選抜クラス 安納です。
ある稽古で僕は森川先生にこんな言葉をいただきました。
「安納くん…カッコいいね〜…でもそれだけだよ。他の役と声も芝居も変わってない。毎回同じだよ。」
ある時はこうでした。
「安納くん、今の録音して自分で聴いたら恥ずかしくて卒倒するよ笑」
ある時は
「いつも口先でなんとなく音を作ろうとしてる。もっと中身を、身体中全部使ってやらないと。」
そしてある時は
「変にカッコつけたり、何かしようとしたりしない。着てる鎧を全部脱いで、素でやりな。」
僕にとって森川先生と同級生とで共有する時間は、稽古であって稽古ではなく、”戦い”でした。
僕はその戦いで幾度となく打ちのめされました。
全力でぶつかって、簡単に弾き返されて。
「届くか…」と伸ばした手はどこにも届いてない。
そうして何度、言葉にできないほどの悔しさを味わったか分かりません。
みんなの前で恥をかいたことも、数えればキリがありません。
ただそうして打ちのめされる度、森川先生の眼差しにこう言われている気がしていました。
「これで終わり…?」
森川先生は僕らにいつもこうおっしゃっていました。
「僕らが板に立てるのは、芝居ができているのは、多くの人たちの支えがあるからだ。その人たちのお陰で僕たちは表現ができるんだ。」
僕はいつも、悔しさを糧に芝居に打ち込んできました。そうして曲がりなりにも出来ることが少しずつ増えていきました。新しい発見をすることもできました。
そしてその悔しさは、そばにいる仲間がいつも全力の芝居を僕に見せてくれるから、森川先生が正面から向き合って下さるから生まれた”贈り物”です。
楽しいこと、嬉しいことばかりじゃありません。
悔しい思い、
情けない思いの方が何倍も何倍も大きかった。
ただ憧れていては、
ただ夢を見ていては何も変わらない。
見たくない現実から目を逸らさず
向き合うことでしか前に進めないと再確認しました。
辛いです。苦しいです。逃げた方が楽です。
でもやる。だからやる。
今こうして僕がここにいられるのは、森川先生はじめ、お世話になった先生方、同級生、そして僕を支えてくださる方々のお陰だから。
そして絶対に逃げない。
全ては、僕が僕として僕にしかできない表現で、この大きな恩に報い、溢れる感謝を伝えるために。
いつの日も抗うように駆け抜けたこの季節。
もうすぐ僕はひとつの答えに辿り着きます。
そこに何があり、誰がいて、
どんな景色が広がるのかはまだ分かりません。
それでもまた、駆け出します。
その先で
太陽のように強く咲いていたいから。
選抜クラス 安納