第八十五回『謙信公祭』感想 | ~ Literacy Bar ~

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「皆の者、心して聞くがよい! 義の魂をこの世に伝えるため、時を越え、この上越に……上杉謙信まかり越したッ!」(GACKT)


今年で三回目になるガックンの謙信公祭。

気温35℃という猛暑の中、鎧姿で白馬に跨ったガックンが午後四時半ごろ、出陣行列に姿を現す。過去二回の経験と一年のブランクからか、落ち着きがある半面、これまで表に出していた『狂気』は控えめ。にこやかに沿道の観客へ手を振る場面も。慣れてくれるのは嬉しいけれども、少々、物足りない。ガックン謙信は、荒ぶる狂気の軍神という上杉謙信の面を演技力ではなく、挙措とヴィジュアルで表現したところが凄かったわけで、あまりフレンドリーになられても困るかなぁ、という贅沢な悩みを抱えてみる。ただ、地元テレビのインタビューで、

「地元の人たちに参加してもらいたい。単に盛り上げるだけの祭りではなく、心を伝えてゆくための祭りになってほしい」

といっていたし、HPでも、

「GACKTではなく、御屋形様と呼んで欲しい」

と書かれていたから、地元の観客との絆を大事にしたがっているのかなぁ、とも思ったりする。観衆も皆、ちゃんと『御屋形様~!』と呼んでいたしね。

乗馬の技術とパフォーマンスは相変わらずの安定度。昨今、馬にも乗れずに役者を気取る手合いが多い中、パフォーマーとしての腕はキッチリと磨いてくるガックンは流石。三度目のパフォーマンスの直後、劇場版Zの曲がかかって、ガノタの私は驚いた。



午後六時から川中島合戦の再現イベント開始。

武者のエキストラに長崎や熊本からいらした方々もおられたらしいが、一番驚いたのは


武田信玄のCV:玄田哲章(笑)


あぁ、アニメの『戦国BASARA』で信玄演じてましたものね。

多分、録音した声だけ届けられたんだと思うけれど、もし、現地にいらしていたならガックンよりも会いたかったですよ。

「風林火山」の冒頭ナレーション&OPテーマと共に武田軍入場。馬場、山県、内藤、高坂(アッー!)らの武将を演ずるエキストラの皆さんが名乗りをあげていきます。当然ですが、信玄の台詞だけ異常に巧い。信玄本体の人との演技力のギャップがすげぇ。いや、本体の人も頑張ってましたよ。

次いで、上杉軍入場。ただし、ガックンだけナレーションのみ。武田軍の啄木鳥戦法を看破した上杉軍が八幡原で大攻勢に出ます。そして、勘助・両角・典厩を討ち、武田の本陣が丸裸になった時、


我らがガックン見参!


出陣行列時の和風鎧から、白銀の南蛮鎧に着替えての登場。銀の鎧がスポットライトに映えて美しい。信玄を射程圏内に捉えたガックン。「運は天にあり、鎧は胸にあり、手柄は足にあり……」から始まる名台詞で観衆を煽ると、一気に信玄を急襲! 「三太刀七太刀」の再現です! しかし、妻女山から武田別働隊が到着したため、退却するガックン。昼間の野戦の再現の筈なのに、別働隊全員、松明を掲げての入場(笑)。でも、このほうが見栄えがいいです。そして、大乱戦の末に両軍が陣を退いて合戦は終了。面白かった!


周りの心ない人たちからはCDのプロモーションだとか、マリス・ミゼルあがりだとか何とか貶す声も聞こえるけれども、それでも、大河ドラマの副主人公を演じたタレントが三度も足を運んでくれて、毎回、キチンとしたパフォーマンスを魅せてくれるというのは、凄くありがたい。そんなこと、日本中探してもなかなかないんじゃなかろうか。今後もガックンが来てくれるかは判らないけれども、この祭りは上越市でしか味わえない贅沢として楽しんでいけたらいいなぁと素直に思う。