3月の読書 | てんつぶ

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2月に真田太平記読本を読んで、池波さんのエッセイをもう少し読みたくなり、3月の後半は池波語録にまみれました。

いまは側に池波さんが居られるような心持です。

 

3月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2534
ナイス数:402

池波正太郎の銀座日記(全) (新潮文庫)池波正太郎の銀座日記(全) (新潮文庫)感想
「銀座百店会」会員店店頭にて無料で配布されている「銀座百点」。この小冊子へ池波氏が急逝2カ月前までの8年間に執筆したモノ全てを纏めた完全版。15才で初めて入った銀座の鮨屋など昔から通う店、そして新たにできた店、デパ地下での買い物など。食に関する話が多いのだが、時に日本の近代化を憂い、何より全編にわたり銀座の街への想いが溢れている。さらに数多くの試写と寸評からは映画や舞台に対する情熱が伝わる。近しき物故者が増えた終盤での体調不良が顕著になる様は少し痛ましい。いま執筆時の池波さんくらいの年齢、身につまされる。
読了日:03月31日 著者:池波 正太郎
日曜日の万年筆 (新潮文庫)日曜日の万年筆 (新潮文庫)感想
幼い日々や家族、旋盤工時代、新国劇脚本時代、衣食住等池波氏のホンネを綴った51篇。☆彡私の休日/初芝居/新国劇と私/収支の感覚/私の仕事/私の一日/真田幸村の隠し湯/木靴とウエディング/子供のころ/たいめいけん主人/新橋演舞場/蕎麦/天麩羅/野球/消化剤/絵を描くたのしみ/炎天好日/一匹のイワシ/私の夏/チャイナシンドロームと月山/猫/土俵の人/鮨/酒/忘れぬうちに/勘ちがい/衣について/食について/住について/残心/夢/名前について/テレビの顔/脇役/年の暮れ/私の正月/花ぶさの女主人/試写室にて/初夢
読了日:03月25日 著者:池波 正太郎
男の作法 (新潮文庫)男の作法 (新潮文庫)感想
てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ。鮨屋でシャリとかアガリだとか、客が店側の隠語を使いたがるのは知ったかぶり。ちゃんとした鮨屋は”通”ぶる客を軽蔑する。池波氏の語る粋と野暮、そして氏のこだわりが散りばめられたインタビュー語りおろしエッセイ。かつての<男の常識>を語る。考えが古い所あるけれど、時代が違うからそれは仕方なし。「現代の男たちには恐らく実行不可能でありましょう。」本人もそう書かれています。昭和56年刊行。
読了日:03月21日 著者:池波 正太郎
新装版 乳房 (文春文庫) (文春文庫 い 4-86)新装版 乳房 (文春文庫) (文春文庫 い 4-86)感想
お松は自分を捨てた勘蔵を殺害後、縁あって倉ヶ野の徳兵衛に囲われ一時京都で暮らす。女中失踪と煙管職人殺害事件を平蔵が耳にしてから幾年か過ぎる。実は徳兵衛は大盗賊の頭で最後のお務めに江戸を選んだ。お松と手切れし錠前外しの名人岩五郎を仲間に誘う。だが岩五郎は筆頭与力・佐嶋の密偵であった。火盗改め長官となっていた平蔵は倉ヶ野一味に網を張る。お松は不遇な女だったが京の暮らしで生まれ変わり、回生堂の主人に見初められ女将さんに収まる。そんなお松を久しぶりに見かける平蔵。鬼平は彼女のかつての犯罪・勘蔵殺しを見抜いていた。
読了日:03月18日 著者:池波 正太郎
幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下) (ハルキ文庫 た 19-32)幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下) (ハルキ文庫 た 19-32)感想
五鈴屋八代目の周助。堅輔が九代目を継いだ後は、親旦那としてそれを支えるつもりだが、桔梗屋の再興にも未練を残す。☆江戸で骨を埋める覚悟の菊栄は商いの工夫に尽力する。そして惣ぼんこと井筒屋保晴と商才を競う。☆闕所になった音羽屋夫妻は田舎で細々と旅籠を営んでいた。未だ姉・幸への嫉妬や憎しみに囚われ続ける結。聡い姉と甘えたの妹の二人娘を授かるも、妹を労る長女の桂に幸を重ね苛立つ。☆創業百一年目を迎えた五鈴屋本店。九代目を継いで十年経った堅輔と幸はこれからの百年に思いを馳せる。☆彡暖簾/菊日和/行合の空/幾世の鈴
読了日:03月11日 著者:髙田 郁
三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)三鬼 三島屋変調百物語四之続 (角川文庫)感想
語り手は十三歳の女の子。喪った愛しい人を甦らせる死人の旅籠。☆夏の間お店を休む訳は?煮売り屋の主人に取り憑いたひだる神のお話。☆武士の清左衛門は妹をいたぶった相手を殺害した罪で山番士として寒村に送られるのだが、その山には鬼が住み病人など足手まといの村人を排除するのであった。☆黒白の間に現れたのはお梅と言う老婆の生霊。おちかはおくらさまに振り回された美仙屋の謎を探る。「自分をうちのなかに閉じ込めていると<おくらさま>になってしまう」とお梅に諭されるおちか。☆彡序/迷いの旅籠/食客ひだる神/三鬼/おくらさま
読了日:03月05日 著者:宮部 みゆき

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