ラスト マン・スタンディング
【公開時コピー】誰が最後に残るのか?
7秒で13人=0.5秒のエクスタシー
製作国:アメリカ
製作年:1996年
公開年:1997年
【監督】 ウォルター・ヒル
【製作】 ウォルター・ヒル
アーサー・サーキシアン
【出演】 ブルース・ウィリス (ジョン・スミス)
クリストファー・ウォーケン (ヒッキー)
ブルース・ダーン (エド)
ウィリアム・サンダーソン (ジョー)
カリーナ・ロンバード (フェリーナ)
デヴィッド・パトリック・ケリー (ドイル)
アレクサンドラ・パワーズ (ルーシー)
ネッド・アイゼンバーグ (ストロッジ)
【Zero的評価】 100円
【リピート率】 ★★
【見所】 ジョンの女の扱い方
【鑑賞本数】 年間:4作目 通算:300作目
【 感 想 】
黒沢明の「用心棒」をハリウッドでリメイクしたのが「ラストマン・スタンディング」。オリジナルを知らないので、全くのオリジナルとして見られたのはよかった。
男くさい作品ではある。金が全てのジョン。アイルランド系とイタリア系のマフィアの抗争にあえて、わざわざ首を突っ込んで一暴れする。常にドンパチしているし、正直、誰が誰かわからなくて、この人はどっちに所属するのだ?と内心思った。だけど、古きよき時代のマフィア映画と黒澤明オマージュという心意気は見えたし、丁寧に作りこんだのも見えた。ストーリーとしては面白くはなかったが映画に対する真面目さみたいな作り手の真面目さは見えた。
マフィアに取り仕切られた町で、女は男の飾り物として扱われる。フェリーナ、ルーシー。共にタイプも、男の飾り物となる経緯も異なる。だが、どちらも寂しさと憂いがあり、見ていて切なくなる。そして、そんな女に同情して優しくするジョンがかっこよく見える。
金が目的なのか、女が目的なのか、ジョンの本心はわからないが、得体の知れないストイックな感じは好きだ。強いのに、自分の力はわざわざ誇示しない姿勢も、さりげなく女をくどく姿も好ましい。ジョンのようなストイックな男に弱いかもしれない。
凄腕という評判のヒッキーの凄さがイマイチ伝わらなかったのが残念ではあるが、狂っている男ではあった。人を殺すことをためらわずにできる人間の神経回路を一度見てみたい。そこまでボスにつくす忠義心から来るものなのか。判断つきかねる。
マフィアにしろ、やくざにしろ女には理解し難い世界である。世界の東西問わず、任侠の世界は独特だ。力が全てであるが100%力かというわけでもなく、仁義や忠誠心がものを言うところもある。黒白はっきりしないのがもどかしいが、そこがいいのかもしれないと思っている。どちらにしろ、ひどく男の世界で、女の入る余地などどこにもないのだけは確かだ。
ジャスティス
【公開時コピー】200人の命か、
ただ1つの正義か。
製作国:アメリカ
製作年:2002年
公開年:2002年
【監督】 グレゴリー・ホブリット
【製作】 デヴィッド・フォスター
グレゴリー・ホブリット
デヴィッド・ラッド
アーノルド・リフキン
【出演】 ブルース・ウィリス (マクナマラ大佐)
コリン・ファレル (トミー・ハート中尉)
マーセル・ユーレス (ビッサー大佐)
コール・ハウザー (ベッドフォード2等軍曹)
ライナス・ローチ (ロス大尉)
ヴィセラス・レオン・シャノン (アーチャー少尉)
テレンス・ハワード (スコット少尉)
【Zero的評価】 320円
【リピート率】 ★★★
【見所】 マクナマラ大佐の矜持
【鑑賞本数】 年間:3作目 通算:299作目
【 感 想 】
戦争映画だと思って敬遠していたのだが、手堅いサスペンス物だった。すごく面白いわけではないが、つまらないわけでもない。何がどうなっているのか、気になって目が離せなく一気に見てしまった。男くさい映画ではあった。
1944年、ドイツ。米兵捕虜収容所にトミー・ハーツ中尉が収容された。父が上院議員であるが為に、戦場でも安全な場所で身の危険におびえることもなく過ごしてきた。上官を輸送中に襲われ捕虜となる。
政治家の息子という理由で優遇され、戦場でも最も一番安全な所にいたことを後ろめたく思い、何の役にも立っていない上に、拷問に耐え切れず国を裏切ってしまったことを後悔して様子は伝わってくる。生き延びたことを恥ずかしく思う気持ち、生きていたい気持ち、捕虜となり身内の恥となってしまった事実を恥じる気持ち、八方塞がりな暗い気分で収容されるトミー。周りの米兵たちはトミーの心のうちなど露知らずで、上官であるトミーに敬意を払い、親切にふるまう。トミーと米兵との間にある心の壁を思うと息苦しくなる。
ブルース・ウィリス演じるマクナマラ大佐は、今までとは違うキリリと背筋がのびたプライドの高い軍人。捕虜となり、捕らわれの身になっても心までは囚われていない。米兵達を統率し、ドイツ軍に媚びることもせず、米兵とし、大佐とし、誇り高くふるまう姿はかっこいい。
ドイツ軍のビッサー大佐がマクナマラ大佐とトミーとで異なる態度を取るのは当たり前ではあるが、マクナマラとは腹の探り合い。階級があがればあがるほど、駆け引きや腹の探りあいは重要で重大なこととなる。どちらも決して本心は語らず、一触即発に近い緊張感が恐ろしい。
事件を通してトミーは変わっていく。自分の嘘を暴かれるのを恐れていたが、とっくに見抜かれていた。それを知り、開き直りに近い態度を取る辺りから見応えがあった。特に少ない証拠を元に推理し、真実へ近づいてく所は目が離せなかった。
ハドソン・ホーク
≪公開時コピー≫世界を盗め!
怪盗ホーク。
製作国:アメリカ
製作年:1990年
公開年:1991年
【監督】 マイケル・レーマン
【製作】 ジョエル・シルヴァー
【出演】 ブルース・ウィリス (ハドソン・ホーク)
ダニー・アイエロ (トミー)
アンディ・マクダウェル (アンナ)
ジェームズ・コバーン (ジョージ・キャプラン)
リチャード・E・グラント (ダーウィン・メイフラワー)
サンドラ・バーンハード (ミネルヴァ・メイフラワー)
ドナルド・バートン (アルフレッド)
ドン・ハーヴェイ (スニッカーズ)
デヴィッド・カルーソー (キットカット)
アンドリュー・ブリニアースキー (バターフィンガー)
ロレイン・トゥーサント (アーモンド・ジョーイ)
バート・ハリス (ゲイツ)
フランク・スタローン (シーザー・マリオ)
カーマイン・ゾーラ (アントニー・マリオ)
ステファーノ・モリアーニ (レオナルド・ダ・ヴィンチ)
【Zero的評価】 100円
【リピート率】 ★★
【見所】 ブルース・ウィリスの美声
【鑑賞本数】 年間:2作目 通算:298作目
【感想】
公開当時から、駄作、失敗作のレッテルを貼られていたこの映画。見て、納得。確かにくだらないくだらないけれど、コメディ俳優ブルース・ウィリスを存分に楽しめる映画ではある。
ハドソン・ホークの性格がブルース・ウィリスにはよくはまっている。相棒のトミー曰く、「女の飲む」飲み物カプチーノをこよなく愛し、刑務所暮らしでブランクがあるにも関わらず全くおとろえていない泥棒としての腕前を「恐ろしいことに」と言い訳することも、昔気質の泥棒であることも、ストップウォッチの代わりに歌を使うことも、どれをとっても彼らしい。もし、ハイテクを駆使する泥棒だったら、くだらない映画がつまらない映画になるだろう。新しい物を受け入れられない頑固なアナログ人間こそ、ブルース・ウィリスにはまる。
レオナルド・ダ・ヴィンチの錬金術を実現させるクリスタルを盗み出す為に、あちこちに連れてゆかれ、言われるがままに仕事をこなしていくホーク。依頼主のメイフラワー夫婦と、何故かホークにつきまとうCIAのジョージ、その部下達が個性的というより、ものすごく変だった。
メイフラワー夫婦は成金そのものの、札束で顔をひっぱたく系の野卑で下品な人間。あっけらかんと「この世は金次第で何とでもなる」と言い放たれると、そういう価値観もあるかもしれないと思ってしまう。実際、関わるのはごめんこうむりたいが…。
ジョージの部下達は、まず、名前が変。キットカット、アーモンドジョーイ、スニッカーズ、バターフィンガー。それぞれ個性的で、存在そのものがありえない。バターフィンガーがパンをかじっている所は、わかりやすすぎるギャグで笑う気にもならない。だが、キットカットは中々いい味をだしていた。
コメディ映画としては、面白さが微妙。若干、度が過ぎて悪ふざけにしか見えない所もあり、そういうセンスは理解し難い。見所はブルース・ウィリスの歌。昔とった何とやらで結構、聞ける。
隣のヒットマンズ 全弾発射
≪公開時コピー≫狙ったはずが狙われて、
奴らが全員ターゲット!
製作国:アメリカ
製作年:2004年
公開年:2004年
【監督】 ハワード・ドゥイッチ
【製作】 アラン・カウフマン
アーノルド・リフキン
エリー・サマハ
デヴィッド・ウィリス
【出演】 ブルース・ウィリス (ジミー・チュデスキ)
マシュー・ペリー (ニコラス“オズ”オゼランスキー)
アマンダ・ピート (ジル)
ケヴィン・ポラック (ラズロ)
ナターシャ・ヘンストリッジ (シンシア)
フランク・コリソン (ストラボ)
ジョニー・メスナー
サイラス・ウェイア・ミッチェル
タシャ・スミス (ジュリー)
【Zero的評価】 100円
【リピート率】 ★★
【見所】 ジミーのマーサ・スチュアートぶり
【鑑賞本数】 年間:1作目 通算:297作目
【感想】
前作「隣のヒットマン」が面白かったので2もそこそこいけるだろうと思ったら、タイトルの「全弾発射」にだまされた。面白いは面白いのだが、やりすぎると悪ふざけになるというもので、痛々しくて見ているのが辛かった。笑いのセンスはジョナサン・リン監督のほうが一枚上手のようだ。
マフィアのラズロがイタリア訛りのきつい英語を話すことや、趣味の悪いファッション、イチイチ使えない息子ストラボと手下とのやりとりがおかしい。ジミーのことをインニと呼ぶのも、イタリアン・マフィアのくだらないプライドなのだと思う。
1のジミーはどこかストイックでシニカルでかっこよかった。2は主夫業に専念している。金髪ロン毛で、エプロンして、掃除機をかけ、料理をする姿が似合わない上にかっこ悪い。そういうジミーに対してジルが「マーサ・スチュアート(アメリカのカリスマ主婦)と結婚した覚えはない」と嫌味を言う。こういう言い回しはニヤリとする。何よりもジルの気持ちを的確に表現しているし、ジミーにくどくどと言うよりも一番嫌味に思う。
1ではオズが徹底的に道化を演じていたが、今回はジミーが道化を演じている。だが、全体的に痛々しくて、素直に笑えない。例えば、父親になりたいのになれないジミーがいて、それを面白おかしく笑い飛ばそうとしたのかもしれない。だが、不妊で悩む夫婦が大勢いる現状では、ドギつい笑えないギャグでしかない。あまりにもブラックすぎてついていけない。
ジミーはヒットマンとして二流のジルをなじることが多く、優しくなくて少しがっかりした。人間性が1と変わってしまったように思えて、残念。引退せざるをえなかったジミーの心残りから来る、ジレンマなのかもしれないが…。
あまり深く考えずに見ればそこそこ面白いが、お粗末な部分が少し多すぎた。面白い要素をたくさんブチ込んでも面白い映画にはならず。コメディは笑いのセンスとバランスのさじ加減が難しい。
世界中がアイ・ラヴ・ユー
≪公開時コピー≫みんなハッピー
製作国:アメリカ
製作年:1996年
公開年:1997年
【監督】 ウディ・アレン
【製作】 ロバート・グリーンハット
【出演】 アラン・アルダ (ボブ)
ウディ・アレン (ジョー)
ドリュー・バリモア (スカイラー)
ルーカス・ハース (スコット)
ゴールディ・ホーン (ステフィ)
ギャビー・ホフマン (レイン)
ナターシャ・リオン (ジュナ)
エドワード・ノートン (ホールデン)
ナタリー・ポートマン (ローラ)
ジュリア・ロバーツ (ヴォン)
ティム・ロス (チャールズ・フェーリー)
デヴィッド・オグデン・スタイアーズ
【Zero的評価】 0円
【リピート率】 ★
【見所】 誰かが誰かに恋してる
【鑑賞本数】 年間:135作目 通算:296作目
【 感 想 】
ラブ・コメディは苦手な上に、最近、実は苦手だと思い始めているミュージカル。この二つが入った「世界中がアイ・ラヴ・ユー」。観終わった後に何ともいえない疲れに襲われた。最後まで見たのは悲しいかな貧乏根性。こんな自分の性格がやるせない。
キャストは豪華だ。ウディ・アレン、ドリュー・バリモア、エドワード・ノートン、ジュリア・ロバーツ、ナタリー・ポートマン他。豪華なキャスト=面白いというより、豪華キャスト=つまらないが成立しはじめている気がする。
複雑な家族を持ったジュナ、DJの家族の話。愛と家族と結婚の話なのだろう。実の母ステフィと義理の父ボブ、姉スカイラー、兄(?)スコット、双子の妹、レイン、ローラと暮らす。実の父ジョーはパリ住まいだが、何かとステフィ、ボブの前に表れる。
家族ほとんどが愛だの恋だのという話をしている。
スカイラー演じるのはドリュー・バリモアだが、こういう役を演じるのが好きな人だと思ってみる。打算的ではないのが好ましいが、本能的にダメ男を選ぶあたりが…。堅実な結婚にどこか不満げな、ワイルドな白馬の王子様があらわれるのを待っているフシがある。
DJの実父ジョー。作家でパリ暮らし。少年のまま大人になってしまったような男。恋人にふられるたびに死ぬと口にするのがうっとうしい。ヴォンに一目ぼれをし、自分の姿を偽り、ヴォンの理想の人どおりを演じる。それで意中のヴォンを落とせても、幸せとは限らないのが皮肉。
ヴォンは旦那との生活に不満を持ち、理想そのままのジョーに心動かされ、一見満たされたかのように見えて何も満たされていない女。傍目にものすごく物欲しげで手におえない。
愛とか恋とか別にかまわないけれど、皆が皆、飢えていて、満たされていなくて、本当の愛を求めているのがうっとうしい。価値観は人それぞれなので、お好きにどうぞと思うが、この映画の中に限って言えば、金持ち階級の特権なのかもしれない。
ブレイド3
≪公開時コピー≫ついにシリーズ完結!
これが最後の戦い。
製作国:アメリカ
製作年:2004年
公開年:2005年
【監督】 デヴィッド・S・ゴイヤー
【製作】 デヴィッド・S・ゴイヤー
リン・ハリス
ウェズリー・スナイプス
【出演】 ウェズリー・スナイプス (ブレイド)
クリス・クリストファーソン (エイブラハム・ウィスラー)
ドミニク・パーセル (ドレイク)
ジェシカ・ビール (アビゲイル・ウィスラー)
ライアン・レイノルズ (ハンニバル・キング)
パーカー・ポージー (ダニカ・タロス)
ジョン・マイケル・ヒギンズ (エドガー・バンス博士)
トリプル・H (グリムウッド)
ジェームズ・レマー (レイ・カンバーランド)
ナターシャ・リオン (サマーソルド / 盲目)
マーク・ベリー
カラム・キース・レニー
ポール・アンソニー
フランソワーズ・イップ
マイケル・アンソニー・ローリンズ
エリック・ボゴシアン
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★
【見所】 アビゲイル!
【鑑賞本数】 年間:134作目 通算:295作目
【 感 想 】
安易なアメコミ映画には元々首をかしげているのだが、完結編だということと、観る機会があったということもあり、観たが・・・。シリーズ映画は安易に監督を変えないほうがいいように思えてきた。
ブレイドにアビゲイルとハンニバル・キングらナイト・ウォーカーという新しい仲間が加わった「ブレイド3」。ブレイドの魅力は一匹狼だけにチーム物にしてしまうと面白味が半減する。
えてして、アメコミ系に限らずだけれど、シリーズ物は続編になればなるほど壮大になり、過激なアクションシーンが増え、中身が薄くなる。プロモビデオみたいな映像に音楽、どこかで見たような撮り方、いい変えれば数あるアクション映画のかっこいい所を焼きなおしたような映像がだらだらと続くので眠くなった。
新しい対ヴァンパイア兵器もパワーアップしてはいるが銃器が増えて、何だかなぁ。アビゲイル使用のボウ系は新鮮ではあるが、決して実用的ではない。最後まで観れば一応伏線にはなっていたのかと思わなくもないが、それだけの技術力を持ってすれば、銃器に応用はできるだろうとツッコミたくなる。
監督がこだわって作り上げた気概は認めるが、何というか「かっこよさ」を履き違えているなと思う。ダニカ・タロスの行動の一つ一つが受け狙いのように見えて、なぜ、テーブルの上でそんなかっこうするのだと疑問をもつ。ブレイドのボルドーカラーのタートルネックに防弾ベストみたいなコスチュームはかっこ悪いし、ヴァンパイアの始祖ドレイクの衣装は一生懸命雑誌を見てお勉強したけれど、どこかズレているラッパーもどきでかっこ悪い。インテリアセンスは悪くはないだけに何でそうなるんだと頭を抱えてしまう。
ブレイドが刀使わずに戦ってどうするというのが納得いかない。いや、一番納得いかないのはこれが最後の戦いという割に含みのあるラスト。なんだかんだいって、もう一作ぐらい作ってやろうと思っているのじゃないか?!
スタンドアップ
≪公開時コピー≫私なんか、と何度も思った。
お前なんか、と何度も言われた。
それでも、立ち上がってみようと思った。
製作国:アメリカ
製作年:2005年
公開年:2006年
【監督】 ニキ・カーロ
【製作】 ニック・ウェクスラー
【出演】 シャーリーズ・セロン (ジョージー・エイムズ)
フランシス・マクドーマンド (グローリー)
ショーン・ビーン ( (カイル)
リチャード・ジェンキンス (ハンク・エイムズ)
ジェレミー・レナー (ボビー・シャープ)
ミシェル・モナハン (シェリー)
エル・ピーターソン (カレン・エイムズ)
トーマス・カーティス (サミー・エイムズ)
ウディ・ハレルソン (ビル・ホワイト)
シシー・スペイセク (アリス・エイムズ)
【Zero的評価】 1000円
【リピート率】 ★★★
【見所】 ヒトとしての矜持。
【鑑賞本数】 年間:133作目 通算:294作目
【 感 想 】
全米初のセクハラ勝訴事件をベースにした映画。どこからどこまでが事実で、作り物かは図りかねるが、骨太な映画ではある。
同じ女性として、ジョジーが受けた嫌がらせや浴びた言葉を許せない気持ちは共感できる。女だ、シングル・マザーだという理由で誹謗中傷を受ける。それを見ていて、いたたまれない気持ちになる。だから、立ちあがったことは勇気ある行為で、立派なのだろうと思う。だが、ジョジーが受けた嫌がらせも、同僚が受けたものも、全て背負い込み、自分の傷のように扱う気持ちはわかるが「自分」大事で、「自分」しか見えていなくて、聞き分けのない子供みたいだ。そこに共感はできても同情はできい。
ジョジーが立ち上がったから、今、働ける自分がいる。そこに感謝はするが、女であることを言い訳にする前に、男と同じ土俵で働いて、認めさせる仕事をすればいい。その上で意見すればいいと思った。中学生のように些細なことに過剰反応するジョジーにもどかしい思いをした。
男どものろくでもなさが強調気味に描かれている一方で、ジョジーの父ハンクだったり、弁護士ビルだったり、心ある男たちもきちんと描かれている。この心ある男たちがいい味を出している。特にハンクが渋かった。
人間はちっぽけで、群れないと生きていけない生き物。誰が悪いとか、何が悪いとかではなく、少しでも悪口を言ったら仕返しをされる社会がある。仕返しを恐れ、おびえているうちに何が間違っているのか、わからなくなる。それが問題なのだと思った。安心で、安全でいたい。過酷な労働条件でも無職よりはマシ。そうやって我慢し続けていると、会社がとてつもない化け物になってしまう。「会社」という巨大な化け物と、その化け物の本性をあらわにしたジョジーの話のようにも思える。
それと共に、家族の話でもあった。ジョジーと両親、ジョジーと子供達の家族の絆。親は子供を守るシェルターである。そんな姿を垣間見た。
ロスト・イン・トランスレーション
≪公開時コピー≫幸せなはずなのに、ひとりぼっち
トーキョーであなたに会えてよかった。
製作国:アメリカ
製作年:2003年
公開年:2004年
【監督】 ソフィア・コッポラ
【製作】 ソフィア・コッポラ
ロス・カッツ
【出演】 ビル・マーレイ (ボブ・ハリス)
スカーレット・ヨハンソン (シャーロット)
ジョヴァンニ・リビシ (ジョン)
アンナ・ファリス (ケリー)
マシュー南 (マシュー南)
田所豊 (CMディレクター)
林文浩 (チャーリー)
竹下明子 (通訳)
HIROMIX
藤原ヒロシ
【Zero的評価】 50円
【リピート率】 ★
【見所】 ソフィア・コッポラのトーン
【鑑賞本数】 年間:132作目 通算:293作目
【 感 想 】
噂程度に評価は決してよくないと聞いていた。実際に見て、これは評価のきっぱりすっぱり別れる作品だと思った。会話で見せる映画ではなく、哲学的、観念的な、どのようにでもとれる映画で戸惑ってしまう。ものすごく苦手な映画だ。
中身うんうんはさておき、外国映画に見る誤解、曲解された「日本」を見るのは苦手だ。特に、普段見て見ぬフリをしている変な所を、逃げ場ナシに見せられると恥ずかしくなってしまう。だが、それも、日本の一面なのかもしれない。
日本に滞在中の二人のアメリカ人―ビルとシャーロット―の居心地の悪さと孤独を描いたのだと思われる作品。
落ちぶれたハリウッド・スター、ビル。CM撮影のために来日中。撮影現場でのやりとり―使えない通訳、意味の通じない英語、偉そうなカメラマン、身の置き場に困るビル―だったり、ホテルの自室でぼんやりとテレビを見たりしている姿には、どこにもスターらしさはなく、哀愁漂う中年男でしかない。場違いな所に来てしまった居心地の悪さが前面ににじみでている。孤独であり、みじめでもある姿に申し訳ない思いが沸々と湧きあがってくる。
新妻のシャーロット。カメラマンの夫ジョンの来日に便乗した模様。夫は仕事が忙しく、満足にかまってもらえない。一人で出歩くにも言葉が通じないため、どこに行けばいいのかわからない。シャーロット視線の日本は、外国人の、ただ見るしかない視点で、こんな風に見えるのだと思った。華道教室にまぎれこみ、意味もわからず花を生けたり、京都で偶然見かけた結婚式の様子だったりは、ものすごく外国人らしい見せ方だ。心に残った風景なのだろう。色のコントラストやシャーロットが見せる表情にはっと息をのんでしまう美しさがあった。
外国人から見た東京の一例ぐらいで見たが、東京という街がものすごく得体の知れないものに見える。本質はあながち的外れではないのかもしれない。眠らない街であるのは間違いない。
皇帝ペンギン
≪公開時コピー≫氷に囲まれた南極の、
あたたかな愛の物語
製作国:フランス
製作年:2005年
公開年:2005年
【監督】 リュック・ジャケ
【製作】 イヴ・ダロンド
クリストフ・リウー
エマニュエル・プリウー
【出演】 ロマーヌ・ボーランジェ (母ペンギン)
シャルル・ベルリング (父ペンギン)
ジュール・シトリュク (子ペンギン)
【吹替】 石田ひかり (母ペンギン)
大沢たかお (父ペンギン)
神木隆之介 (子ペンギン)
【Zero的評価】 1800円
【リピート率】 ★★★★★
【見所】 ペンギン!ペンギン!ペンギン!
【鑑賞本数】 年間:131作目 通算:292作目
【 感 想 】
予告を目にした時から猛烈に見たいと思っていた「皇帝ペンギン」。念願かなってDVDで見たが…、この映画は劇場で見たかったと心底思った。(北海道は吹替版しかこなかったので、観なかった。)
皇帝ペンギン達の妙に人間くさい動作にクスリと笑いがこぼれる。特に、足を滑らせたり、滑って前を歩いているペンギンにぶつかったりする姿は雪降る地域ではよく見かける光景だけに、親近感を覚える。ブリザードに襲われ、身をすくめている所は、寒いけれど通り過ぎるのをただ、じっと我慢して待つしかない。わかる、わかる。そんな気持ちになった。
雛がはじめて一人歩きをしたけれど、寒くて急いで親の元へ戻る姿も愛らしくて笑みがこぼれる。急いで戻ったけれど、入る方向間違えて、親の足元へもぐったはいいが、頭かくして尻隠さず状態になっているあたりは大笑いしてしまう。
可愛いだけではなく、中には隊列からはぐれ餓死するものや、海獣に襲われ命を落とすもの、産み落とした卵を壊してしまったり、卵から孵った雛を凍死させてしまったり、他の鳥に命を奪われたり…と、決して綺麗ごとだけではない所も好感がもてる。
ただし、全て絵としては現実のもので、リアルではあるが、ナレーションや映像の組み立て方はドラマティックに仕立てられているので、どこまで本当なのかは悩む所だ。物足りなさもある。子ども失ったペンギンのその後。営巣地にとどまるのか、海へと戻るのか。子ども達のその後も正直気になる。春が終わりに近づき、海へ足を踏み入れる所で終わる。それまでが丁寧に描かれているだけに、肩透かしを食う。せめて毛の生え変わりが終わり、雛が大人へとなる所までは見せてほしかった。
とはいえ、ナレーションも適度な入り方でユーモアのある字幕だったのは良かった。音の使い方や、ペンギンとからまない絵の使い方にもセンスのよさがうかがえる。こういう見せ方のうまさは、さすがフランス人だと思う。
天使の贈りもの
≪公開時コピー≫かなえたい、
愛する人の願いごと
製作国:アメリカ
製作年:1996年
公開年:1996年
【監督】 ペニー・マーシャル
【製作】 サミュエル・ゴールドウィン・Jr
【出演】 デンゼル・ワシントン (ダドリー)
ホイットニー・ヒューストン (ジュリア)
コートニー・B・ヴァンス (ヘンリー・ヒックス)
グレゴリー・ハインズ (ジョー・ハミルトン)
ライオネル・リッチー
ピエール・エドマンド
【Zero的評価】 320円
【リピート率】 ★★★★
【見所】 ジュリアの歌声。
【鑑賞本数】 年間:130作目 通算:291作目
【 感 想 】
クリスマスも近いことなので、たまにはハートフル路線で行こうかと手に取った「天使の贈りもの」。クリスマスの一週間前、信者が減り、寄付金も集まらず、経営難にあえぐオンボロ教会。牧師のヘンリーはうまくいかない何もかもに頭を抱え、苛立つ。「神よ、いらっしゃるのなら助けてください。」その声に天使ダドリーが天国より派遣される。ダドリーを軸に信頼と信仰、家族の絆、友情等、心温まるストーリーが展開する。
クリスマスに起きる奇跡ではあるが、ファンタジーではなく、ダドリーが少しお手伝いをしただけという作り方が好きな感じだった。もちろん、「天使の力」は多少使う。ヘンリーもジュリアも互いに意地をはり、引っ込みがつかなくなっている。ムキになるほどこじれていく悪循環を止めたのは、ダドリーのおせっかいのような気がする。そう、ダドリーはおせっかいをやいただけなのだと思う。
ヘンリーが疲れてしまったのは力量不足だけではなく、ジュリアの過剰なプレッシャーが一番の原因だと思われる。人望の厚かったジュリアの父、教会、一生懸命やっても空回りの自分。ヘンリー自身、目の当たりにする現実に嫌気がさしているのに、追い討ちをかけるようなプレッシャー。何かと父と比較するジュリアへの苛立ちが垣間見える。
確かに、父は理想の夫かもしれないが、それをヘンリーに押し付ければ、ゆがみやひずみがでるのは当然だ。よき牧師であり、父であり、夫であろうとするヘンリーに何故満足しない?と思うが、忙しく、かまってもらえないジュリアの気持ちはわからなくもない。牧師でも父でもなく、夫として、時には二人で過ごしたい。ただそれだけである。
ジュリアは賢い女性で、牧師だった父の気持ちを充分に汲み取っているから、あれこれ口にしてしまうのだろう。だが、時にはぐっとこらえ、夫を信用し、夫をたて、そして、今を楽しむ気持ちになれば、変わるきっかけぐらいにはなるかもしれない。
