 (上条将軍)
三橋達也 (老医師)
唐沢寿明 (ブライ)
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★
【見所】 内藤薫は目が離せません。
【鑑賞本数】 年間:48作目 通算:154作目
【 感 想 】
さほど期待はせずに観たが、好みではある。劇場の大スクリーンと整った音響設備で観たかった。ミュージックビデオ界では高い評価を受けている紀里谷和明監督だけあって表現力はあるし、見せ方はうまいし、音楽の選択もセンスが光る。映像は見応えがある。ストーリーはメッセージ性も強いし好みが分かれそうだ。
鉄也は父親に対する反発心やプライドから戦争に行く。そして、実際に戦場で見たこと、やったことは忘れてしまいたいことで、戦死したのに生き返ってしまった。生かされてしまって、ドロドロと考える姿が青臭いと思わないでもない。ただ、鉄也が思うこと、口にすることは、平和な世界で安穏と生きる私達に考えろと訴えている気がしてならない。人の命を奪うこと、生きること、それが何なのかしっかりと考えなければいけないように思えた。
ミドリが新造人間に「死んではいけません」と言う。それは一人息子鉄也を失ったから、そして、自分の死が間近に迫っているからこそ、生きることの大切さを訴えようとしているのだろう。世の中が便利になって、それとともに人間関係が希薄になり、自分の存在価値があやふやになり、生きることの希望が失われ、命の重さが軽くなったこの世でどれだけの人が「生きる」ことに喜びを感じているのだろう。
新生命体新造人間の親玉ブライの憎しみは痛い。勝手な人間のせいで全てを失い、この世に甦ってしまった理由もわからず、憎しみだけがつのる。憎まずにいられない気持ちが痛い。
東博士の願いは純粋だけに、行為が残酷なものに移る。妻を生かしたい。それだけの思いで実験を繰り返し、新造人間ができあがってしまう。ブライに妻を奪われ、壊れていく姿が哀れではあるが、因果応報という気もしないではない。
東博士の妻に生きて欲しいという思い、内藤の権力を握ってやると言う野心。上条中佐の父を疎ましく思う気持ち。どれも純粋な気持ちで強いから、やるせなさが残った。
スパイキッズ
≪公開時コピー≫非常事態発生!
この二人がやるしかない
製作国:アメリカ
製作年:2001年
公開年:2001年
【監督】 ロバート・ロドリゲス
【製作】 エリザベス・アヴェラン
ロバート・ロドリゲス
【出演】 アントニオ・バンデラス (グレゴリオ・コルテス)
カーラ・グギーノ (イングリッド・コルテス)
アレクサ・ヴェガ (カルメン・コルテス)
ダリル・サバラ (ジュニ・コルテス)
アラン・カミング (フェーガン・フループ)
テリー・ハッチャー (ミセス・グラデンコ)
トニー・シャルーブ (アレクサンダー・ミニオン)
ダニー・トレホ (イサドール・マチェッティ)
ロバート・パトリック (ミスター・リスプ)
チーチ・マリン (フェリックス・ガム)
ジョージ・クルーニー (デブリン)
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★
【見所】 スパイ・キッズなところ。
【鑑賞本数】 年間:47作目 通算:153作目
【 感 想 】
テンポのよさとシニカルな感じはロドリゲスらしい作品。その割にイマイチ。数々のスパイグッズには確かによだれ流さんばかりに心もひかれたけれど、それだけ。ライトなアクション映画ではあるけれど、金がかかっている割にはチープだなという印象。
情けない父親を演じているのが実は凄腕元スパイ・グレゴリオ。凄腕らしい割にはただのずっこけスパイなのが何だかな。アントニオ・バンデラスは個人的に嫌いではないし、アホっぽい所も割と好きなのだが・・・。尻にしかれている情けないぶりがうけつけないというわけでもなし、決まらない所もうけつけないわけでもないのだが…不明だ。
子どもたち、カルメンとジュニが精一杯頑張っているのはわかるのだが、痛々しくて観ていられなかったのが最大の原因なのかもしれない。多分、等身大の子どもをみせたかったというロドリゲス監督の思惑はどんぴしゃりと思われる。
いじめに悩んだり、できのいい姉にかすんで自分のダメさにイラついたりしているジュニは、本当に身近な存在でだからこそスパイとして活躍する様は爽快なのかも知れない。だけど、傍目に観てうじうじしている姿にイライラさせられるし、スパイグッズ手にしてはりきる姿は現金すぎて頭どつきたくなるし、そして、ジュニ演じるダリル・サバラが頑張っているのがムリしているように見えて痛々しかった。子役が頑張れば頑張るほど痛々しく見えるのは何故だろう。
どうも痛々しい子どもを観ていていられないのは多分、自分の子ども時代が負けず劣らず痛々しいからで、間違いなく同属嫌悪だろう。でも、それを抜きにしてもうすっぺらいチープな感じは充分にあったと思われる。所詮、映画なんて作りモノの世界だから何でもありだし、見るからに作り物の世界リアルさがなくてもいいのだが、言いようのないトホホ感はどこにぶつければいいのだ。家族を大切にというメッセージはありなのだがやるせなさが残る一作でした。
ファインディング・ニモ
≪公開時コピー≫「誰かニモを知りませんか?」
製作国:アメリカ
製作年:2003年
公開年:2003年
【監督】 アンドリュー・スタントン
リー・アンクリッチ
【製作】 グレアム・ウォルターズ
【出演】 アルバート・ブルックス (マーリン)
エレン・デジュネレス (ドリー)
アレクサンダー・グールド (ニモ)
ウィレム・デフォー (ギル)
ブラッド・ギャレット (ブロート)
アリソン・ジャネイ (ピーチ)
オースティン・ペンドルトン (ガーグル)
スティーヴン・ルート (バブルス)
ヴィッキー・ルイス (デブ/フロー)
ジョー・ランフト (ジャック)
ジェフリー・ラッシュ (ナイジェル)
アンドリュー・スタントン (クラッシュ)
ニコラス・バード (スクワート)
バリー・ハンフリーズ (ブルース)
エリック・バナ (アンカー)
ブルース・スペンス (チャム)
ボブ・ピーターソン (エイ先生)
エリザベス・パーキンス (コーラル / ニモの母)
エリカ・ベック (パール)
【Zero的評価】 200円
【リピート率】 ★★
【見所】 映像の美しさ
【鑑賞本数】 年間:46作目 通算:152作目
【 感 想 】
安っぽい家族ドラマ。観終わった後に出た言葉だ。人間にさらわれた我が子を探す父親の冒険を描いたファンタジーストーリー。だけど、大人の都合だけで描かれたストーリー。アイス・エイジ辺りのアメリカ製作のアニメはどうも好きになれない理由は、現実の動物界の掟を全く無視した擬人化にあったりする。勝手に人格を与えて感動的なストーリーを展開する。そこには、人種のるつぼ多民族国家ゆえの人種を超えた友情という大儀と絶対的な悪はないというすりこみが大前提にあるのかとかんぐりたくなる。
日本人にはない発想なのかもしれないけれど、あまりにも自然界とかけはなれた世界に違和感を覚える。これを見た子どもたちに食物連鎖を教えても理解しづらいだろう…。そもそも魚界に親子の概念はないだろうと正論を吐いても「そこはほら。作り物の世界だから。」で流されてしまうのは目に見えているだけに、大人の都合で作られたこの手のアニメは好きになれない。
ただ、映像はさすがにすごかった。海の中の映像はリアリティがあって、本物のように見えた。それから現実味はないけれど、魚達のキャラ設定はうまいとも思った。熱帯魚に詳しくはないけれど、大海を悠々と泳ぐエイは学校の先生であったり、肉断ちするサメとかユーモアはある。
小心者で生真面目なニモの父マリーンと旅の友となるドリーとのやりとりも面白かった。ニモと水槽の魚たちのやりとりも笑いとユーモアがあった。そこはやっぱりエンターテイメント大国だなと素直に思えた。
ニモを大切にする思いが高じて過保護になるマリーンはドリーと旅することで変わっていく。マリーン自身、自信をもてなくて、ニモを信じてあげることができなかったのかと思ってみる。子どもを過保護にするあまり可能性の目をつんでしまう親への皮肉をこめているのかとも思ってみる。
チープな家族ドラマではあるが、丁寧に作りこんでいるのは認める。ただ、好きにはなれないが…。
28日後...
≪公開時コピー≫わずかな未来は始まっている
製作国:イギリス/アメリカ/オランダ
製作年:2002年
公開年:2003年
【監督】 ダニー・ボイル
【製作】 アンドリュー・マクドナルド
【出演】 キリアン・マーフィ (ジム)
ナオミ・ハリス (セリーナ)
クリストファー・エクルストン (ヘンリー少佐)
ミーガン・バーンズ (ハナ)
ブレンダン・グリーソン (フランク)
レオ・ビル (ジョーンズ)
リッチ・ハーネット (ミッチェル伍長)
スチュワート・マッカリー (ファレル軍曹)
ノア・ハントレー (マーク)
【Zero的評価】 320円
【リピート率】 ★★★
【見所】 無人のスーパー・マーケットを疾走。
【鑑賞本数】 年間:45作目 通算:151作目
【 感 想 】
どうもよくわからん…と思いながら観初めて、なんだかよくわからなかったで観終わった久々の難解映画だった。○日後という表示がでるから、時間狂う系?とも思ったのだが、違うし、監督の思惑が感覚狂わせるのであればしっかりのせられた。
事故で昏睡状態だったジムが目覚めるとベッドの上。そこが病院だと気がつくが様子がおかしい。人を探して町をさまよい歩くが、そこは廃墟だった。教会に行くが、狂気に襲われた人に追いかけられ逃げる。そこにマスクで防備した二人組みに助けられて事情を教えられる。
ここまでで思ったことが廃墟になるほど放置され、眠っていた人間がそんなに走り回れるものか?現実に起きていることが受け入れられずに公衆電話の受話器を片っ端から上げてみる行動とか、自販機でペプシを買って飲み干した缶をビニール袋に入れて病院着のまま、町をうろつく姿とかが、すごく人間的にとりそうな行動でリアリティがあっただけに少し興醒めした。
廃墟となった元は血液を媒介とする得体の知れないウィルス。数秒で精神を破壊し、狂人となる。ゆえに感染したらすぐに殺さないといけない。そんな現実を受け入れ、狂っていない人間を捜し歩いているセリーナ。例え、一時、心を許した人間であっても、感染したら迷わず殺す。ジムはそんな現実を躊躇する。女のほうが適応能力高いのか?セリーナの性格…か。
ジムとセリーナがフランクとハンナという仲間を見つけ、ラジオから流れてくる情報を頼りに旅発つ。途中スーパーに立ち寄り、買い物をするシーンがあるが、野菜や果物はほとんどくさっているのにリンゴだけが赤々としていてフランクが「防腐剤か」と口にするシーンが印象的。皆活き活きと買い物篭に好きなものを入れていく。そこだけ見ると仲のいい家族にしか見えないのに現実の残酷さが際立っている。なんだかよくわからないだけに、人のエゴが生々しくて、人間は怖いと思ってしまった。
