「画に負けるな」 | ~声優のたまご達~アクセルワン付属養成所「アクセルゼロ」のブログ

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アクセルワン付属養成所「アクセルゼロ」~熱血講師と声優を目指すたまご達の成長記~

選抜クラスの松岡です。

 

先日、アニメのアフレコ授業を受けさせて頂きました。

このアニメは主人公の小学生とその子をサポートする野菜達の物語です。

授業は場面を、主人公の夢のパート、朝食時の夫婦のパート、小学生同士の会話のパートや主人公と野菜達のパート等に区切って行われます。各パートでの会話の兼ね合いが自然に出来ているか、そしてその感情が適切なものであるかを先生が丁寧に指導して下さいます。

 

ここで先生が私達に言われた重要なアドバイスが

「画に負けるな」です。

 

画面のキャラクターの性質をよく理解し、その動作や表情と合致した演技が出来ないと映像と声がバラバラになった仕上がりになってしまうのです。

 

意識しなければならないのがキャラクター同士の位置・距離間です。

 

今回のアニメでは、横断歩道の向こう側から

主人公側へと名前を呼んで振り向かせるシーンがあります。

場面は横断歩道ですからもちろん車も通ります。

そのような状況で「主人公が振り向く呼び掛け」でなくてはならないのです。

続いては歩道を渡り、握手が出来るくらい近付いた距離での会話が始まります。距離が近付いた時、主人公の友人は何か言いにくそうに「それでね、あのね、~ちゃん...」と表情を曇らせます。こうした場面で、台本にばかり気が向いていると画面の登場人物達の動きの変化を見逃してしまいます。

台本をよく読み込んでおくことだけでなく、

大事なことはしっかりと画面上のキャラクターの動きを理解してその気持ちを表現することです。文字から気持ちを構築していくのは、中々限界があると思います。けれども、映像がある場合よくその動作を分析することが出来れば、その感情・気持ちを自分に移していくことは出来るはずです。可能であれば、映像のように自ら動いて声を出してみるのです。

 

どれだけそのキャラクターになりきり、立体感をもたせ、あたかもそこに実在しているかのように表現ができるかがアフレコの要であります。

 

ステラ・アドラーという米国の演技教師が自身の書籍の中で

「演技することはリアクティング、反応することである」

と述べています。

演技は相手がいないと出来ないものなのです。

会話はお互いの「反応」の下に成り立ちます。

その会話を作品として発表するならより相手への反応、そして「理解」が必要となってきます。

仲の良い夫婦とはどのようなものか。

親友とは他の友人とはどう異なるのか。

そうした問いをどれだけ過不足なしに自然に行えるかが今回の授業の課題であると感じております。

 

先生も私達に「失敗を恐れず思い切り役にぶつかるように!」と言って下さったので、

私もめちゃめちゃにつぶれるくらい思い切りこの美しい舞台にぶつかっていこうと思います!

 

選抜クラス 松岡