幸せへのプロセス 5 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

幸せへのプロセス 1
幸せへのプロセス 2
幸せへのプロセス 3
幸せへのプロセス 4
の続編です。


若干、説明不足の点があり、申し訳ありません。
この「幸せへのプロセス」で、取り上げさせて頂いているのは、幸せになるためにこれまで最大の努力をしてきた、それでもなお幸せになれていない、というようなケースでの、私なりの考え、対応策です(現状ですでにある程度の幸せを手に入れられているかた、まあ、普通だよというようなかたでも、参考にして頂ける可能性は高いと思っています)。

みんな、初期の段階ではああなりたいこうなりたい、という夢を子供のころから抱くものです。
そのための努力を当たり前にして、そこへ到達できる人もいます。
しかし、そのような簡単なプロセスをたどれない人もいます。
そういったかたの何かのヒントになればと思い、書いています。

ただし、このシリーズの中で取り上げる方法のすべてが、ご自分に当てはまるとは考えないようにしてください。
いろいろと取り上げていきますので、自分に合った方法ではないか、これだったらできると思うものをチェイスしてくださいね。


昨日申し上げた「運命の逆転法」。
執着や望みを捨て、すっかりとそこから離れる、ということは、どうしてもできない人がいます。
そんなことをするのは怖すぎる……自分がダメになってしまう……あきらめたら本当に失ってしまう……と感じてしまい、かえって精神的に不安定になる人もいます。

「運命の逆転法」は執着を離れることで、いわば「無心」になって、その物事(その人)に向かい合うという方法で、誤解のないように申し上げておきますが、
「や~めた、もういいや。どうせ手に入らないもん」
と投げやりになることのおすすめではありません。このへんは過去の「逆転法」の記事を読んでみてくださいね。
私はこの「運命の逆転法」は、どちらかというと、理性の働きが強い人、自分をある程度コントロールできる人のほうがやりやすいと思っています。
ただ、このようなプロセスを無意識にたどる人もいます。
よく聞く話は、たとえば子供が欲しいと思って、これまでにお医者さんにもかかり、ありとあらゆる努力をしてきたけれど、授かれない。周囲にも責められる。もう努力することにほとほと疲れてしまった。
そこで「もういいんじゃないか。僕たち二人の暮らしを豊かなものにしようよ」みたいな考えの変化が生じ、子供を授かることをあきらめた瞬間。
子宝を授かった、というような例です。

このような例は、私たちは日常で体験すること、また聞くことがあります。
これは「運命の逆転法」の、執着を離れることで逆にそれを得る、という法則を無意識に実践できているわけです。

強いこだわりや執着を生み出す原因は、ホロスコープ上はいくつかのパターンがあり、こうだったらこうなります、ということを、ここですべて書き出してしまうことは難しいのですが、どこかの星座やハウスの中に星が多く集中していると、その星座やハウスの部分に、多くのセンサーを持つような状態になり、「意識過剰」になることがあります(これは過去の記事にも書いています)。

意識している異性の前で、緊張してしまってうまくコミュニケーションができなくなることがあるように、天体も集中していると、その問題についてのこだわり、執着も強くなることがあります。
このような感情な意識の場合、風通しを良くしてやることで、事態が動き始めることがあります。
そのための手法として、「運命の逆転法」は非常に有効なのです。

しかし、「逆転法」の執着を捨て去るというのは、心理的にとてもできないというかたでも、できる方法があります。
これもまた風通しを良くするための具体的な方法です。

それは「期待しない」ということです。
たとえば成長過程の子供に向かって「お前には何も期待しない」などといったら、その子は大変なショックを受けます。
大人でも傷つきます。職場なんかで言われたりしたら、たまりません。

この「期待しない」というのは、自分の心の中だけの問題、気持ちの持ちようのことです。

ちょっと視点を変えたら、期待という心理は人間関係や出来事の、非常に大きな障害になっていることがあるのです。
たとえば「これだけの仕事をしているのだから、自分のことはもっと認められるはず」「給料やボーナスも上がるはず」「いいポストが与えられるはず」というようなのは、やはり人間、誰でも思いがちなことなのですが、常にこの自分の期待に沿った結果が出てくるわけではありません。
非常に大きなものが与えられると思い込んでいたら、ちょっとだけの報酬しかなかったときも、不満になるでしょう。
この期待感は、裏切られたときに、自分にそれを当てなかった人間への不満や恨み、自分以外でそれを与えられた人間への妬みなどにつながり、さまざまな環境での人間関係を悪化させる要因にもなりますし、自分のモチベーションを下げることにもつながります。

夫婦間などでも、配偶者への期待は、互いの評価を下げることにつながりやすいのです。
こうしてくれると期待していた、違った対応をされてしまった。
そういったことが積み重なって、愛情の冷えなどが起きることすらあります。

じつは期待こそが、人間関係を阻害する大きな要因の一つなのだということは、見逃されがちです。
期待をしていなかった場合、わずかな報酬がとてもありがたいと感じられるかもしれませんし、相手からのやさしさが非常にうれしく思えるかもしれません。
その結果、自分の感謝が相手に伝わり、向こうの評価も変わってくるということが、現実にあります。

「そんな少しばかりのことを喜べなんていうのは、気持ちのごまかしだ」とお感じになるかたは、とくにこれをしてくださいという話ではないので、スルーしてください。
しかし、この期待を薄くしてしまうことで、人はまず

小さなことから幸せを見つけられるようになる

のです。

人生のある部分に強く愛や成果を求める人ほど、やはりその部分にホロスコープも比重が大きいものになっています。
それはさきほど申し上げたように、風通しの悪い状態になって、どんなに努力してもそれが得られない悪循環になっている可能性があります。

そんな人は、一度肩の荷を下ろす必要があります。
その一つは「運命の逆転法」を使って、執着から離れてしまうこと。
そして、もう一つは期待を薄くしてしまい、できるだけ抱かないようにすること。それによって、小さな幸せや小さな成功から獲得して行くというプロセスに入ること。


次回は、「否定」について触れます。
これもまた、驚くべき真実が含まれていると思います。



追記
期待については、人を育てる効果もあります。適切な時に、適切な言葉でそれを伝えることまでもが「有害」であるということを申し上げたいわけではありません。
この文脈の中での「期待」とは、自分本位な思い込みでの「こうなってほしい」「こうであってほしい」という一方的なもののことです。
じつは相手の立場や価値観などを思いやれる人間は、この期待についてもあまり過度になることがなく、バランスが取れていることが多いのです。





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