選抜クラスの長澤です。
先日お仕事をいただいて、
初めてスタジオに行ってまいりました。
ご連絡いただいた時点で、
お仕事に送り出して大丈夫ね、この子に経験積ませてあげましょうって思ってくださったのかな、などと思い感極まって泣きそうになったんですけど、「いや、まだ仕事しとらんやないかーい!」と家で自分で自分にツッコミを入れながら一旦落ち着きました。
いただいたのはショートアニメーションのガヤのお仕事。
沢山情報を入れて置いた方が安心する質なので、
台本を読み込んで、いただいた映像を観て、録音して、他の話を観て聞いて稽古して...みたいなことを繰り返してからスタジオに向かいました。
主演の方がいらっしゃって、
それはそれはご丁寧にご挨拶してくださって...その上ご親切に今回の作品のご説明までしてくださって...え、こんなに優しくしてくださることってある? などと感動しながら困惑してしまいました。
みなさん和やかにお話しされている姿を見て、いい現場の空気を作るのは、やっぱりいい座長さんなんだなぁなどと思ったりしておりました。
と、収録が始まったら唐突に、
いかに自分が浅はかであったかを思い知るのです。
あ、私まだ耳ができてなかったんだ、と。
アクセントとかそういうことではなくて、
キャストさんの声が想像していたより小さく聞こえるんです。
既に配信されている別のお話も観ていたので、
実際どういう風にマイクに音が入っているのかはわかっていて、 当然ものすごくしっかり音が乗っていたし、その上で様々な演技をされているものだったのですが、まさか、直で聞くのとマイクに乗っている音に、こんなにも差があるように聞こえてしまうなんて...正直ショックでした。
何かが正しく認識できてないんだと思いました。
今から私も収録だというのに、この認識の差をどうやって埋めたらいいのかと。
先輩方の演技と、ディレクションに即座に答えていく対応力に感動しながらも、
収録の最後、ガヤ録り。
稽古の成果を存分に発揮する時!だったのですが...声量はある方だなどと思っていた自分が恥ずかしい。とんでもない慢心です。認識も技術もこの場では即座に埋められない差があることをしっかり自覚しながら、やれることを精一杯やるしかないこの状況。
もどかしいとはこのことです。
なんだかんだマイク前楽しかったなぁなんて思ってしまう気持ちの反面、複雑な思いもきっちり抱えながら収録を終えて、翌授業の日、先生にあの日の感想を言いました。
ありがたさと不甲斐なさとが入り交じったまま、「どうやら私は声量と声圧の違いを正しく認識できていなかったようで」「こういう風にしたけど本当はこういう風にやった方がよかったのかと」等と、まとまりのないままお話しすることになってしまいましたが。
そのあと先生がいくらか話してくださった中に、その日の授業でも先生が仰っていたことがありました。
授業中にも成程と思って聞いていたはずだったのですが、改めてお話していただいてそれがとても腑に落ちたのです。
嗅覚を身につけてほしいと。
先輩たちも最初からできたわけじゃない。
スタジオに行ったり沢山経験を積んでできるようになっていったんだから。
前の現場でいいと言われたことが、次の現場じゃ駄目なんてこともいくらでもある。
作品ごとにそれぞれの空気感があって、
そういうことが感じ取れる嗅覚を身につけてほしい、と。
不器用な自分は、頭でわかっていても、体感しなければちゃんとは理解できなかったかもしれません。
お仕事をいただいて、本当に、教室では学べないことを学ばせていただきました。
次にお仕事をさせていただける頃には、
ひと皮もふた皮も剥けてスタジオに向かいます!必ず!
先生のお話を聞いて思ったのですが、
こうしてスタジオで、
先輩たちも、そのまた先輩たちの背中を見て沢山経験を積んでいったんだなって想像すると、なんだかワクワクしますよね。
またあのスタジオに行けますように。
選抜クラス 長澤