ル・ブレ
≪公開時コピー≫つかめ1,500万ユーロ!
地の果てまで追いかけろ!!
製作国:フランス
製作年:2002年
公開年:2002年
【監督】 アラン・ベルベリアン
フレデリック・フォレスティア
【出演】 ジェラール・ランヴァン (モルテス)
ブノワ・ポールヴールド (フランシス・レジオ)
ジョゼ・ガルシア (トルコ)
ロッシ・デ・パルマ (ポーリーヌ)
ジャイモン・フンスー (黒人警官ユッスール)
ゲイリー・ティップレディ (メグ)
ジェラール・ダルモン (コワルスキー)
ジャン・ベンギーギ (サッダム)
ストーミー・バグジー
マルコ・プリンス
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★
【見所】 駆け抜けるパリの街並み
【鑑賞本数】 年間:79作目 通算:240作目
【 感 想 】
カーアクション映画だと思って手にとった「ル・ブレ」。蓋をあけたらコメディだった。コメディ映画としてみれば面白いのだろうが、カーアクションを楽しみに見たのでがっかりした。パリ市内で繰り広げられる車VSバイク。それと、パリ・ダカールラリーしかない。それが物足りなかった。
映像はさすがのフランス映画。スタイリッシュでスマート。色のコントラストがすごく綺麗で、現実味のない作りモノめいた所がある。色の使い方はフランス人らしい感性だと心底思う。アメリカ人にも日本人にマネはし難い。
主人公のモルテス、看守のレジオ、モルテスに弟を殺され復讐に燃えるトルコ。モルテスをしつこく追いまわす警官ユッスール。この4人を主に追いつ追われつ、ストーリーが展開していく。アメリカ映画を好んでみるせいなのか、フランス人の感性が独特なのか、登場人物の性格が個性的だった。
お調子者で、小心者のレジオ。余計なことを口にするが為に必要以上にトラブルを巻き起こす。本人は全く自覚がない。そして、そのトラブルの尻拭いをするのがモルテス。モルテスは好みのストライクゾーンにかなり近かった。想像するにマフィアの頭だったのだろう。ドジを踏んで刑務所に入っている。おとなしく刑期を全うしようとする真面目さがあると共に頭の良さと腕っぷしが強い男。モルテスはいたってシリアスなのに、レジオが茶々いれて混ぜ返すようにも見える。トルコは全くよくわからない男。頭には決してなれない直情型。理解を超える狂った男で、破壊的。なぜこういう男が野放しになっているのか理解に苦しむ。
ドタバタ加減は「ブルースブラザーズ」を彷彿とさせるが、バイオレンス系で見ていて疲れる。笑いのセンスは独特で粘着質な展開に正直、食傷気味。ただ、会話や展開の仕方、全体的にセンスがよくてオシャレ感が漂っている。カーアクションとしてはつまらないが、コメディとしては面白いかもしれない作品。
アポロ13
≪公開時コピー≫“ヒューストン…
トラブル発生”
製作国:アメリカ
製作年:1995年
公開年:1995年
【監督】 ロン・ハワード
【製作】 ブライアン・グレイザー
【出演】 トム・ハンクス (ジム)
ケヴィン・ベーコン (ジャック)
ゲイリー・シニーズ (ケン)
ビル・パクストン (フレッド)
エド・ハリス (ジーン)
キャスリーン・クインラン (マリリン)
ローレン・ディーン
クリント・ハワード
トム・ウッド
メアリー・ケイト・シェルハート
エミリー・アン・ロイド
ミコ・ヒューズ
マックス・エリオット・スレイド
ジーン・スピーグル・ハワード
トレイシー・ライナー
デヴィッド・アンドリュース
ミシェル・リトル
クリス・エリス
ジョー・スパーノ
ザンダー・バークレイ
マーク・マクルーア
ベン・マーレイ
グーギー・グレス
ブレット・カレン
ロジャー・コーマン
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 地球の青さ
【鑑賞本数】 年間:78作目 通算:239作目
【 感 想 】
「アポロ13」はお気に入りの一つ。何度も見ている映画。久々に見て、人の思いが苦しくなるほど切ない映画だと思った。
月を歩きたいが、歩けなかったジム。宇宙に行きたいが、行けなかったケン。宇宙に行けたが、ケンの代わりで釈然としないジャック。ジャックを信用しきれないフレッド。宇宙になど行ってほしくないマリリン。何が何でも地球に帰らせたいジーン。どれもこれも真っ当な思いだから、それを思うと苦しくなる。
特にケンは風疹の恐れがあるからとクルーをはずされ、ヤケ酒、ふて寝している所をたたき起こされ、アポロ13を無事、地球に戻すために不眠不休でテストを繰り返す。ジムに対するもやもやした気持ちがあるにも関わらず、必死な姿がかっこいい。NASAの職員に「少しは眠ったら」と声をかけられても「(3人は)寝ていないから」とテストを続ける姿にプロ根性を感じた。
宇宙という真の闇で、唯一、地球とを結ぶライフラインは無線だけ。ロクに身動きもとれない状態で、死に怯えながらも生きる希望を抱き続ける。あきらめずに頑張ったと思う。それはNASAスタッフの頑張りもあるが、機長としての責任とプライドをもって二人を励まし続けたジムの存在が大きいだろう。問題が起きてもパニックにならず、冷静に対処するジムを見て、こういう人となりだから宇宙飛行士になれるのだと感心する。月を歩きたい。夢があったからだとしても、強い人だとしみじみと思う。
出番、セリフともに少なかったが、存在感があったのはNASA責任者ジーンを演じたエド・ハリス。「誰も死なせはしない。」地上スタッフは何十人とおり、それぞれの立場から意見を言う。それを「生きて帰ってこさせる事を第一優先」とし、その場をまとめてしまう手腕はかっこいい。
地上スタッフもシャトル・クルーも皆すごく必死で精一杯で、人を思いやる気持ちが涙腺を刺激される。そして、何よりも地球の青さに涙があふれる。
セイブ・ザ・ラストダンス
≪公開時コピー≫少女は見知らぬ街で“恋”を知った。
製作国:アメリカ
製作年:2001年
公開年:2001年
【監督】 トーマス・カーター
【製作】 ロバート・W・コート
デヴィッド・マッデン
【出演】 ジュリア・スタイルズ (サラ)
ショーン・パトリック・トーマス (デレク)
ケリー・ワシントン (シェニール)
フレドロ・スター (マラカイ)
テリー・キニー (ロイ)
ビアンカ・ローソン (ニッキー)
ヴィンス・グリーン
【Zero的評価】 320円
【リピート率】 ★★★★
【見所】 マジョリティがマイノリティになる瞬間
【鑑賞本数】 年間:77作目 通算:238作目
【 感 想 】
自分の夢のせいで母を失ったサラが夢を取り戻す話。貧富や人種、様々な要素が盛り込まれており中身が濃い。あえて主張せずに話の複線にとどめている脚本のセンスはよい。
主人公のサラはバレリーナ希望の白人の女の子。だけど、夢が原因で母を交通事故で失い、離婚していた父の元へ引き取られる。新しく生活をはじめたシカゴは、黒人が多く転校先の学校では戸惑うことばかりだが、友人もでき、学校生活にも慣れ、恋人もできる。日に日になじんできたようにも思えるが決してそうではなかった。
白人のサラはどんなに黒人風のしゃべり方をしても、ヒップホップで黒人のように踊っても、やっぱり白人でしかない。当たり前なことだけど、その事実が苦しい気持ちにさせられる。
友人の弟でありサラの彼氏でもあるデレクは頭もよく、スマートな少年。順調なような恋だが、デレクと友人マラカイはサラが原因で仲たがいをし、元彼女のニッキーはちょっかいをかけてくる。それは個人の問題だが、肌の色にも関係している。シェニールが勢いで言ってしまった「サラとデレクがつきあうことで、傷ついている黒人の女がいる。サラとデレクの問題じゃなくて、白人と黒人の問題だ。」というセリフが重い。
サラは肌の色や、ルーツを問題にしたことはないのに、シェニールは違う。白人のサラが白人であるが為に区別されてしまう。人間のどうしようもなさがやるせない。
黒人社会、貧困等、問題は色々あるが、それをあえて淡々と描き、肌の色が問題ではなく、肌の色を問題にする人の心が問題で、皆、何かから抜け出したくてもがいているのだと思った。
バレリーナになる夢を一度はあきらめたサラが、デレクに背中を押され夢を取り戻していく姿にフラッシュダンスがかぶるが、もっと現実的である。デレクと別れ、一人でも頑張るサラが「愛して欲しい」と父に訴える姿に涙が出る。人は一人では生きていけない。そんなありきたりなことを思ってみる。
シーズ・オール・ザット
≪公開時コピー≫女の子は誰でもきれいになる
―――ってほんと?
製作国:アメリカ
製作年:1999年
公開年:2000年
【監督】 ロバート・イスコヴ
【製作】 ピーター・エイブラムス
ロバート・L・レヴィ
リチャード・N・グラッドスタイン
【出演】 フレディ・プリンゼ・Jr (ザック・シラー)
レイチェル・リー・クック (レイニー・ボグス)
ケヴィン・ポラック (ウエイン・ボグス)
マシュー・リラード (ブロック・ハドスン)
アンナ・パキン (マッケンジー・シラー)
キーラン・カルキン (サイモン・ボグス)
クレア・デュヴァル
エルデン・ヘンソン (ジェシー・ジャクソン)
ポール・ウォーカー (ディーン・サンプソン)
ジョディ・リン・オキーフ (テイラー・ボーガン)
アッシャー・レイモンド (キャンパスDJ)
【Zero的評価】 200円
【リピート率】 ★★★
【見所】 レイニーの変身。
【鑑賞本数】 年間:76作目 通算:237作目
【 感 想 】
よくある学園青春コメディ。こういう映画が好きな自分を青いと思うが、元気の源ではある。漠然と大人になったら悩まないと思っていたが、高校生ぐらいの時から同じ事をずっと悩んでいる。だから、青春映画を見ると、若いからこその無謀さがまぶしかったり、まっすぐ突き進む姿に勇気をもらったりするのかもしれない。
「シーズ・オール・ザット」はよくある学園青春ラブコメディ。学園一イケている男の子ザックは学園一ダサい女の子レイニーをプロム・クィーンに仕立てられるかという賭けを企む。ロクでもないと思うが、こういう賭けは学生だからできる遊びだ。ザックの元彼女テイラーや悪友達が混ぜ返して、一筋縄にいかないのもありきたりだが、それがテンポよく、面白おかしく展開もさせている。
ザックがダサいレイニーを変えていく。手始めに妹にメイクさせ、ドレスアップさせる。これが予想以上に可愛く、美しくなってしまいドギマギしているザックがおかしい。
このドレスアップをきっかけにレイニーは変わっていく。それまで、自分の殻に閉じこもり、理論や理屈で武装してマイペースに生きてきた。絵を描くことが好きで、進路希望は美大。だけど、成績は今ヒトツ。先生の評価も低い。クラスメイトにイジめられ、それでもめげずに絵を描き続ける強さ、しぶとさはどこからくるのだろう。
ザックに連れられてパーティーに行ってから人々の注目を浴びる。ザックと話をすようになり、自分に向き合うようになる。それまで、テレビで見た紛争や環境破壊やそういう世間一般に目を向けて、逃げていた現実に目をむける。
傷つくのが嫌で、傷つけられるのが怖くて、殻に閉じこもっていたレイニーが外は明るくて楽しいこともあると知り始める。目をつぶっていたり、部屋に閉じこもってばかりでは、見えるものに見えないことに気がつけてよかったと思う。
挿入歌の「KissMe」が青春らしい軽い甘い雰囲気に一役買っている。
スタンド・バイ・ミー
≪公開時コピー≫12才の夏、
誰も大人になんかなりたくなかった…。
製作国:アメリカ
製作年:1986年
公開年:1987年
【監督】 ロブ・ライナー
【製作】 アンドリュー・シェインマン
【出演】 ウィル・ウィートン (ゴーディ)
リヴァー・フェニックス (クリス)
コリー・フェルドマン (テディ)
ジェリー・オコンネル (バーン)
キーファー・サザーランド (エース)
ジョン・キューザック (デニー)
リチャード・ドレイファス
フランシス・リー・マッケイン
【Zero的評価】 1800円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 4人の少年の個性。
【鑑賞本数】 年間:75作目 通算:236作目
【 感 想 】
一度目に見た時が約7年前。「スタンド・バイ・ミー」は不朽の名作だと実感した。どこをどうとっても良くできていて、これを超える少年映画はないと勝手に思った。
12歳の夏、死体を見に行く冒険をした。
たったそれだけのことで、見せてくれる映画はまず、ない。
4人の少年たちがそれぞれ曲者で個性的。思えばグーニーズも4人の少年。比べて見るとキャラはかぶっている。マイキー=ゴーディー=やせっぽっちの夢想家。ショーティー=クリス=不良っぽい。チョイ悪。口が立つ。デルタ=テディ=世間からズレている。チャンク=バーン=デブ。どんくさい。からかわれ役。
少年たちの仲間としての理想図がどこかにあるのだろう。グーニーズと違うのは劇的な何かがあるわけではなく、好奇心と度胸試しからくる夏の思い出的イベントでしかない。そして、子どもだけだという点だろう。
4人ともどこにでもいそうな悪がきで精一杯悪ぶっているが、内面は傷つきやすい男の子。リーダー格のクリスがうまくまとめている。性格も育ちも違う4人。仲が良いのが不思議だが、少年時代の友情は理屈ぬきで何となくつるんでいるものだろう。
兄を失い、両親が悲しみに暮れ、居場所のない思いをしているゴーディー。見るからに悲壮感が漂っていて、死んだのが兄ではなく、自分だったらと思いつめる姿は痛ましい。できのいい兄を持つと平凡な弟は形見が狭い。ゴーディには幸いなことに友人がいて、ラッキーだ。同い年のクリスが「俺が守ってやる」となぐさめるシーンに胸がキュンとなる。
子どもだけで過ごしたたったの一晩で4人の少年は大人になってしまう。永遠に一生友達でいようなんて無理な約束をするわけではなく、それぞれがそれぞれの道に進むことをわかっている。一緒に過ごす夏はこれが最後だとわかっている。それが切なくなる。
ゴーディが「12歳の夏を過ごしたあの友情はもう起こり得ない」と書き記す瞬間に涙が零れ落ちる。
誰も知らない
≪公開時コピー≫生きているのは、おとなだけですか
製作国:日本
製作年:2004年
公開年:2004年
【監督】 是枝裕和
【出演】 柳楽優弥 (明)
北浦愛 (京子)
木村飛影 (茂)
清水萌々子 (ゆき)
韓英恵 (紗希)
YOU (福島けい子)
串田和美 (大家・吉永忠志)
岡元夕紀子 (大家の妻・吉永江理子)
平泉成 (コンビニの店長・中延司)
加瀬亮 (コンビニの店員・広山潤)
タテタカコ (コンビニの店員・宮嶋さなえ)
木村祐一 (タクシーの運転手・杉原)
遠藤憲一 (パチンコ屋の店員・京橋)
寺島進 (少年野球の監督)
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 明の目の色。
【鑑賞本数】 年間:74作目 通算:235作目
【 感 想 】
見たいと公開当時から思っていた。前評でYOU演じる母親の身勝手さをたたかれていたので、見終わったら怒るかと思っていたが、実際見たら切なさ、やるせなさ、それから朝焼けを見た清々しいような気持ちと、うまく言葉にあらわせない気持ちで一杯になった。
母、けい子と、子ども達、明、京子、茂、ゆきの5人家族。一見どこにでもいそうな母子家庭だが、多分、出生届を出されていないのだろう。学校に行かず、家に閉じ込められた子どもたち。だが、悲壮感はなく、毎日が日曜日で楽しんでいる。長男、明が母を助け、弟たちの面倒を見、家族が成り立っている。
引っ越してきたばかりの明は、すれた所もなく、お兄ちゃんらしく妹や弟たちの面倒をまめに見ている。犬みたいに人懐っこい笑顔を見せ、子どもらしい純粋さを垣間見せる。母親に頼られた時に見せるはにかんだ笑顔や、大人びた表情がほほえましい。好きな人ができたと母に告げられた時の複雑な表情。そして、帰ってこない母親にほのかな期待を抱く姿。まだ、12歳ぐらいの幼さで身に起きた事実が辛い。
けい子が明に「幸せになっちゃいけないの」ときつく言う。母の気持ちと明の気持ちを思うと心が痛む。幸せになりたいけい子に子ども達が枷になる。明たちは母親と一緒にいるのが何よりの幸せ。幸せの方向性が違うことが引き起こした悲劇なのかもしれない。
出張で不在にしているだけと信じ、生活を続ける子ども達。明だけが帰ってこないことを知っていて、苛々している。長男だから、妹達を守らなきゃいけない気持ちと貧乏くじをひいている苛立ちが、息苦しくなってくる。少しずつ険しい顔立ちになっていく。子ども子どもしていた明が少しずつ子どもの殻を脱ぎ捨てていく姿が頼もしくもあるが切ない。
救いようがなく、息苦しさで胸が痛むのだが、子ども達がたくましく、強かで、明けない夜はないとか、親がいなくても子は育つとか、そんなことを思ってみる。
インファナル・アフェア/無間序曲
≪公開時コピー≫生きるために、すべてを捨てた。
製作国:香港
製作年:2003年
公開年:2004年
【監督】 アンドリュー・ラウ
アラン・マック
【製作】 アンドリュー・ラウ
【出演】 エディソン・チャン (ラウ)
ショーン・ユー (ヤン)
アンソニー・ウォン (ウォン警部)
エリック・ツァン (サム)
カリーナ・ラウ (マリー)
フランシス・ン (ハウ)
チャップマン・トウ (キョン)
フー・ジュン (ルク)
ロイ・チョン
リウ・カイチー
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 それぞれの身のふり方
【鑑賞本数】 年間:73作目 通算:234作目
【 感 想 】
「インファナル・アフェア」の続編。過去に戻りラウとヤンが警察学校に入る前後くらいからはじまる。正直、見ないほうがよかった。辻褄があっていないような気がする。時間が行きつ、戻りつするから惑わされる。嫌いではないが、話を追うのに必死で、見ているこちらに余裕がなかった。
ラウとヤンの二人の話だが、サムとウォンの話でもあり、1は単純にラウとヤンの個人の人生が交錯する話だったが、2はマフィアと警察と組織が交錯していた。
ラウが警察に潜入することを決めたのは、サムの妻マリーを思っており、側にいられるなら、役に立てるのなら、そういう理由。一途にマリーを思う姿はかっこよくて、可愛かった。決してかなう恋ではないのに、あきらめられずにいる姿が切ない。
一方のヤンは、マフィアのボスの隠し子だとばれ、警察学校を退学になる。それは表向きで、本当は警察の潜入捜査員。夢である警察官ではあるが、公言はできず、あくまでもマフィアとしてふるまわなくてはならない。半分だけ血のつながった兄ハウの片腕として溶け込んでいく。ヤンを家族と認めているのはハウだけで、ハウ以外の家族はマフィアの駒の一つだと思っている。半端な立場が息苦しくなる。
まだ、下っ端でしかないサムが成り上がるのにウォンが一役かんでいる。その事実が受け入れ難い。ウォンも人間であるし、マフィアをつぶす為にマフィアを利用しただけだというのもわかる。だけど、1でサムとウォンが敵対しているだけに、2でフレンドリーではないが、ご飯食べさせたり、心配したりしている姿を見て、違和感があった。職業という枠さえなければ、友情が成り立ったのかもしれないし、枠があったから成り立ったのかもしれない。
ラウもサムもウォンも皆、自分で選んだ道を歩んでいるのに、ヤンだけが人のせいで歩むべき道をふさがれ、利用されて、流されている。貧乏くじをひいており、切ない限り。いたたまれない気持ちになる。
ドリヴン
≪公開時コピー≫怪物は、時速400キロの夢を見る。
製作国:アメリカ
製作年:2001年
公開年:2001年
【監督】 レニー・ハーリン
【製作】 レニー・ハーリン
エリー・サマハ
シルヴェスター・スタローン
【出演】 シルヴェスター・スタローン (ジョー・タント)
キップ・パルデュー (ジミー・ブライ)
ティル・シュヴァイガー (ボー・ブランデンバーグ)
バート・レイノルズ (カール・ヘンリー)
エステラ・ウォーレン (ソフィア・サイモン)
ジーナ・ガーション (キャシー・モレノ)
ステイシー・エドワーズ
ロバート・ショーン・レナード
ブレント・ブリスコー
クリスチャン・デ・ラ・フエンテ
【Zero的評価】 100円
【リピート率】 ★★
【見所】 市街地でフォームラマシーンでレース。
【鑑賞本数】 年間:72作目 通算:233作目
【 感 想 】
フォーミュラー系カーアクション映画。「ドリヴン」は良くも悪くもアメリカ映画。アメリカン・ドリームが根底にある作品。よく出来た男くさい話。新人ドライバーのジミーがスランプに陥って、ベテランドライバーのジョーがアドバイスして、ジミーが自信を取り戻す。リアル青春期ではないが、青春系ストーリー。
サーキットの雰囲気、熱気はさすがに本当のレースの合間をぬって撮影しているだけあって本物らしい雰囲気ではあった。ドライバーたちのせめぎあい、過去の確執、心理的葛藤。危険なスポーツ故の恋人達の不安。そういうものをうまく描いている。
全体的に金がかかっているのが見える。レースシーンも迫力はあった。でも、好きではない方向性だった。レース毎にクラッシュして、イエローフラッグふられる展開になるのが嘘臭いし、出来すぎてはなくやりすぎとも思った。レースシーンに力を入れすぎて、全体のトーンや人物設定がおざなりになってしまったようにも見えて、肩透かし食ったのも事実。
カーアクション映画であると同時に、ヒューマンドラマでもある。ジミー、ジョー、ボー、3人のドライバーに焦点が分散した分、ピントぼけした印象がある。詰め込みすぎなのか、辻つまがあっていない。そういう詰めの甘さが目について純粋に楽しめなかった。レースシーンより人物描写もう少し掘り下げて欲しかった。
ジミーの兄がやたらとかまう理由がよくわからない。兄弟でマネージャーとドライバーという関係にいたる何かが欲しかった。ジョーが半隠遁生活してしまった理由も、カールとジョーの関係も唐突すぎて事情を飲み込めない。そういう点が不満ではある。
軽めのエンターテイメント作品なのか、感動作品なのか。意気込みは感じられるが、半端な作品という印象。メイキングを見ると納得できた。レースシーンやクラッシュシーンの大半がCG豪勢。リアルっぽいけれど、嘘臭い。それが隠しきれなかったと思って見る。
ブロウ
≪公開時コピー≫夢を使い果たして、
男はアメリカを手に入れた。
製作国:アメリカ
製作年:2001年
公開年:2001年
【監督】 テッド・デミ
【製作】 テッド・デミ
デニス・リアリー
ジョエル・スティラーマン
【出演】 ジョニー・デップ (ジョージ・ユング)
ペネロペ・クルス (マーサ・ユング)
ジョルディ・モリャ (ディエゴ)
フランカ・ポテンテ (バーバラ・バックリー)
レイチェル・グリフィス (アーミン・ユング)
レイ・リオッタ (フレッド・ユング)
イーサン・サプリー (トゥナ)
ポール・ルーベンス (デレック・フォーリール)
マックス・パーリック (ケヴィン・デュリ)
クリフ・カーティス
ミゲル・サンドヴァル
ケヴィン・ゲイジ
ジェシー・ジェームズ
ミゲル・ペレツ
ダン・ファーロ
トニー・アメンドーラ
ボブ・ゴールドスウェイト
マイケル・トゥッチ
【Zero的評価】 100円
【リピート率】 ★★
【見所】 不器用なジョージ・ユングの生き方
【鑑賞本数】 年間:71作目 通算:232作目
【 感 想 】
実在のドラッグ・ディーラー、ジョージ・ユングの自伝的映画。幼い頃に父の会社が倒産し、貧乏暮らしを強いられる。その瞬間からリッチな生活をするのだと心に誓い、西海岸へ行き、ドラッグ・ディーラーとしての手腕を開花させる。
生き様が花火みたいに刹那的でそういう風な生き方しかできない不器用さが悲しい。ドラッグ・ディーラーとして成功し、警察につかまり、刑務所に入り、逃亡し、ドラッグを売って、警察につかまって、刑務所に入って、その繰り返し。
父親のようになりたくない。両親のような夫婦になりたくない。リッチでゴージャスな生活をしたい。ジョージの抱いた夢と希望は誰にでもある。ただ、ジョージの場合、痛いほど切実で実現するために全力を注いだ。生き急いでいるのか死に急いでいるのか、わかりかねるが、人の夢は儚いということを思い知らされる。
バーバラと結婚していれば違う人生になったのかもしれない。でも、それは言っても仕方のない話。バーバラは亡くなり、ジョージはマーサに出会った。美しい妻に可愛い娘。豪邸に幸せそのものに思えた生活が一変する。
仕事のパートナーの裏切り、友の裏切り、国の体制が変わり貯金が没収され、身包みはがされ、どん底に突き落され、父と同じ道をたどってしまう。ジョージは育ちと人がよく、カモられただけの話。はるかにメキシカンマフィアのほうが強かで、現実は残酷。
娘を心から愛し、「お前は俺のハート。お前なしでは生きていけない。」と繰り返し言い聞かせるジョージの姿が切ない。ディーラーとしての手腕があれば、事業にだって生かせたはずなのに、あくまでもディーラーとしてしか生きられない姿が悲しい。手っ取り早く稼げるものかもしれないが、どこかで真っ当に生きることを考え、実行すれば家族3人で幸せに暮らせたかもしれない。砂上の楼閣。ジョージが足を踏み入れてしまった世界はまさにそんなもろくて危うい世界だったのだろう。
インファナル・アフェア
≪公開時コピー≫男には決断すべき時がある。
心に秘める愛がある。
製作国:香港
製作年:2002年
公開年:2003年
【監督】 アンドリュー・ラウ
アラン・マック
【製作】 アンドリュー・ラウ
【出演】 アンディ・ラウ (ラウ)
トニー・レオン (ヤン)
アンソニー・ウォン (ウォン警部)
エリック・ツァン (サム)
エディソン・チャン (若き日のラウ)
ショーン・ユー (若き日のヤン)
サミー・チェン (メリー)
ケリー・チャン (ドクター・リー)
チャップマン・トウ (キョン)
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 狐と狸の化かしあい的な裏切りあい。
【鑑賞本数】 年間:70作目 通算:231作目
【 感 想 】
期待値が高かったから、見るまでかなりドキドキしていた。マフィアが潜入させた刑事と警察がマフィアに潜入させたチンピラと友情を育む話と勘違いしていて、全然違うと思った。見終わった後にすごい、やられた、面白いと思った。
計画的犯行という言葉がしっくりくる。骨組みのしっかりとした映画だ。ラウとヤン。マフィアと警察がそれぞれに潜入させた「犬」だけではなく、それぞれのボス、サムとウォンの知恵比べ。嘘と偽りで固められた世界。刹那的で綱渡り的で見ていて冷や冷やした。
サムの手下、ラウが主体となってストーリーが進んでいく。サムから得た情報を生かしながら、警察の動きをサムに流す。表向きは警察の人間で、部下にも慕われ、上司の信頼も得ている。美人の婚約者もおり、パーフェクトな人間に見える。スマートで、クールで、スタイリッシュで非のうちどころがない。だが、時折見せる影がサムの犬であることを物語っており、切なく悲しい気持ちになる。マフィアだが、警察に潜入したのは自分の意志。サムに何らかの恩義があるのか知らないが、警官としての良心と、サムに忠実な心とに揺れている姿が苦しかった。
ウォンの部下ヤンは見るからにチンピラでマフィアの一員でしかない。だが、ヤンも頭のいい男。サムの下で信頼を得るために動く一方、ウォンに情報を流す。ヤンは潜入捜査員から足を洗いたがっている。チンピラとして薄暗い所で、いつ殺されるかわからない恐怖に怯えるのではなく、警察官として堂々と背筋を伸ばして生きたい。その思いが切実だから、涙が出そうになる。
ラウは日の当たる場所におり、ヤンは闇を生きている。それぞれの立場は逆なのに、運命のいたずらとしか思えない事実。交錯する二人の人生と、そして、結末がやるせない気持ちになる。入念に仕掛けた細工が的確にストーリーのツボをおさえており、一瞬たりとも目が離せない吸引力があった。2、3とどう続くのかが気になる。
