『どうする家康』第46回『大坂の陣』寸感(ネタバレ有) | ~ Literacy Bar ~

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※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

結論から申しあげると『どうする家康』の簡易総評は11月末の時点で脱稿しました。

文字数は『いだてん』総評の半分、昨年の『鎌倉殿』総評の2/3ほどに当たる一万前後の簡易版とはいえ、ほぼ毎年セルフ極道入稿が当たり前であったことを思うと驚異的なスピードと自画自賛しております。勿論、今後の放送内容に応じた微調整の必要はあるでしょうが、最終回が本作特有の、

 

コンフィデンスマンJP的後出しジャンケンどんでん返し

 

で何もかもがひっくり返る展開にならないかぎり、放送終了の翌日には簡易総評をUP出来ると思います。公開延期の際はTwitterでお知らせする予定。流石に評判が芳しくなかったのか、中盤以降は鳴りを潜めている『後出しジャンケンどんでん返し』ですが、油断は禁物ですからね。実際、今週分の次回予告では家康の声で『乱世の全てを背負って死んでゆく覚悟』という台詞があったけど、あれ、ヒネた見方をすると家康自身の本心の吐露というよりも茶々の思いを読んでいるようにも受け取れなくもなかったのよね。ここまで来て『ウォーマニアックな茶々』という本作の美点と欠点の全てを象徴するキャラクターにまで卓袱台返しをカマされたくないので、そうならないことを祈ります。杞憂で終われ。

 

そんな訳で今は年末のもう一つの企画である下半期ベストの執筆に集中するため、今週も寸感&作品絡みの小ネタなどを。

 

まずは今週の寸感。

豊臣(虎)VS徳川(兎)が家康の言うA・R・E(カルバリン砲)で決着するという、プロ野球を彷彿とさせる展開となった冬の陣。尚、大坂が負ける模様。そう(大砲の射程距離が延びるような事態に)なれば、そう(本丸も狙撃されるように)なるやろ。この辺、大坂方は母親と乱世の亡霊に憑りつかれた茶々の暴走という形で進行していたのに対して、徳川方は話の肝になる大砲に関しては青沼さんに発注したシーンくらいしかなかったので、そこをもう少し丁寧に掘り下げておいて欲しかったな。整合性という点では茶々のアジテーションにいちいち完璧なコールを返す浪人衆が適度に訓練されたドルオタみたいで、事前に演説の内容を知っていたとしか思えなかったのですが、これは場の雰囲気を盛りあげるためのシーンなので、突っ込むのは野暮というものでしょう。

家康サイドで印象に残ったのはほぼ老害と化した槍の半蔵の『殿は頭を引っ叩いたワイも許して下さった!』という言葉に『え? 許してないけど?』と素を装って返す主人公にニヤリとさせられました。最晩年の家康は自分から話を蒸し返したりはしないけれども、何かの弾みで調子づいた家臣や大名を見ると空気を読まないマジレスで周囲をビビらせたそうで、或いは自分亡きあとを危惧して睨みを効かせるつもりであったのかも知れませんが、その辺の機微を上手く描けていたと思います。このために渡辺半蔵を序盤から登場させていたのかも?

 

そして、先日発表された最終追加キャスト。春日局に関しては『そらそうよ』という納得感120%のキャスティング。寧ろ、ネットの推測を見て改めてオファーした可能性すら感じられます。そら、第一話から東照大権現ヨイショの大本営発表ナレーションになりますわ。最終回限定のスポット参戦でしょうが、考え得るかぎりの最上のチョイスといえます。ただ、ナレーションがお福だとすると父親の主君のキンカンに対する語りが色々とキツ過ぎる気も……まぁ、自分の運命を暗転させた男でもあるからね、多少はね。

そして、現時点では役名の発表がない前年主演のオグリン。ツイッター界隈では執権小四郎か三代家光のどちらかという声が有力ですね。前者は家康臨終の砌に鎌倉以来の関東武家政権を築いた主人公の夢枕に立って『俺だよ、執権様だよ』と迎えに来る、後者は、

 

おのこが皆キノコが好きなのだ

 

という意味深な台詞を期待しております。